NHKスペシャル「ドラマ こもりびと」 (2020/11/22) 感想

NHK総合・NHKスペシャル『ドラマ こもりびと』(公式)
『10年以上ひきこもる倉田雅夫(松山ケンイチ)。厳格な父・一夫(武田鉄矢)が余命宣告を機に、もう一度息子と向き合うことに。雅夫は人知れず、出口を必死に探っていたー』の感想。
10年以上ひきこもり生活を送る倉田雅夫(松山ケンイチ)。重いストレスを抱え働けなくなったことがきっかけだった。厳格な父・一夫(武田鉄矢)は元教師。地元でも尊敬を集める存在だが、雅夫の存在を世間から隠し、立ち直らせることも諦めていた。しかし、自らの余命宣告を機に、最後にもう一度息子と向き合うことに。一方の雅夫は、閉ざされた部屋の中で人知れず、ひきこもりから抜け出す道を必死で探っていたー
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
原作:なし
脚本:羽原大介(過去作/マッサン、昭和元禄落語心中、スパイラル~町工場の奇跡~)
演出:梶原登城(過去作/利家とまつ、功名が辻、龍馬伝、あまちゃん、マッサン、外事警察)
音楽:上野耕路(過去作/逃げる女、空想大河ドラマ小田信夫、高嶺の花)
挿入歌:ザ・ブルーハーツ 『スクラップ』『TOO MUCH PAIN』『チェインギャング』
ドラマのイントロダクションは、こんな感じだ
Twitterのアカウント名を「カチナシオ」と名乗り、10年以上ひきこもり生活を送る倉田雅夫(松山ケンイチ)。
一夫が口癖の「小生」とは、goo辞書によれば、「一人称の人代名詞。男性が自分をへりくだっていう語」とある。言葉ではへりくだっているのに、現実は元教師で威張り散らす厳格な父・一夫(武田鉄矢)は、地元でも尊敬を集める存在だが、ひきこもりの息子の存在を世間から隠し、立ち直すことも諦めていた。
そんな一夫が、自らの余命宣言を機に、息子と最後に本気で向き合おうと動き出す。一方の雅夫もひきこもりから抜け出す道を探していた。
そこへ、雅夫の姪で一夫の孫であり、大学4年生で就活中の美咲(北香那)が現れ、おじいちゃんとおじさんの仲を取り持とうと、おじいちゃんに「パンク先生」と言うアカウントを作って、Twitter上で、再び親と子のデジタルなやりとりが始まる…
雅夫の喪主の挨拶原稿が「鉛筆で縦書きにかれた切れ端」…
奇しくも、息子がひきこもりから抜け出すきっかけが、父親の葬儀での喪主の挨拶となった。私にとって印象的だったのは、雅夫が書いた喪主の挨拶原稿が「縦書きのノートの1ページに、鉛筆で縦書きにかれた切れ端」だったこと。
雅夫くらいの年頃なら「ノートにボールペンで横書き」や「スマホにメモ」が一般的だと思うが、雅夫は、元教師で厳格な父への思いを込めて、横書きのノートを縦書きの便箋のように使い、読み上げたシーン。雅夫の父への尊敬や感謝や謝罪、そして誓いの気持ちが、「心の手紙」として届いたと思う。
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気づかないだけで周囲にも「ひきこもり」はあるかも…
「ひきこもり」が大きな社会現象であり、深刻な状況の家庭や家族をつくっている日本の現実。「ひきこもる」理由は、個々の事情で異なるし、家庭内にやたらと踏み込むわけにいかないから、例えご近所さんであろうと、行政機関などがやれることも限られている。
ただ、私が気が付ないだけで、近くに「ひきこもり」はあるかも知れない。もしも、それが分かった時、自分は何をするべきか? そして、何が出来るのか、改めて考えさせられた。
「忘却による死」は永遠に避けることが出来る
また、私事で恐縮だが、私は既に実の両親を亡くしており、喪主も務めた。親の葬儀の喪主を務めると言うのは、誠に緊張するものであると同時に、とても真摯的で清らかな気持ちになれるものだ。
親に育ててもらった恩を返せる機会。「親孝行、したい時には親は無し」と言う諺があるが、私は、子どもは生きているだけでも親孝行だと思うし、親が亡くなってからも親孝行は出来ると思う。
「肉体的な死」は悲しいが、「忘却による死」は永遠に避けることが出来るからだ。今回の雅夫の凛々しい喪主の姿を見て、もう一度、親孝行と言うものを考える機会を貰ったような気がした。
あとがき
自分の生き様と、長い人生における自分の物差しで、我が子に助言をしたい親。子どもはその助言をうるさいと感じてしまう。もちろん、親以外の人間も、自分の考えや志向を相手に押し付けてくることもあると思います。なかなか、自分が思うよな理想の人生を歩むのは難しいですが、劇中の雅夫は新しい世界への一歩を踏み出してくれそうで良かったです。
ほぼ全編が、松山ケンイチさん、武田鉄矢さん、北香那さんのお三方の演技で丁寧に紡がれた家族の物語。三人の演技力や存在感の素晴らしさは、今ここで評価するまでもないと思います。民放ドラマでは扱いにくい、地味で重たいテーマを、NHKらしい丁寧で静かな描写で描き、何かを視聴者に届け、感じさせたと思います。観て良かったドラマです。
見逃し配信は、下記の「NHKプラス」リンクからどうぞ。配信期限は、11/29(日) 午後10:13 までです。
https://plus.nhk.jp/
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