連続テレビ小説「エール」 (第82回・2020/10/6) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『エール』(公式サイト)
第17週『歌の力』の
第82回の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
裕一(窪田正孝)は、東都映画の三隅(正名僕蔵)から依頼された海軍航空隊の予科練習生を主題とした映画の曲づくりに取り組む。曲作りで国に多大な貢献をしているということを理由に召集を解除になった裕一だったが、一度は覚悟を決めていただけに、喜ぶ音(二階堂ふみ)とは対照的に内心複雑だった。一方、豊橋では集会での礼拝を禁止された光子(薬師丸ひろ子)たち信徒が集まって話し合っていた。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
●原案:林宏司 ●作:吉田照幸 ●演出:橋爪紳一朗、鹿島悠(敬称略)
今回のアバンタイトルは、なかなか良かったと思う
ここ最近の感想は、比較的 “否定的” な内容が多かったが、今回はアバンタイトルから、いい感じだ。時々、感想には書いているが、本作にとって描くべきは「音楽」であり「歌」であり、それらが多くの人たちの “エール” になり、音楽や歌が夢を叶えてくれると言うこと。恐らく、そこは間違いない。
その意味で、この第82回は音(二階堂ふみ)の歌唱で始まり、娘の華(根本真陽)が母親が、自分のために夢を諦めたのかと問い質し、母は「夢は お父さんに預けてある」と答えた。
恐らく、誰もが、第10週『響きあう夢』の 『第50回』での、音楽学校の教室で裕一が音に言った、「僕が その夢 預かって 大事に育てるから。君の夢は… 僕の夢でもある」のシーンを思い出したはずだ。
このところ、連ドラとしての連続性が脚本家が交代する度に薄まっている本作だから、今回は、『第50回』の回想シーンをインサートしても良かったと思う。演出も、今週の脚本を担当している吉田照幸氏本人なのだから。ただ、回想シーンを入れるのは、基本的に “野暮” な演出だから、スッキリさせる意味では、無くても十分に意図は伝わって来た。
「兵役免除」と曖昧にせず「兵役逃れ」と表現したのは正解
主題歌明けから少して、豊橋の瀬戸内家のお話の場面が、驚いた。クレジットタイトルに、東都映画の三隅(正名僕蔵)の名前の次に、「柿澤セツ(梅沢昌代)」とあったから、梅沢昌代さんと言えば脇役女優さんではあるが、台詞がある役を演じるお方だから、何かやってくれると期待したら、セツからこんな台詞が飛び出した。
セツ「あんたら 軍のお金で ごはん食べとるで。
そのおかげで 兵役逃れの人もおるし」
前回の感想で、ちょうど「五郎から、戦争を全く感じないのが不思議だし不自然では?」と書いたばかりだから驚いたのだ。もちろん、取って付けたような後付け理由だが、「兵役免除」と曖昧な表現すら避けて描き続けるよりも、このように「兵役逃れ」と赤の他人の “妬み” の台詞で入れたのは、時は遅いが無いよりはずっとマシだと思う。
吉田照幸氏が描く「古山裕一」が、本来の裕一だから…
そして、10分過ぎに第5週『愛の狂騒曲』の『第24回』の裕一が音に求婚しに来た際の、梅(森七菜)とのやり取りの回想シーンが入った。なるほど、1話で2度も回想が入るのは諄いから、こちらを演出家は選んだと言うことか。
まあ、前述の「君の夢は… 僕の夢でもある」に比べれば、印象の薄いシーンだし、梅の台詞で補強したのでは圧倒的に説得力不足だから(なぜなら、説得されて立場だから)、野暮な演出ではあるが、第5週は、吉田照幸氏が脚本と演出を担当した週でもあるから、脚本家として、こっちを選んだのだろう。これも良いと思う。
だって、裕一は脚本家によって微妙に違うし、本作のメインライターでありメインディレクターでもある吉田照幸氏が描く「古山裕一」が、本来の裕一だから、ちょっと理屈っぽいところがある点と、意外に情熱的で熱意がある点は、「若鷲の歌」の歌詞に拘った裕一と、梅にお説教をした裕一が重なって見えたのが良かった。
もっと、このような連ドラに必要な “連続性” を担保するような描写を盛り込んだ方が良いことは間違いない。
裕一が周囲の人たちに夢を諦めさせず、自身も妥協しない
12分過ぎから描かれた「若鷲の歌」を、実際の予科練の若者の気持ちをもっと熱く深く表現したいと、三隅に曲の発表を延期して貰って、予科練たちの日常を体験しに行くくだりは、去る9月23日に放送されたNHK『歴史秘話ヒストリア』の『古関裕而 エールよ時代に響け』で、「長調」と「短調」の楽曲を作って…と解説があった。
本作では、どう展開するのか分からないが、今日の裕一は良かった。五郎と梅のくだりが必要かどうかは別にして、裕一の言動が周囲の人たちに夢を諦めないことを伝え、自分自身は妥協を惜しまない、そんな姿勢がきちんと見えたからだ。
あとがき
本作は、放送開始前に脚本家降板のドタバタがあり、その後にはコロナ禍での撮影中断があり、「週5放送」でもあって、様々な事情があるとは思いますが、「豊橋のくだり」だけ、全体から浮いた感じがするのが “連ドラ” して、とても気になります。もっと、ナレーションを加えて、キリスト教や馬具製造について補強したら、他のパートを馴染むと思います。
とは言え、裕一が「若鷲の歌」を完成させるまでは、大きな見所になっていると思います。
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