連続テレビ小説「エール」 (第89回・2020/10/15) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『エール』(公式サイト)
第18週『戦場の歌』の
第89回の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
慰問から日本に帰国した裕一(窪田正孝)は、その足で藤堂先生(森山直太朗)から託された手紙を昌子(堀内敬子)に渡すために、藤堂家に向かう。心の整理がつかない裕一はしばらく一人でいたいと、音(二階堂ふみ)と華(根本真陽)たちを福島に残して東京に戻る。戦況が悪化すればするほど、国民の士気を高めるために裕一への曲づくりの依頼は増え続け、裕一は心を殺して曲をつくり続けていた…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
●原案:林宏司 ●作:吉田照幸 ●演出:吉田照幸(敬称略)
ボロボロの服装で福島に帰郷した方が良かったかも…
前回で、戦場の最前線で藤堂先生(森山直太朗)の戦死を目の当たりにし、心身ともにボロボロになった裕一(窪田正孝)だが、今回の冒頭での列車内の裕一は小奇麗な服装で車窓から遠くを眺めていた。
まあ、古山先生への軍からの配慮かも知れないが、ここはボロボロの服装で福島に帰郷した方が良かったように思う。だって、2回連続で主題歌『エール』を流さない程に、特別な放送回なのだから。
私は、前回での戦地の描写はやって良かったと思っている
私は、前回での戦地の描写はやって良かったと思っている。裕一が、自分の作曲活動が、兵隊やその家族、国民全員に与えた役割と影響を深く考えて苦悩し、やがて、そこから這い上がって行く姿を今後に描くとするならば、あのくらいのショッキングな映像を視聴者に提示する必要があると思うから。
五郎が登場するまでの裕一と、第1回の裕一は"繋がる"
但し、大きな心配事も同時に存在する。
2週に亘って放送されたスピンオフの直後辺りからだろうか。もしかしたら、五郎(岡部大)が初登場して以降の展開、当初の全130回から全120回に短縮されたのが公式発表された9月上旬頃からの展開が、追加と削除によって当初のストーリーとは乖離し始めていやしないだろうか? と言うこと。
少し咀嚼して書くと。本作は残り30回しか放送が無い。恐らくアッと言う間だ。そんな放送尺で、この物語は第1回に帰着しなくてはならない。第1回を覚えているだろうか? 裕一は、「東京五輪1964」の開会式に出席するのを怖がってトイレに隠れた。そう、古山裕一と言う人間は、幼少期から基本的に気弱で非積極的な子供だった。
その後は、音(二階堂ふみ)と結婚する時はストーカーのように積極的になったことはあったが、レコード会社の専属作曲家になって売れても、基本的には気弱で消極的な性格は続いていた。また、第1回の晩年の鉄男(中村蒼)は藤堂先生の墓前に「いじめられっ子の裕一が ついにやりましたよ」と言っていた。
だから、五郎が登場するまでの裕一と、第1回の裕一は “繋がる” のだ。
太平洋戦争が始まってからの裕一と、第1回の裕一は違う…
しかし、太平洋戦争が始まり、国や軍からの要請で戦時歌謡やニュース歌謡の作曲し始めた頃から裕一は変わった。もちろん、「自分が得意なことでお国のために働ける」と大きな自信を持った可能性はある。自分が戦地に行かない(行けない)気持ちを作曲にぶつけるしか無かったから、気弱で消極的な裕一が変わった可能性もある。
だから、久志や五郎の意見にも反対して作曲を続けたし、自らの目で戦地の最前線を見てみたいと言う欲望に駆られ、実際に行ったと受け取るのは自然でもある。
今と第1回の裕一をが "繋がる" のかが、とても心配だ…
ただ、今の、第89回の裕一が、第1回の裕一に “繋がる” には、相当の刺激や衝撃が裕一に訪れないと、連ドラとして破綻しやしないかと心配なのだ。
もちろん、ご都合主義のエピソードを追加して、今の裕一から再起動して新たな作曲活動に向かって行くと言う展開は容易に作れると思う。でも、一度、気丈で積極的な裕一を描いてしまったのを、再び気弱で消極的な裕一にするのは、相当難しいし、かなり視聴者に好意的な脳内補完を強いることになりやしないか、それが心配なのだ。
関内家に関する描写は、意外中の意外だった…
さて、今回の感想に話を戻そう。今回で意外だったのは、豊橋で馬具製造販売会社を営む音の実家・関内家に関する描写だ。私は、これまでも「関内家だけ “戦争の匂い” がしな過ぎる」と書いて来た。仕事は馬具製造で、宗教はキリスト教だから、もっと何かあっても良いのでは? と思っていた。
そこへ今回は空襲と五郎の逮捕が描かれた。正直、これは意外だった。もちろん、前回があったから肯定的に見ている。でも、前述の通りに「第1回の裕一に帰着すべき」と言う視点で考えると、前回と今回はやり過ぎだったようにも思う。はっきりしない感想で申し訳ないが、あとは今後の展開次第で、この主題歌が流れない2回の評価が出ると思う。
あとがき
玉音放送を縁側でラジオに背を向けて聞くドラマの登場人物、それも朝ドラの主人公を見たのは(私は)初めてです。そして、福島から東京に帰って来てから終戦までの期間の裕一を一切描かずに時間経過したのも驚きました。
これは、賛否両論を呼びそうですね。私は、前述の通りに「第1回の裕一に帰着」してくれるなら、前回と今回は思い切った朝ドラの戦争表現として良かったと思います。前回では窪田正孝さん、今回は薬師丸ひろ子さんの演技にも魅了されました。あとは、どうやって「第1回の裕一」へ繋げるのか見ていこうと思います。
やはり、コロナ禍の今、撮影を続けてくれているキャストやスタッフに、私なりの “エール” を送るつもりで感想を書きました。
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