おカネの切れ目が恋のはじまり (第4話/最終回15分拡大・2020/10/6) 感想

TBS系・火曜ドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』(公式)
第4話/最終回15分拡大『過去への旅』、サブタイトル『二人の恋の結末!今、あなたに会いたい… それぞれの想いが交差するとき、恋が走り出す! そして、清貧女子が15年間抱え続けた過去のほころびとは!? 感動の最終回! 』の感想。
玲子(松岡茉優)は慶太(三浦春馬)からの突然のキスに動揺し、眠れない夜を過ごしていた。一方、慶太も動揺を隠しきれない。そんな中、早乙女(三浦翔平)が玲子の家を訪ねてくる。玲子にあることを伝えにきたのだ。さらに、純(北村匠海)も玲子の家にやって来て…。目まぐるしく変わっていく状況の中、玲子は過去へのけじめをつけに旅に出る。その旅の終わりで、玲子は慶太へのある気持ちに気付く。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:大島里美(過去作/早海さんと呼ばれる日、花燃ゆ、凪のお暇)
演出:平野俊一(過去作/S最後の警官、インハンド、ノーダイド・ゲーム) 第1,2,最終話
木村ひさし(過去作/あまんじゃく2018,2020、99.9シリーズ、IQ24) 第3話
土井裕泰(過去作/重版出来!、カルテット、凪のお暇、逃げ恥)
音楽:大間々昂(過去作/地味にスゴイ!、花のち晴れ)
主題歌:turn over?/Mr.Children
作り手に敬意を表する意味で出来るだけいつも通りの感想を
最終回を観終えた直後、最終回の感想は、放送されたことへの感謝だけを伝えようと考えた。
しかし、この最終回は他の連ドラの最終回とは一線を画す。主要な登場人物である猿渡慶太を演じた三浦春馬さんの悲劇を、キャストとスタッフ全員が、寂しさ、悔しさ、喪失感を抑えて、乗り越えて放送に至った作品だから、作り手たちに敬意を表する意味で、出来るだけ、いつも通りの感想を綴ろうと思う。
目覚めた玲子と慶太が"姿は聖人にて心は濁りに染めり"へ…
まず、毎回の冒頭で紹介される鴨長明「方丈記」の一文だが、今回は以下の文章だった。
静かなる暁、このことわりを思ひつづけて、みづから心に問ひて曰く、世をのがれて、山林にまじはるは、心を修めて、道を行はんとなり。しかるを、汝、姿は聖人にて、心は濁りに染めり。
古典文学に教養のない私が、俄かな知識で勝手な解釈をしてみると、こんな感じになる。
静閑な夜明け前の朝、私自身が心に問うのは、どれだけ仏教に生きる者として仏教を修めることが出来るのか。そこで私が世間から離れて、この山中での生活を選んだのは、他では出来ない修行をするためである。しかし、(客観的に)お前は姿こそ聖人ではあるが、心の中は濁りに染まりきっている。
恐らく、「自分自身は仏教の道を究めようとしてはいるが、まだまだ心の中では煩悩の炎が常に燃え盛っている」と言う意味であると、勝手に解釈をしてみた。
どうだろう? 前回までを振り返ると。本作の主人公・丸鬼玲子(松岡茉優)は "清貧女子" でありながら、15年間も貢ぎ続けた "お金のプロ" である公認会計士・早乙女健(三浦翔平)に妻子持ちであると騙され、これまでの自分を捨て去るかのように髪を短く切って、新たな気持ちで人生を歩もうとした矢先、性格も生活も考え方も真逆な "浪費家" の猿渡慶太(三浦春馬)から突然キスをされた。
そう、正に最終回の冒頭の「目覚めた玲子と慶太」は「方丈記」の "姿は聖人にて、心は濁りに染めり" へ見事に繋がって行きやしないだろうか。
最終回は「桃太郎」が「サル」と「キジ」を連れたお話に…
さて、ネット上では、主人公たちの名前の由来や意味を推測するのが流行っているようだが、私の見解はこんな感じだ。まず、ポイントは、主人公の名前。漢字では「丸鬼(おにまる)玲子」と書くが、読みは「くき れいこ」。ここに注目して、残り3人の名前を平仮名表記にして並べてみると、こうなる。
●丸鬼れいこ
●さるわたりけいた
●さおとめけん
●いたがきじゆん
ここまでの推理だと、「サルとイヌとキジが鬼を退治する話」となってしまい、本作の内容とちょっと合わない。そこで、もう少し深掘りをするのだ。第2話にも登場した玲子の父の名前は「桃田保男(石丸幹二)」だ。そう、玲子の両親は離婚して、母・九鬼サチ(南果歩)の苗字になったのだ。だから、本来は以下のようになる。
●ももたれいこ
●さるわたりけいた
●さおとめけん
●いたがきじゆん
