天使にリクエストを~人生最後の願い~(第2話[全5回]・2020/9/26) 感想 ※追記あり

NHK・土曜ドラマ『天使にリクエストを~人生最後の願い~』(公式)
第2話『捨て子ブルース 』の感想。
幹枝(梶芽衣子)の告白を聞いた暴力団組長・山本(六平直政)だが、記憶に食い違いがあり、息子捜しは振り出しに戻る。幹枝はもう1人の候補である岐阜の医師に会いたいと言うが、その夜、ぜんそくの発作を起こし危険な状態に。島田(江口洋介)は東京に戻るか岐阜へ向かうかの選択を迫られる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:大森寿美男(過去作/55歳からのハローライフ、64(ロクヨン)、精霊の守り人、なつぞら)
演出:片岡敬司(過去作/ミストレス~女たちの秘密~、みかづき) 第1,2話
田中諭(過去作/ぬけまいる、いいね!光源氏くん)
音楽:河野伸(過去作/おっさんずラブ、恋はつづくよどこまでも)
内容は軽くないが、極上のエンターテインメントの仕上がり
いやぁ、内容は決して軽いものではないが、極上のエンターテイメントに仕上がっているのが凄い。物語としての展開、捻り、意外性は面白かったし、所々に入る裏社会の怖さや、時代背景も徹底的に計算されており、見終えて関心しかなかった。
思い出の本「にあんちゃん」の表紙が母と息子で違った…
また、映像も、単純に綴るのではなく、前回の感想でも触れたアクションカットを多用しつつ、ワンボックスカーの中の狭い空間でのカメラワークも工夫されている。更に、思い出の本「にあんちゃん」の表紙が、母と息子で違うのをさらりと見せてミステリアスな雰囲気まで醸し出したり。
因みに、幹枝(梶芽衣子)の女学生時代・ 幹枝(倉島颯良)が、のちに庇ってくれ恋に堕ちた大学生・稲田貴男(足立英)から貰った「にいあんちゃん」の本は、下記にあるように「昭和34年の重刷版」。
にあんちゃん : 十歳の少女の日記(安本末子 著) / 古本、中古本、古書籍の通販は「日本の古本屋」
更に、何処かへ無くしてしまったと、幹枝が暴力団組長・山本(六平直政)に言っていたから、同じである可能性は、ほぼ無い。
そして、終盤で組長の山本が手にしていた「にいあんちゃん」は「2010年版」。
にあんちゃん (角川文庫) (日本語) 文庫 2010/2/24
そして「にいあんちゃん」とは、昭和28年代の九州の炭坑町で、両親がいない4人の子どもが、貧しさと不安に押し潰されずに生きて暮らしていた。そんな辛い日々の中でも希望を捨てずに生きた小学生の末子が綴った少女日記。タイトルの「にいあんちゃん」は、4人兄妹の次兄である高一(たかいち)のこと。
だから、幹枝と山本組長は、自然と同じ物語に引き寄せ垂れていたとも受け取れる。しかし、「にいあんちゃん」のラジオ番組は1959年1月15日から2月27日までNHKで連続ラジオドラマとして放送され、テレビ版のあるが、有名なのは今村正平監督の1959年10月28日公開の日本映画。一体、山田はどうやって「にいあんちゃん」に出会ったのか…
©NHK
©NHK
「アカシアの雨がやむとき」の歌唱シーンと回想シーン
更に、「アカシアの雨がやむとき」を、上白石萌歌さんに歌わせるサプライズ。そう言えば、前回では江口洋介さんがカラオケで歌っていた。歌える俳優さんを使った粋な計らい。また、32分頃の「アカシアの雨がやむとき」の歌唱シーンに、幹枝が赤ん坊を生んだばかりの頃の回想シーンが挿入されていた。
1960年1月の「日米安保条約」調印を発端とした安保闘争で、暴力団と右翼談大がデモ隊を襲撃し、国会議事堂正面門でデモ隊の先頭の方にいた女子大生が圧死する事件が起きた。そんな時に発売されたのが「アカシアの雨がやむとき」。そんな時に奇しくも生まれた山田が、60年後に暴力団の組長になっていると言う人生の皮肉も描かれたいたわけだ。
依頼人と主人公の"親と子"のエピソードがしっかりとリンク
依頼人の “親と子” の関係と、主人公の “親と子” のエピソードが、しっかりとリンクして描かれているのも素晴らしい。とにかく、脚本、演出、俳優の三者が、ガッツリと組合わさったからこそ創出された一体感が成せるエンターテイメントだ。
あとがき
次回のゲストは、塩見三省さん。2014年に脳出血で倒れられて、手足の麻痺を懸命なリハビリの末、俳優に復帰されたご自身の実体験を重ねた演技は、金曜日の『あさイチ』にゲスト出演されていた江口洋介さんが絶賛していた、ベテランの俳優魂も合わせて、ドラマを見たいと思います。
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【これまでの感想】
第1話
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