連続テレビ小説「エール」 (第106回・2020/11/9) 感想 ※追記あり

NHK総合・連続テレビ小説『エール』(公式サイト)
第22週『ふるさとに響く歌』の
第106回の感想。
※ 本作は、2020/10/29 にクランクアップ(撮影終了)しています。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
昭和26年。日本は復興期を迎え、人々の生活も豊かさを取り戻しつつあった。華(古川琴音)は19歳となり、人の役に立つ仕事をしたいと看護婦になるという夢に向かって、看護学校で勉強の日々を送っていた。鉄男(中村蒼)は木枯とつくった「湯の町エレジー」のヒット後、少し行き詰まっていた。そんな鉄男の様子を察した裕一(窪田正孝)は、鉄男に母校の小学校の校歌の作詞を書いて欲しいと依頼する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
●原案:林宏司 ●作:清水友佳子 ●演出:松園武大、丸山文正(敬称略)
先週末から どれくらい たったのだろう?
週が明けて、劇中の時代は戦後からの復興期を迎えて、人々の生活も裕福になり始めた昭和26年。長渕剛さんの名曲『乾杯』の歌詞を拝借すれば、「先週末から どれくらい たったのだろう?」って感じ。
勝手に話を進めるのは良いとして、「連続テレビ小説」と言うなら、冒頭で「教会での慈善音楽会から○年後」くらいのナレーションは視聴者へのサービスとして入れても良いと思う。特に、これだけ明確に古関裕而氏が作曲した名曲をふんだんに劇中に引用しているのだから。ホント、冒頭から脚本が雑なのだ…
描かれなかった期間に裕一が何をやっていたかを描写すべき
雑と言えば、アバンタイトルで、裕一が体操するシーンに、こんな音(二階堂ふみ)と華(古川琴音)のやり取りがあった。
華「ねえ お父さん 何やってんの?」
音「『福島県民体操』って曲を作るんだって」
これ、華が「お父さん また作曲してんの?」とか、「お父さん この前はバットを振ってたけど」とか言って、音が「今度は…」と華の台詞を受け取るだけで、先週からの時間経過は明瞭にはならずとも、裕一が “描かれなかった期間” に校歌や応援歌や社歌を作曲していること、それも何度も発注を請けて古山家の景気も良くなっていることが、明確になるのでは?
助監督が格上げになり、演出が二人体制へ
さて、クレジットタイトルを見ると。今週の脚本も、裕一(窪田正孝)の描写不足とキャラ変更が著しい先週と同様の清水友佳子氏で期待薄。演出も二人体制になり、これまで本作で名前を見なかった丸山文正氏が加わっていた。
調べてみれば本作の “助監督”。いよいよ、制作現場が切羽詰まって来たのか、昨今の事情なのかは不明だが、遂に全員総出で残りの3週間を描き切ろうと言うことらしい。最終回まで放送してくれるのはありがたいが、やはり不安要素にはなる…
裕一の"親バカっぷり"より、裕一自身の仕事を描いて欲しい
そして、主題歌明け、唐突に華が看護師(当時は「看護婦」か…)志望で、既に看護学校生であることになった。ホームドラマらしく、裕一の “親バカっぷり” で微笑ましいシーンを作ったつもりだろうが、折角、苦楽を共にして来た鉄男(中村蒼)がいるのだから、“描かれなかった期間” に裕一が何をやっていたのか、もっと補足して欲しかった。
まだ、華が「慈善音楽会」の母親の歌を聴いて、音楽学校に入学したと言うなら話は別だが…
昭和26年の"甘いミニトマト"の描写にも違和感が…
また、雑だからか、私の俄か知識が間違っているのか知らないが、古山家が家庭菜園で育てていたのが「甘いミニトマト」であったと言う描写があった。「甘いミニトマト」と言えば、タキイ種苗の日本一甘いミニトマト「桃太郎」有名。ある仕事(守秘義務違反になるので言えません)でタキイ種苗さんとはご縁があるので調べたことがあって…
その「桃太郎」の開発が始まったのが、1960年代(昭和30年代半ば)で、発売されたのが1983年(昭和58年)。一般的に、ミニトマトの発売の歴史は昭和50年代後半から急激に進んだと言うのが定説のはずだから、昭和26年設定ではちょっと違和感。まあ、映像を良く見ると中玉にも見えなくもないが…
せめて、鉄男(中村蒼)の台詞は「完熟のトマトは甘くて美味いなぁ」程度に留めたら良かったに、台詞が不適当で余計なのだ。
※補足と修正をします。(2020年11月9日 18:06)
タキイ種苗の病害情報の監修をされていた米山伸吾氏に伺ったところ、「桃太郎」は開発および発売当初は大玉で、2000年代になってから、中玉、ミディ、ミニと発売されたそうです。ただ、開発当時から甘さについては、他のトマトとは違った甘さがあったとのことです。
スピンオフ的な一週間の始まりの割に無駄が多過ぎる!
杉山あかね(加弥乃)が「村野先生」ではなく、「村野さん」と言ったのも気になるが。そんなことより、予告編を見る限り、今週は裕一が絡んで入るものの、メインは鉄男(中村蒼)と裕一の弟・浩二(潤浩)であることは明らかなわけで、謂わば本作がお得意のスピンオフ的な一週間になるはず。
華を裕福なお嬢様にして見合い話に"引っ張りだこ"の方が…
だったら、いや「週5放送」なのだから、大人版になったケン(松大航也)が吟(松井玲奈)夫婦の養子になったくだりは良しとして、華が看護婦になるなんてエピソードは全く不要だったと思う。
いや、むしろ、時代的には、女性が無理に働く時代ではないし、梅(森七菜)ならともかく、華については一切「社会に出て働きたい」なんて描写は皆無だったのだから、ここは無理せずに裕福な家のお嬢様として、お見合い話で引っ張りだこ… くらいの下駄を履かせても良かったと思う。何せ、華は何の特徴もないのだから。
あとがき
取り敢えず、全120回の「エピローグ」として、鉄男の過去を描きつつ、家族へのトラウマを抱える鉄男の再起が今週の一つの軸になるような15分間でした。だったら、無駄を盛り込み過ぎですよ。昭和26年の時代状況の説明と、裕一と鉄男が福島へ出発すると言うだけで、15分間も割いたのはもったいないです。
それに、ラストの裕一と鉄男が二人で歩いて母校に向かう1カットがありましたが、あれは、例の幼少期に川が下に流れている林の中の橋の上が良かったと思います。あの橋、あの坂道、あの水辺こそ、裕一や鉄男、久志たちの友情が育まれた場所ですから。二人の演出家、第1,2週当たりを見ていないのかなぁ。
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