連続テレビ小説「エール」 (第22週/土曜日版・2020/11/14) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『エール』(公式サイト)
第22週『ふるさとに響く歌』の
『土曜日版』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
作詞家として大成した鉄男(中村 蒼)だったが、自らの暗い過去にとらわれ、家族を主題にした歌だけは書けずにいた。裕一(窪田正孝)はそんな鉄男に母校の校歌を一緒に作ろうと誘う。校歌が完成して福島を訪れた2人に思いがけない出会いが…! 一方、裕一の弟の浩二(佐久本 宝)はりんご農家を頻繁に訪れていた。実はその家の娘・まき子(志田未来)にひそかに思いを寄せているのだが、彼女は戦死した恋人を忘れられずにいて…。
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---
NHKは、どこまで本気で視聴者に『エール』を楽しんで貰いたいと考えているのか?
これから書くことが、NHKにとって厳しいことであり、難しいことであるのは重々承知の上で、敢えて書きたい。NHKは、受信料を払っている視聴者たちに、どこまで本気で、このコロナ禍の中で連続テレビ小説『エール』を楽しんで貰いたいと考えているのか? と言うこと。
副音声で「新たな解説」を入れて楽しませてくれたのは大いに認める
いや、新型コロナ感染拡大で放送が一時的に中断せざるを得なかった時、本来は視覚障害者の人たちのための「副音声」を利用して、本編に登場した登場人物のキャラクターのままで、俳優さんたちに「新たな解説」を入れると言うアイデアで、視聴者たちを楽しませてくれたのは大いに認めるところだ。
一週間の途中で脚本家が交代したり、演出家を二人体制にしたりの現場の努力も認めたい
また、コロナ禍の影響で、当初の「全130回放送予定」が、「全120回」に話数が減り、そのために急きょ脚本を変え、(恐らく)そのために、撮影班の数も以前より増やして、登場人物毎に細かく撮影して繋げたのだろう。
一週間の途中で脚本家が交代したり、演出担当が二人体制一週間分を撮影したりしたのだと思う。そうでもしないと、撮影休止期間中の巻き返しが出来なかったのも、予想の域ではあるが大いに認めたい。
ならばあと一息、「語り × ナビの二人体制」は不可能だったのか?
だったら、あと一息、踏ん張れなかったのか… と。
それは、本来は津田健次郎さん一人だった「語り」を「二人体制」に出来なかったのかってこと。だって、語りの津田さんは既に本編に脇役として登場した。こんなサプライズをやったではないか。
ならば、来週に「土曜日版」のナビゲーターであるバナナマン日村さんを脇役で登場させる前に、再放送が終わって、本放送が再開したポイントを利用して、「語り × ナビの二人体制」には出来なかったのかと思うのだ。
いや、バナナマン日村さんが無理なら、全く別の俳優さんやタレントさんを起用して、サプライズで「語り × ナビの二人体制」にした方が良かったと思うのだ。
今回の土曜日版を見て、「語り × ナビの二人体制」の効果がよく分かった
だって、明らかに、放送10回分が減ることになった影響を受けるのは、放送再開後になるはずだから、「語り × ナビの二人体制」でどんどん補足や補強をしたら良かったと思う。このことは今までも考えてはいたが、今回の「土曜日版」を見聞きして、“多分” から “ほぼ確信” になった。だから、こうして書いたのだ。
鉄男と典男の兄弟が再会する話も、イメージアップした!
