DIVER-特殊潜入班- (第5話/最終回・2020/10/20) 感想

関西テレビ制作・フジテレビ系・火9ドラマ『DIVER-特殊潜入班-』(公式)
第5話/最終回『最終回!衝撃の結末、真の敵への反撃開始』の感想。
なお、原作の漫画、大沢俊太郎「DIVER-組対潜入班-」(集英社)は既読。
警察に拘束された兵悟(福士蒼汰)は、今回の件が阿久津(りょう)のことを快く思わない遠藤(小市慢太郎)の仕業だと知る。遠藤はD班の存在をあぶり出し、阿久津をつぶそうと考えたのだ。その翌日、兵悟は警視庁への移送中に脱走。遠藤への反撃の機会をうかがう中で、テロ騒動の発端となった爆破事件の犯人についてあることに気付き、伊達(安藤政信)へメッセージを送る。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:大沢俊太郎「DIVER-組対潜入班-」(漫画)
脚本:宇田学(過去作/99.9、4号警備、探偵が早すぎる) 第1,2,4,最終話
脚本協力:植村好宏(過去作/テレビドラマ不明) 第4話
演出:宝来忠昭(過去作/僕の初恋をキミに捧ぐ、家政夫のミタゾノ3、セミオトコ) 第1,2話
木村弥寿彦(過去作/後妻業2019、探偵・由利麟太郎、竜の道) 第3話
西片友樹(過去作/科捜研の女シリーズ) 第4,最終話
主題歌:コブクロ 「灯ル祈リ」(Warner Music Japan)
正義と悪は表裏一体を見事に描き切った納得&感服の最終回
遂に、最終回だ。僅か全5話と言う小規模な作品の割に、且つ登場人物も少ない割に、第1話から “縦軸” と言うには複雑に入り組んだ仕組みやネタが盛り込まれており、第1話を見た時は、「全5話でまとまるの!?」と思ったくらいだ。
しかし私は、きっかけは忘れたが、第3話あたりで、黒幕が阿久津(りょう)であることに気づいたため、そこを突破口に、第1話からの録画を見直したら、あれよあれよと、細かな台詞やネタが繋がって行った。これは、あくまでも、私の推理が当たっていたから分かっただけだから、全ての人には当て嵌まらない。
とは言え、最終回を観終えても、第1話から描いて来たことが、全て繋がり、合わさって、本作なりの “正義” と “悪” は表裏一体であることを見事に表現し、描き切った。正に納得、感服の最終回と言いたい。
全ての仕組みを見破った黒沢が言い放った捨て台詞
最終回も、私の心に残った台詞が幾つかあった。その内の2つを紹介したい。まず、24分頃、黒沢(福士蒼汰)が阿久津(りょう)に対して、向かいの建物から阿久津を見ながら電話をしているシーンでの、この黒澤の台詞だ。
黒澤「人ってのはさ どこか正直なんだよ。
あんたが教えてくれたんだぜ。
潜入時に口を手で触ったら
動揺してるように見られるってな」
全ての仕組みを見破った黒沢が言い放った捨て台詞で、気分の良い台詞だ。その上、ファンには失礼だが、ゆっくりと喋る台詞だから福士蒼汰さんの滑舌の悪さも気にならず、逆に彼のベルベットが一枚掛かったような低いトーンが活かされ、黒沢のアクションの派手さとは真逆の地味な怖さを表現したと思う。
この伊達の台詞が "本作の肝" に違いない!
31分頃、黒沢と同時期に黒幕が阿久津であることを察した伊達(安藤政信)が阿久津に逝った台詞だ。
伊達「自分が何やってんのか わかってんのか?
正義だ何だの 御託 並べてるうちに
善悪の判断が つかなくなっちまったんじゃねえのかよ」
きっと、この伊達の台詞が “本作の肝” に違いない。「正義」と「悪」と言う “善悪の分かれ目” は、守る対象を誰にするかで、相対的な “善悪” が変わって来る。もちろん、このように “善悪” は曖昧な部分があるから、自分次第で都合のように「正義」であると捻じ曲げることさえできるし、それに気づかないこともある。
阿久津も、最初は「正義」だと思ってやっていたことが、自分が果たす目的を捻じ曲げたことで「正義」が暴走し過剰になった時、自分と自分が守る守るべき人以外の人間の苦しみや悲しみや、命の犠牲までも厭わずに暴走した。
伊達の次の台詞に、警察の「正義」が見えた!
私は、本作で “善悪の分かれ目” は実に曖昧で弱く、「正義」は簡単に「悪」に変わってしまう恐ろしさを身に染みた。そして、阿久津に言い放って出て行った伊達の次の台詞に、警察の「正義」が見えた。
伊達「ごちゃごちゃやっているのは
俺たちは犯罪をなくすために 命 懸けてやってんだよ。
おたくらみたいに腐っちゃいねぇ」
「全5話」の"山椒は小粒でもピリリと辛い"良作も悪くない
本作を見終えて、一つ思ったことがある。日本の連ドラは、「全10話前後」と言うお決まりのようなフォーマットがある。それは、テレビ放送が1クール(3か月)を区切りに番組編成をするから、週1回の放送だと「全10話前後」が丁度良いと言うことが根っこにある。
しかし、NHKなら土曜ドラマが基本的に「全5話」で、今期放送が終了した『天使にリクエストを~人生最後の願い~』は傑作の仕上がりだった。
だから、地上波ドラマでも無理に「全10話前後」にして引き伸ばし感が見え見えの作品を連発する位なら、「全5話」くらいの “山椒は小粒でもピリリと辛い” みたいな良作を生み出すと言うスタンスになっても良いと思う。これは奇しくも、コロナ禍で話数を減らさざるを得なかった他の連ドラを見ても感じたことだから、あながち無茶な提案だとは思わないが。
あとがき
配役などから “大人の事情” を察知して、世間ではあまり話題にならなかった本作ですが、間違いなく良作ドラマだと言えます。是非とも “続き” が見たいです。最近、福士蒼汰さんの演技に不安感があったのは事実ですが、本作を見て考えを改めました。
最後に、最終回に登場した「ディープフェイク」の恐ろしさについて、先日投降しましたので、興味がある方は読んでみて下さい。他人事ではないですよ。
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