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連続テレビ小説「エール」 (第105回・2020/11/6) 感想

連続テレビ小説「エール」

NHK総合・連続テレビ小説『エール』公式サイト
第21週『夢のつづきに』の 第105回の感想。



 本作は、2020/10/29 にクランクアップ(撮影終了)しています。
 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。


目標を見失った音(二階堂ふみ)のために、裕一(窪田正孝)は鉄男(中村蒼)に詞を書いてもらい、音への思いを音符にのせて歌をつくる。そしてある日、裕一は音を連れて教会にやってくる。裕一は音に、教会でクリスマスのときに開催することになった慈善音楽会で、音のためのつくった歌を歌ってほしいとお願いをする。子供達に歌を教えて、音楽の楽しさを思い出す音。そして、いよいよ、音楽会当日に…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

●原案:林宏司 ●作:清水友佳子 ●演出:橋爪紳一朗、小林直毅(敬称略)

まえがき

今回を「大団円!」とか「大人のファンタジーで感動した!」とか思った方は、捻くれ者が書いた感想なので、この先を読んでも気分が悪くなるだけです。早々にこのページから離れるのをおすすめします!

先読み通りが当たってしまったことを、お詫びしつつ…

まず、最初に書いておきたいのは、私の先読みの予想が当たり過ぎて “ほぼネタバレ” のようになるから出来れば先読みを書かないで欲しいと言う読者さんに対して、先読み通りに「音のために裕一が曲を書いて歌わせる結末」が当たってしまったことを、お詫びしつつ、素人が考えるような脚本だったことも分かってしまった… と言うことだ。

捻くれ者の私が、今回で一番感じたのは残念ながら不快感…

さて、冒頭で書いたように私は捻くれ者だから、今回の15分間、今週のまとめとしての金曜日を見て、正直、一番感じたのは不快感だった。だから、好意的に見た人は読まない方が良いと書いたのだ。では、そう感じざるを得なかった理由について書いてみる。

そもそも、音が孤児院に興味があるようには思えない!

まず。そもそも、音(二階堂ふみ)が孤児院に興味があるようには思えない点だ。だって、キリスト教信者である関内一家の中でも、父・安隆(光石研)、母・光子(薬師丸ひろ子)、姉の吟(松井玲奈)、妹の梅(森七菜)よりも、キリスト教徒らしい描写が極端に少ない。

安隆だって死後は「閻魔様×三角頭巾」があったものの、事故死の原因に然りキリスト教徒らしさがあった。また、光子や梅は戦時中に弾圧や差別を受けたし、吟は礼拝に行っているわけだから、際立ってと言う表現は適切でないが、音がキリスト教徒である印象は極端に薄いのだ。

音も華も裕一も基本的に経済的に恵まれている設定だから…

また、音について思い返せば、裕一がコロンブスレコードに入った直後は多少貧しい生活描写はあったものの、結婚以前も結婚後も戦時中も、それ程困窮した描写はない。むしろ、どちらかと言えば経済的には恵まれている印象の方が強い。

その上、娘の華(古川琴音)に至っては、生まれた時から裕福で有名人の家庭の一人娘でお嬢様であるわけで、それが、純粋な野球少年・竹中渉(伊藤あさひ)と親の名声を使って遊んでいるような印象すらあるのだ。まあ、ほぼず~っと裕福な時代が長いのは、当の裕一(窪田正孝)も同じだが…

吟はケンの存在を含めて、孤児院エピソードと馴染みやすい

更に、孤児院と言う観点で言えば、吟は、戦中は夫の智彦(奥野瑛太)が軍人だから大日本帝国婦人会では辛く貧しい日々もあった。また、夫とのご縁で、少年ケン(浅川大治)を家に住まわせていると言う “らしさ” がある。

流れとしては間違っていないから完全否定するつもりはない

いやいや、今回の15分間を完全否定するつもりはない。前述の通り、私の予想通りに、夫である裕一が作曲した楽曲を妻の音が歌うことで、長年の夫婦の夢が叶うと言う展開になったのだから、エピソードと言うか、流れとしては間違っていないと思う。

金曜日で二者選択のようなエピソードは相応しくないと思う

ただ、ここでまた、へそ曲がり思考を発揮すると、二者選択のようなエピソードはこの場合は相応しくないと思うのだ。

二者選択とは、プロの歌手の夢が断たれたから、歌の上手い素人歌手もどきを選択するとか、お金を払ったたくさんのお客さんが入った大きな舞台で歌う夢が断たれたから、無料で小さな孤児院で歌う方を選択しているように見えてしまうことだ。脚本家は、そんなつもりはなくても、受け取り方でそう見えてしまうのだ。