例えば、鉄男(中村 蒼)が弟の典男(泉澤祐希)と再会する話。本編の感想には書かなかったが、実は、如何なる理由があろうとも、鉄男は典男をずっと探し続けている設定にすべきだったのだ。だって、鉄男はカフェーで働いていた、且つて惚れた女・希穂子(入山法子)のことを忘れられずに、ほぼストーカーみたいになった男でないか。
だったら、典男のことこそ、仕事の伝手やあの手この手を使って探している設定でないと、連続性や共通点がないのと同じなのだ。本編は、そのことをスルーして、裕一の母・まさ(菊池桃子)が言った「親孝行」と言うキーワードで上手く誤魔化した。まあ、私は誤魔化された上での感動だったから、やはり心のどこかで引っ掛かっていた。
でも、「土曜日版」では、いの一番に、劇作家・池田(北村有起哉)が言った「想像力」と「てめえ次第だ」と言う二つのキーワードを強調させるために、「池田さん いいこと言うね~」とナビさせた。
更に「弟の典男がある日 突然 家出 そのあとも見るかることはありませんでした」とナビを続けて、あくまでも典男が自分の意思で家出をしたことと、ナビの中へ「そのあとも」を加えた直後に「俺は 冷てえ人間だ」の鉄男のカットを直結して編集することで、「鉄男は典男をずっと探し続けている設定」までは届かないが、さり気なく「これまで鉄男は典男のことを探していなかったわけではない」くらいまでイメージアップに成功したと思う。
こう言う “ナビだからこその効果 = 印象操作” を利用するべきだったと思うのだ。
畠山リンゴ園に突如年頃の娘が登場した唐突な設定も、ナビで上手く誤魔化した
もう一つ、“ナビだからこその効果 = 印象操作” を挙げてみる。例えば、 畠山リンゴ園は以前に登場したが、その時は娘がいる設定と言うようには描かれていなかった。私の印象としては、夫婦二人暮らしの農家でリンゴ園の先行きに不安を感じていたって感じだろうか。
しかし、今週になったら、いつの間にか年頃の可愛い娘がいて、更に東京の親戚が経営している会社で経理担当が不足している設定まで加わった。ここだって、目くじらを立てる程ではないにしても、少し事前にネタ振りはしておくべきだったと、私は思う。
そこで、「土曜日版」では、「りんご園に足しげく通っていました」と「農園の娘 まき子さんと 何やら いい雰囲気みたいですね~」をナビで加えて、既に二人の間ではかなり話が進んでいるような雰囲気を植え付けた。
この位に本編の違和感の元を削除して、“いいとこ” だけを摘まんで編集し、ナビを入れれば「そうだったんだ…」と、ならざるを得ない。こう言うのも上手くやったと思う。
唐突に音が福島に来て浩二を叱咤する設定も、少しはマシに見えた
また、こんなナビも上手いと思う。私は、暇ならせめてワンカットで良いから、裕一の留守の間に教会の孤児院で音楽教室をやっている音(二階堂ふみ)くらいは撮影して編集すべきと感想に書いた。
しかし、「土曜日版」のナビは、こう語った。「暇を持て余していた音が福島にやって来ました。ちょうど そのころ 浩二に見合い話が」と。寝転んでお菓子を食べてる音は当然削除だし、「暇を持て余した」で音が裕一の留守を寂しく思っているようにも感じた。
また、「ちょうど そのころ」としたことで、「なぜ、音が加わるの?」と言う不自然さも少し和らぐ。無駄を削除して、補足と補強をすれば、何とか意味が通じるし、より分かり易くなることが、この三つの例でも分かると思う。
ナビの神通力でも「音の説得力」は補強できなかったようだ
ただ、流石の “ナビだからこその効果 = 印象操作” でも、編集で台詞を短くしても、音が浩二を叱咤する不自然さは払拭出来なかったようだ。
残った台詞は「やらずに後悔するより やって後悔した方がいい!」だけになったが、妊娠して声が上手く出なくなったら(裕一の説得もあって)音楽学校を自主退学したり、戦時中の音楽教室の発表会もやりたいと言った割に、やらず仕舞いだったりの音が言っても説得力に乏し過ぎるのだ。
せめて、音が、音楽学校を中退して後悔したと言う本音を裕一にだけ告白するシーンがあるとか、戦時中に周囲の反対を押し切って発表会を強行して、姉夫婦やご近所さんたちから猛烈に攻撃されたようなシーンでもあれば、説得力が出るが、流石に「土曜日版」に付け加えることは出来ないし、ナビでもフォロー出来なかったようだ。
不自然な展開や無駄な場面は一度放送したら取り返しがつかないが…
これらのことから分かるのは、基本的に不自然な展開や無駄な場面は一度放送したら取り返しがつかないことがあると言うことと、語りやナビゲーションなどの使い方次第では、自然な展開や無駄な場面を後方支援できると言うことだ。
残り二週間、10回で「語り × ナビの二人体制」をやってくれるとは思えないが、一応、最終回まで望みは捨てずに、見ようと思う。
あとがき
「基本的に不自然な展開や無駄な場面は一度放送したら取り返しがつかない」と書きました。予告編を見たら、看護師(当時は看護婦)となった華(古川琴音)とロカビリー歌手のアキラ(宮沢氷魚)との恋バナがあるようです。
だったら、幾ら数年の時間経過はあるとはいえ、先週の華が通う高校の隣の高校の野球部員・竹中渉(伊藤あさひ)のエピソードは、あれだけで終わりってこと? まあ、野球少年と裕一のやり取り自体も、相当あざとかったですが。
と言うわけで、残りの二週間もこれまで通り、毎日山あり谷ありの気分で、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いて行きますので、よろしくお願いいたします。
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第1週『初めてのエール』
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