この恋あたためますか （第1話/初回15分拡大・2020/10/20） 感想
TBS系・火曜ドラマ『この恋あたためますか』（公式）
第1話/初回15分拡大『社長VSアルバイト 業界最下位コンビニをスイーツと恋が救う』の感想。
コンビニエンスストア「ココエブリィ」のアルバイト店員・樹木（森七菜）は元アイドル。手頃な価格のコンビニスイーツを食べ、感想をSNSに投稿することが唯一の楽しみだ。ある日、樹木は偶然出会った浅羽（中村倫也）と口論になる。実は出向によりココエブリィの代表取締役社長になったばかりの浅羽は、経営の立て直しを図るため、スイーツのリニューアル案を打ち出していた。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作：なし
脚本：神森万里江（過去作/ラヴソング､相棒シリーズ） 第1話
青塚美穂（過去作/プリズンホテル、伊藤くんAtoE、弱虫ペダル）
演出：岡本伸吾（過去作/隠蔽捜査､ｲﾝﾊﾝﾄﾞ､病室で念仏を唱えないでください） 第1話
坪井敏雄（過去作/凪のお暇､花のち晴れ~花男~､ｶﾙﾃｯﾄ､わたﾅｷﾞ）
音楽：木村秀彬（過去作/小さな巨人､ﾌﾞﾗｯｸﾍﾟｱﾝ､TWO WEEKS､ｸﾞﾗﾝﾒｿﾞﾝ東京）
主題歌：silent／SEKAI NO OWARI
ネットでは"酷似の漫画のパクリ疑惑"が話題になった本作
放送前から、『この恋、あたためますか？』と言う、コンビニ店員と鈍感サラリーマン恋バナを描いた漫画があり、一方で公式サイトではオリジナル脚本とされ、ドラマはパクリなのか？ と言うネタがネットで話題になっていた本作の第1話。いずれにしても、BL漫画は読んでいないから、どうでも良いことなのだが。
50歳代のオジサンは、余程良作な恋愛ドラマでなければ…
TBS系「火曜ドラマ」枠だから、冒頭から「これは恋バナです!」を全面で押し出して来ると、こんな感じになるのは仕方がない。まあ、個人的には余程良作な恋愛ドラマでなければ、50歳代のオジサンがのめり込んで見ることはないから、初回は離脱ありきで見始めた。
とにかく、第1話を見た限り、冒頭で感じた通りの「これは恋バナです!」を全面で押し出した、超ベタは身分と立場違いの男女のラブストーリーのようだ。
個々のキャラの描き分け、人間関係もきちんと描かれている
メインの二人の身分と立場が、そもそも全く違うせいもあるが、物語自体は面白いかどうかは別にして分かり易い。個々のキャラクターの描き分けも出来ているし、人間関係も描かれている。
好みはあろうが、配役のバランス、特に、知名度はあるがまだ主役に早いかな？ って感じの中村倫也さんと、現在放送中の朝ドラ『エール』でヒロインの妹・梅役で注目されている森七菜さんが “梅のトレードマーク” のメガネを外して本作のヒロインに。他の脇役を演じる俳優陣も、この二人を超えない範囲でバランス良く揃えている。
内容も配役もベタな恋バナとしては既視感が漂うが、きっとこの放送枠はそう言うのを狙っているから、当然と言えば当然だ。
意外だったのは、「スイーツづくり」を本格的に描いたこと
しかし、ベタな恋バナにしては、かなり思い切った描写をやっている部分が二つあった。一つは、超が付くほど意外に「スイーツづくり」を丁寧に描いていることだ。番組名からは想像出来ないが、明らかに本作は「スイーツづくり」は無くてはならない描写であることは間違いない。
だからと言って、ここまでシッカリと描く必要があるのかと思う程だった。まあ、15分拡大したから可能で、通常枠になったら減る可能性もあるが。スイーツ好きには、本作を見る楽しみの一つになるとは思う。
更に､劇伴､効果音､環境音の使い方が細かいのも意外だった
もう一つは、劇伴や効果音の使い方。特にスゴイのは「環境音」を（恐らく）意図的に録音していること。物を置く時の音や、食べる時の音がきちんと録音され、ドラマのリアリティの演出に大きく貢献していた。まっ、簡単に言えば、「スイーツを食べたくなる」ように作り込まれているってこと。
この辺は、第1話の演出家が『インハンド』を担当した岡本伸吾氏だから…と言う可能性はある。しかし、その他にも音に注力する演出家の一人である『凪のお暇』を担当した坪井敏雄氏も控えているから、この方向は継続する可能性はある。ここは間違いなく「聞きどころ」だと思う。
最大の難関は視聴者がヒロインに共感、応援したくなるか?
ただ、最大の問題と言うか仮題と言うか、これも好みの問題になってしまうのが、アイドルになる夢に破れた21歳のコンビニのアルバイト店員である森七菜さんが演じるヒロイン “井上樹木” が好きになれるか？ 共感できるか？ ってこと。
誰にでもタメ口で、ガサツで、不思議ちゃん的なキャラクター設定で、初対面の第一印象は悪いけど、次第に中身が見えて来ると言う仕掛けなのだろうが。
超自信家で偉そうな社長の浅羽拓実も、少々やり過ぎな感じ。物語自体がベタなのだから、初回から共感し易く、応援したくなるようなキャラ設定にしたら良かったのに。第1話から強烈過ぎると、「次が見たくなる」と言う気持ちが薄れるのは間違いないから。
あとがき
第1話を見る前は、配役の好き嫌いが評価の分かれ目かと思っていましたが、メインの二人の俳優とキャラクターの組合せが意外と好き嫌いを分けそうな気がしました。
私は、『エール』で森七菜さんは見て来ましたが、メガネを外しちゃうと意外に普通な演技しかしないんだなぁと思ってしまいました。中村倫也さんも一時は “カメレオン俳優” だと思いましたが、この作品では普通過ぎる位に普通ですね。
とにかく、第1話を見た限りでは、メインの二人の登場人物に共感出来なかったので、しばらく様子見します。
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