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竜の道 二つの顔の復讐者 (第5話・2020/8/25) 感想

竜の道 二つの顔の復讐者

関西テレビ制作・フジテレビ系・火9ドラマ『竜の道 二つの顔の復讐者』公式
第5話『兄の秘密明らかに… 仇の社長追放へ始動』の感想。
なお、原作の白川道「竜の道」(小説)は既読。



両親の自殺の原因を知った美佐(松本穂香)は、竜二(高橋一生)がまゆみ(松本まりか)に近づいたのは源平(遠藤憲一)への復讐が目的ではないかと疑う。問い詰められた竜二はごまかすが、美佐がひそかに竜一(玉木宏)を頼りにしていることに気付き、心をざわめかせる。一方、竜一は、憎しみに耐えて源平と良好な関係を築こうとする竜二を気の毒に思い、彼にある提案をする。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:白川道「竜の道」(小説)
脚本:篠﨑絵里子(過去作/まれ、花実のない森、THE GOOD WIFE) 第1,2,4,5
   守口悠介(過去作/AKBホラーナイト、オー・マイ・ジャンプ!、左利きのエレン) 第3
演出:城宝秀則(過去作/マルモのおきて、絶対零度3、4分間のマリーゴールド) 第1
   岩田和行(過去作/絶対零度1,2、福家警部補の挨拶、美しき罠) 第2,5
   紙谷楓(過去作/海月姫、後妻業、4分間のマリーゴールド) 第3
   吉田使憲(過去作/インディゴの夜、聖母・聖美物語) 第4
音楽:村松崇継(過去作/だんだん、昭和元禄落語心中)
オープニング主題歌:ビッケブランカ 「ミラージュ」(avex trax)
エンディング主題歌:SEKAI NO OWARI「タイトル未定」(ユニバーサルミュージック)

原作既読と、本編の撮影終了について(この章はテンプレです)

本作の原作とされる白川道氏著の『竜の道(上下巻)』、その後加筆・追加された『竜の道 飛翔篇』、続編の『竜の道 昇龍篇』も既読。しかし、全三部作が完成する前に著者が亡くなったため完結されておらず、ドラマの結末はオリジナルになると思われる。

また、本作の撮影は、6月上旬に再開され、既に7月24日に撮影終了しているため、いつもの感想のように、「こう撮影すれば…」や「こう脚本が進んで行けば…」と言う希望的観測を含んでも意味が無いため、単純に見た感想を書くことにする…。とは言ったが、いざ始まってみると、かなり面白いから心配は無さそうだが。

昭和生まれのオジサンが、いい感じで心を揺さぶられる演出

内容が素晴らしいことは、のちにゆっくりと書くとして。やはり、演出面から見ると、全編に漂いまくる「昭和のチープなポルノ映画」や「昭和のチープな任侠映画」のような照明による演出や、人物の配置、カメラアングルなどが、昭和生まれのオジサンとしては、いい感じで心を揺さぶられる。

鏡とブラインド越しの怪しげな色の照明を使った演出に注目

もちろん、“チープ” とか “ポルノや任侠映画” と言うのは良い意味でだ。そのようなオジサンの心をくすぐる数々のシーンの中で、一つ挙げるとすれば、冒頭間もなく2分頃の、竜一(玉木宏)と竜二(高橋一生)が二人だけで部屋の中で話し合うシーンだ。

部屋の「壁の鏡」を効果的に利用した演出。最初は画面中央に竜二がいて、画面の左右対称の位置に竜一がいる。全体は紫色からピンク色系の艶っぽい色の照明が窓外から部屋全体に差し込んで、竜一の頭上と背後にだけ「生(白色系」」の照明器具を置いて、画面全体を左右対称にして、中央の竜二が左右の竜二から責められているような構図になっている。