要は、「Aがダメなら、Bで満足しておく」ような展開にしてしまうと、「A>B」と言う上下、大小、優劣が出来てしまうのだ。

戦中の音楽教室の会場を"教会"にしておくべきだったと思う

「じゃあ、どうすれば良かったの?」と言う問いが来そうだから、私なりの回答を書いてみる。既に撮影終了している作品に、こんなことを書いても無駄でしかないが、敢えて遡って撮影からやり直せるなら…と、妄想してみた。

戦時中に音が自宅に子どもたちを集めて無料で開いた音楽教室を、毎週日曜礼拝に通っている教会のオルガンを使って、孤児院の子どもたちと一緒に、“あの弘哉” たちご近所の子どもたちも集めて開催していた設定にしておくべきだった… ことだろうか。

そうすれば、教会と言う舞台が持つ “特別な意味” によって、お金持ちの道楽には見えない上に慈善活動に見え易くなったはずだ。また、戦後は少しの間、自分の “プロの歌手になる夢” を叶えるために音楽教室を開催していなかったとの理由付けにもなる。

その上、裕一が感じていた “戦時歌謡に関わった負い目” を慈善活動に実を注ぐことで、更に心が洗われて行く(まあ、自分勝手な言動であるが、そもそも慈善活動にはそう言う部分があるわけだから)のも不自然でない。

そして、何よりも音楽教室を教会にしておくべきだったのは、裕一と音が初めて出会った場所であり、幾つかの『エール』の印象的な舞台にもなった場所だから、違和感を覚え難いのだ。と言うわけで、解決策はあった… と、言わざるを得ない。

「長崎の鐘」の時も、クリスチャンの音が動けば良かった…

それに、捻くれ者が愚痴ついでに言えば、「長崎の鐘」の誕生秘話のくだりだって、もっと自然な展開にやりようがあった。それは、第94,95回に放送された、長崎への原爆投下によって自らも被爆しながら被爆者の救護活動に当たったキリスト教の医師の永井隆さんをモデルにした永田武(吉岡秀隆)のエピソードのことだ。

これも、劇作家の池田(北村有起哉)に言われる前に、キリスト教徒である音がいち早く察知し、夫の裕一へ作曲の話を持って行くことも出来たのだ。そして、夫は「長崎の鐘」を作曲し、音は、教会で子どもたちに音楽の楽しさ、歌う喜びを教えて…。このような筋書きであったなら、今回が最終回でも良かった位だと思ってしまった。

関内一家をクリスチャンにした架空の設定を活かていない!

本作は、主要な登場人物に実在のモデルがいようが、基本的にフィクションなのだ。作家が、「古関裕而」と言う音楽家の人間性や音楽性をきちんと理解していれば、古関裕而さんの妻・古関金子さんがクリスチャンでない事実を、敢えて『エール』の音、関内一家をキリスト教徒にした架空の設定を、もっともっと有効活用すべきだったのだ。

まあ、そこは、収録開始に先立ち、当初に脚本を手掛けていた林宏司氏が離脱したために、後継の作家が “音がクリスタチャンであると言う設定” を持て余し、活かしきれなかった可能性もあるが、それはテレビの内側の事情であって、それを見せないのがプロの仕事だと思いたい。特に、受信料で成り立っているNHKには、内側を見せては欲しくない。

あとがき

今年はコロナ禍で開催が見送られましたが、毎年、知り合いにハンドベル奏者がいるので、毎年「ハンドベル・クリスマスコンサート」に行っています。普通、今回のような教会や孤児院での慈善音楽会やチャリティコンサートは、招待客を集めチケット収益や募金箱を設置して、その収益金を教会に寄付して、孤児たちに使うのです。

だから、ワンカットでも良いから、受付でチケットのやり取りをする様子を入れるだけで、印象はだいぶ違ったと思います。

また私の偏見ですが、“慈善” には “愛” があって欲しいと思います。でも、今回の慈善音楽会のシーンに、裕一や音から孤児たちへの “愛” を感じることは出来なかったのが残念です。

むしろ、傷ついた妻を元気づけるために孤児院を利用たように見えてしまいました。いろいろな人が、いろいろな場所で見る朝ドラですから、もう少し配慮が欲しかったです。

と言うわけで、捻くれ者の愚痴を最後まで読んで下さった読者の皆さん、ありがとうございました。やはり、無理に音を絡めると過去の描写が雑なので、「裕一を中心に “福島三羽烏” や故郷の福島の話にして、原点に戻って欲しい」と本作に “エール” を送ります。



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★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

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