そう、この『おカネの切れ目が恋のはじまり』は、昔話の「桃太郎」がベースに構成されている。これが私の推測。そして、もう一つ押さえておきたいのが、サルー(LOVOT)が演じる? 慶太のペットの名前が「猿彦」ってこと。
従って、最終回は「イヌ」はお休みで、「桃太郎」が「サル」と「キジ」を "お供" に連れて、玲子宛に大量の現金書留を送った謎の人物「田中三郎」を探す旅の物語だったと言うことだ(私の想像の域ですが)。残念なのは、「サル」が慶太でないことだ…
猿彦を「サル」役に見立てたストーリー展開は違和感がない
普通に感想を書こうと思って書いて来たが、これ以上は無理だった。恐らく、最終回の撮影は、三浦春馬さん不在の中で行われたと推測できる。全8話予定を全4話に切り替えての放送が決定したため、第4話の脚本は大幅に手直しされて最終回の脚本となったに違いない。
だから、三浦春馬さんの代わりに猿彦を「サル」役に見立てたストーリー展開は、違和感がないし、しっかりと「桃太郎」と言うベースを守ったし、そこを守ることが、三浦春馬さんが一緒に作り上げて来た『おカネの切れ目が恋のはじまり』への熱い思いに違いない。
松岡茉優さんの"最後まで玲子を演じ切る"と言う執念と気迫
全4話を完全な形で、放送できたのは、もちろん、主演の松岡茉優さんの "座長" としての本作を絶対に完成させて、視聴者に届けたい、三浦春馬さんに見て貰いたい、と言う強い気持ちが存在が大きかったと思う。女優魂などと言うありきたりな表現では言い尽くせない彼女の「最後まで玲子をブレずに演じ切る」と言う執念や気迫を感じてやまなかった。
出演者の皆さんが、悲しさ、悔しさ、喪失感を抑え込んだ演技
また、他の出演者の皆さんだって、悲しさ、悔しさ、喪失感を抑え込んで、第3話までの "明るく無邪気な慶太" の存在に、ちゃんと感情を合わせ、乗せた演技は本当に見応えがあった。更に付け加えるなら、猿彦のオペレーションを行った技術スタッフの、猿彦の動作に "慶太の魂" を吹き込んだ演出にも恐れ入った。
最後の最後まで「方丈記」とドラマを結び付けた脚本も秀逸
終盤でも「方丈記」の一文が引用されていた。
原文は「もし、夜、静かなれば、窓の月に故人をしのび、猿の声に袖をうるほす。草むらの蛍は、遠く槙の篝り火にまがひ、暁の雨は、おのづから木の葉吹く嵐に似たり。」だが、ドラマの画面で引用されたのは、冒頭で引用された部分の前段部分で、少し原文とは違った表現になっていた。
静かな夜は月を見る。
猿の声を聞いて涙をこぼす
まるで篝(かがり)火みたいに
草むらには蛍が飛び交い、
夜明け前の雨は風に舞う
木の葉に似ている
原文の私なりの解釈は、「もし、静かな夜ならば、窓から月を眺めて亡くなった人を懐かしく思い出すこともある。また、猿の鳴き声を聞いて涙を流すこともある。草むらの蛍を眺めて、遠くの槙島の篝火かと見間違えることもある」である。
しかし、敢えてドラマが原文から少し変えた意図を考慮すれば、「静かな夜は月を見て、亡くなった慶太と三浦春馬さんを懐かしく思い出すこともある。また、慶太の声を聞いて涙を流すこともある。草むらの蛍を眺めていると、慶太の魂が光っているように見える」と言うような解釈になるだろうか。
最後の最後まで、「方丈記」とドラマを結び付けた脚本も素晴らしかった。
ラストシーンの演技、脚本、演出に明るい未来が映し出された
そして、月夜の翌朝の設定のラストシーン。ガラガラと玄関の扉が開くのが見える。玲子に近づいて来る足音も聞こえる。嬉しそうな猿彦。一瞬驚いた表情から笑顔に転じる玲子が大きく頷いた。「お帰りなさい」の台詞を敢えて書き加えなかった脚本と、ホワイトアウトを選択した演出家の編集。明るい未来が映し出されたような気がした…
あとがき
Wikipediaによれば 草刈正雄さんは、ご自身の23歳の長男を2015年に転落事故で亡くされているので、辛さや悲しみは如何許りかと。
恐らく三浦春馬さんを知っている全ての人にとって、本作がお蔵入りにならずに、キャストとスタッフの "プロフェッショナルな技術と熱量" で全4話構成で放送されたのが一番良かったです。
そして、「猿渡慶太」を演じる人がいないと言う悲しみを乗り越えて、最終回の一つひとつのカットに、「猿渡慶太」がいろいろな人に愛され続けていると言う設定をギュッと詰め込んだのはお見事ですし、感謝しかありません。素晴らしい「三浦春馬 引退作品」をありがとうございます。
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