そして次のカットは「壁の鏡」を使って狭い部屋の奥行き感を創出すると共に、最初のカットと同様に、いつでも竜一が竜二を責めている感じをだしている。一体、あの色の照明は何を表現しているのだろう? そんなことは、どうでも良いのだ。夜の繁華街を思わせたいなら、もっと色々な照明をチカチカ点滅させた方が良いに決まっている。

しかし、本作の演出は点滅させない。この世で普通に生活している中では決して見ないような照明を “窓のブラインド越し” に当てることで、ドラマの “闇” の深さが表現される(また、シーン毎にブラインドのスラット(羽根)の角度も微妙に異なることにも気づいて欲しい)。

感傷や恐怖の感情に流されない人間を客観的で簡潔な描写で

そして、この色の照明は、のちの回想シーンでも、“竜一の心の闇” の象徴として活用されるのは、ご覧の通りだ。また、画面の多くを占有するベッドカバーの柄も不気味な感じを出すのに一役買っている。

こう言う、何とも言えぬ、令和のドラマらしからぬ雰囲気こそが、本作が「昭和チックなただの復讐劇」ではなく、感傷や恐怖などの感情に流されない人間性を客観的で簡潔な描写で描く「ハードボイルドなドラマ」として輝き、令和のこの時代にとって貴重な作品だと私は思うのだ。


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第5話で「第1章」に一区切りをつけた…そんな1時間だった

さて、この関西テレビ制作・フジテレビ系の「火9ドラマ」枠は、基本的に「全10回」だ。と言うわけで、今回の内容からすると、この第5話で「第1章」に一区切りをつけた…そんな1時間だったと思う。

竜一と竜二だけの秘密が、血縁こそないが、末妹の美佐(松本穂香)にも疑われ、「UDコーポレーション」社員の遠山凛子(奈緒)も竜一の企みに気付き始め、その他の登場人物も、それぞれの立場を守るために個々に動き出したため、それらを巧みに復讐に利用する方向に仕向けるように竜一が中心になって動いた。

特に、中盤で描かれた、竜一が憎しみに耐えてながら源平(遠藤憲一)と良好な関係を築くために、まゆみ(松本まりか)との関係に深入りする弟・竜二を “気の毒” に思って心配するくだりは、終盤で描かれた “兄弟愛” の上手い伏線になった。

スリリングな高橋一生さんと遠藤憲一さんの演技に魅了…

そして、今回が「第1章」の区切りと称した理由が、37分頃から描かれた、遂に源平が竜二の企みに気付いたことだ。そして、竜二がポーカーフェイスで上手く “源平の脅しをかわした” くだりに於ける、スリリングな高橋一生さんと遠藤憲一さんの演技にも魅了された。更に小手先の演出もせずに、俳優の演技で魅せたカット割りも実に良かった。


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"互いがいなければ生きている価値のない関係"を男泣きで!

竜一と竜二の、育ての親を殺された源平への復唱を絶対に遂げると言う目的は一緒だ。目的は同じでも、人間関係としては兄弟だとしても、どちらが強く源平を憎んでいるの野かは分からない。同時に、どちらが美佐を愛しているのかもわからない。

しかし、裏社会で生きる竜一と表社会で生きる竜二が、「2人で1つ」と “互いがいなければ生きている価値のない関係” であることだけは明らか。そのことを、今回の終盤での兄弟の男泣きの抱擁に集約して、台詞に頼らず、玉木宏さんと高橋一生さんの演技に賭けた描写したのは秀逸だった。

あとがき

さり気ない部分ですが、本作で評価すべきは、全ての出演者の滑舌が良いことです。字幕不要。もう、これだけで演技と映像に俄然と集中できます。この一点だけでも、本作は評価されるべきです。

そして、全体を通して描かれる心理描写の丁寧さ。複雑な人間関係を分かり易く描く工夫。それらが、復讐と言う本来なら咎められるべきことを完結させようとする美佐を含めた “3きょうだい” を “心優しき復讐者たち” に魅せているのだと思います。「ドラマの質=視聴率」でないことが、また本作で証明されつつあるのも嬉しいです。



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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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