姉ちゃんの恋人 (第1話/初回15分拡大・2020/10/27) 感想

関西テレビ制作・フジテレビ系・火9ドラマ『姉ちゃんの恋人』(公式)
第1話/初回15分拡大『肝っ玉姉ちゃんが訳アリ男に恋をした!』の感想。
27歳の桃子(有村架純)は高校生の時に両親を事故で亡くして以来、弟の和輝(高橋海人)、優輝(日向亘)、朝輝(南出凌嘉)を養うため、親戚の川上(光石研)に紹介されたホームセンターで働いている。ある日、桃子は部署のチーフ・日南子(小池栄子)からクリスマス企画のリーダーに任命され、各部署の責任者を集めてミーティングを行うことに。配送部から出席したのは上司の高田(藤木直人)に頼まれた真人(林遣都)だった。母親の貴子(和久井映見)と2人暮らしの真人は、好青年だが人と関わることが苦手。桃子から意見を求められて…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:岡田惠和(過去作/ひよっこ、最後から二番目の恋、セミオトコ、少年寅次郎)
演出:三宅喜重(過去作/過去作/銭の戦争、嘘の戦争、10の秘密) 第1話
本橋圭太(過去作/緊急取調室1,2,3、TWO WEEKS、ケイジとケンジ)
宝来忠昭(過去作/僕の初恋をキミに捧ぐ、家政夫のミタゾノ3、セミオトコ)
音楽:眞鍋昭大(過去作/SUITS[1,2]、後妻業、おじさんはカワイイものがお好き。)
主題歌:Mr.Children「Brand new planet」(トイズファクトリー)
「岡田惠和×有村架純」が生み出す世界観には期待を託せる
『2020年10月期 / 秋ドラマの期待度』では、「朝ドラ『ひよっこ』の脚本家、岡田惠和氏のオリジナル脚本で、有村架純さんと再タッグ。カンテレ制作・フジテレビ系「火曜21時枠」としては、新鮮な内容のドラマになるのかどうか…」と、星3つの中期待度だった本作。
しかし、今期の連ドラの低迷ぶりを見て来て、今期の連ドラとしては(恐らく)『監察医 朝顔』と『先生を消す方程式。』に次ぐ、3番目に遅く始まる連ドラだから、期待が高まっていたのが事実。やはり、「岡田惠和×有村架純」が生み出す世界観には期待を託せると思ったから。
脚本の岡田惠和氏と有村架純さんについて少し書いてみる…
そして、遂に始まった『お姉ちゃんの恋人』の第1話。本作の感想に入る前に、当blogにしては珍しいことだが、脚本の岡田惠和氏と有村架純さんについて、少し書いてみようと思う。
私が、ドラマの中の有村架純さんを意識して見るようになったのは、2013年度(平成25年度)上半期に放送された宮藤官九郎脚本の連続テレビ小説『あまちゃん』(NHK)で演じた “若き日の天野春子” だ。出番は少ないのに印象の残る役を演じたのが注目の始まりだったと思う。
その後は、 岡田惠和氏が脚本を務め、堤幸彦氏が演出した2013年の『スターマン・この星の恋』(フジテレビ系)で演じた “田舎町のスーパーで働く女性・臼井祥子” も印象的だった。年下の彼氏がいるのに退屈な毎日にいつも苛立っていたが、宇宙人の存在を知ってから少しずつ日常に楽しみを見出して行くと言う普通の女性。
有村架純さんの演技の"二面性"が登場人物に説得力を与える
そして、彼女の存在感を決定的にしたのが、2017年度(平成29年度)上半期に放送された岡田惠和脚本の連続テレビ小説『ひよっこ』(NHK)の “谷田部みね子” だ。クラスの隅っこにいるような地味で目立たず、飛び切り優秀でもなく落ちこぼれでもなく、強くもなければ弱くもなく、善人でも悪人でもない、要は “普通の人”。
それが「みね子」。何とか社会に適応はしているが、一人の女性、長女、長姉として、それぞれの立場で内包している不安や悩み、ストレスやフラストレーションを演じると見事だった。
笑っているのに、どこか悲しそうに見えたり、怒っているのに優しく見えたりする。そう言う彼女の演技の “二面性” や “二重性” が演じる登場人物の深さや奥行きになるから、普通の人でこその説得力がある。
有村架純さんが"普通の人"を演じると、生き生きと映る
従って、この「姉ちゃんの恋人」でも、有村さんは、特別な過去や特殊な環境にあっても、安達家の大黒柱として女手一つで弟たちを養い、親の役割も担って来た、誰が見てもドラマに良くある “肝っ玉母ちゃん” を演じている。
喜怒哀楽がハッキリした性格の、高校3年生の時に両親を事故で亡くし、弟3人を養うために大学進学を諦めて親戚に紹介されたホームセンターで9年間働いている “普通のお姉ちゃん” だ。肩書きや役職や名声のない“普通のお姉ちゃん” を演じる有村架純の生き生きとした姿は、私にはとても生きる元気を貰えるのだ。
岡田惠和脚本は常に"少しだけ先の明るい未来"を描く
また、脚本の岡田惠和氏は、私が大好きな『ビーチボーイズ』を始め、基本的に悪者がいない。ストーリーもドラマチックな部分はあっても、基本的には日常を描く。
でも、岡田氏の描く脚本の中の “日常” は、“今” と言うよりも “少しだけ先の明るい未来” になっているのが大きな特徴。本作に於いても、2020年の秋から冬にかけての「コロナ禍」が劇中に反映はされているが、演出や演技を含めて、コロナが少しだけ落ち着いた “少し先の明るい未来” を描いていた。
居酒屋や弁当屋のシーンでも “完全マスクありき” でないのは意図的にやっていると思う。そんな“少し先の明るい未来” を描くことで、視聴者に少しだけ “希望” をくれた。
コロナ禍の少し先をリナルな時間経過に合わせて描く新鮮さ
“普通のお姉ちゃん” の幸せと弟たちの将来を、“少しだけ先の明るい未来” を舞台に、(多分)ハロウィーンからクリスマスまでのリアルな時間経過に合わせて描いて行くのだと思う。とにかく、第1話から「ラブ&ピース」の “岡田ワールド” が全開のホームドラマ。
ここまで期待を裏切らず、むしろコロナ禍の扱いについては、私の期待以上。人間関係も明瞭、登場人物の描き分けも明確、俳優陣のバランスも今のところ文句なし。と言うことで、継続視聴確定だ。
あとがき
最近のドラマは、とかく、医療ドラマ、刑事ドラマ、恋愛ドラマなど、まず “ジャンルありき” の考え方と、ダブル主演による “安定した視聴率稼ぎ” と、なぜか「4文字に短縮できる番組タイトル」が最優先させて、ベタなホームドラマを見ることはなかなかできなくなっていますよね。
また、コンプライアンスやリアリティーの追求のし過ぎによって、本来描かれるものが歪むケースも多いです。
それらを考えると、本作は “ベタなホームドラマ” に恋バナのエッセンスを混ぜた、アットホームなドラマ。ただ、それだけ。それ故に、このフジテレビ火曜9時枠としては、異例な作品ですし、好みが分れるかも知れません。でも、こう言うベタなドラマこそ、今は新鮮に見えます。食わず嫌いはもったいないと思います。
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