アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋 (第2話/15分拡大・2020/7/23) 感想

フジテレビ系・木曜劇場『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(公式)
第2話/15分拡大『薬剤師は薬を渡して終わりじゃない』の感想。
なお、原作の荒井ママレ「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師 葵みどり」(漫画)は未読。
骨折で入院した大宮(小林隆)が、何かの薬を飲み、意識不明に。みどり(石原さとみ)は娘の麻利絵(大後寿々花)に話を聞くが、事情があって服用薬が分からない。一方、麻薬取締官の調査を目前に、薬剤部部長の販田(真矢ミキ)は医療麻薬の管理を確認。すると、数が合わないことが判明する。そんな中、能率重視の主任・刈谷(桜井ユキ)は、みどりの単独行動を知り…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:荒井ママレ「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師 葵みどり」(漫画)
脚本:黒岩勉(過去作/僕のヤバイ妻、ストロベリーナイト、モンテ・クリスト伯、グランメゾン東京)
演出:田中亮(過去作/医龍、BOSS、コードブルー3、コンフィデンスマンJP) 第1,2話
相沢秀幸(過去作/グッド・ドクター、トレース~科捜研の男~、モトカレマニア)
音楽:信澤宣明(過去作/義母と娘のブルース、映画「ニセコイ」)
主題歌:DREAMS COME TRUE 「YES AND NO」(ユニバーサルシグマ)
フィクションのドラマだから、細かいことは言いたくないが
フィクションのドラマだから、細かいことは言いたくないが、前回の感想にも書いた本作への思いを少し補足をして書くと。
医師、看護師、助産師、薬剤師だけでなく、放射線技師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士、ME(臨床工学技士)、MSW(医療ソーシャルワーカー)※殆どの病院で社会福祉士または精神保健福祉士の資格を保持することを条件としている)など、病院内で働く「師」や「士」が付く仕事の人は、 厚生労働大臣の免許を受けた国家資格を有する人たち。
現実の病院は、「チーム医療」とは言っても…
それぞれの資格と立場に於いて、自分の役割や役目に自信と責任を持ち、互いに対等であるべき。でも、それは “ある意味で理想の病院” の姿。
現実の病院は、「チーム医療」とは言っても、最終的な決定権を有するのは医師。だから、誤解を恐れずに書けば、現実の病院は、医師を頂点として、その下に看護婦などを従えるヒエラルキー(ピラミッド型の階層組織)の下で、コメディカル(医師や歯科医師以外の医療関係者の中で、医師の指示の下で医療業務を行う人の総称)らも加わって、患者に医療を施すカタチになっている。
だから、医師の指示の下で働く有資格者たち(看護師や薬剤師など)は、医師との関係に(恐らく)全員が苦しんだり悩んだりしながらも、「チーム医療」で患者さんを治すために頑張っている。これが、病院の現実だと思うし、実際に、医療現場で働いている妻もそう言っている。
コメディカルの一員である薬剤師が、病棟の最後の守り神!?
もう一つの現実は、ちょっと小難しい話になるが。コメディカル(医師や歯科医師以外の医療関係者の中で、医師の指示の下で医療業務を行う人の総称)の一番の仕事は患者さんを支えることだが、責任を背負うことになる医師を支えるのも大事な仕事だと言うこと。
ヒューマンエラー(人為的過誤や失敗)や「ヒヤリ・ハット」とも呼ばれているインシデント(医療事故や医療過誤などに事前に気付いて対処できた事例)を防止するために、 電子カルテやオーダリングシステム(検査やレントゲン、リハビリ等の医師の指示をパソコンに入力し、そのデータを関連部署が即伝える仕組み)と言う最新IT技術にすら、人的処理でダブルチェックや疑義照会などの、幾重にもエラーのチェックが欠かせない。
だから、医療ミスを無くすためなら、自分のミスは絶対に隠さない。また、患者のためになることなら、医師に自分の立場と責任に於いて意見を言う。それが、それぞれ個々のコメディカルの仕事であり、国家資格を有したプロの仕事。そのコメディカルの一員である「薬剤師だけ」を「病棟の最後の守り神」、「スーパー・コメディカル」のように描くのはどうかと思う。
「薬の味見」が"薬剤師の暇つぶしのお遊び"のように描写!?
そして、改めて第2話の感想を書こうと思う。まず、気になったと言うか、もう少し脚本も演出も頑張って欲しかったのが、冒頭2分頃の「薬の味見」の描写について。
どうなんだろう? 私は、助産師の妻と一緒に見ているし、それなりに自分でも医療従事者と関わりのある仕事をしているから、違和感なかったが、普通の人は「病気でもない人が、いくら薬剤師でも味見なんてして危険じゃないの!?」と思わないだろうか。薬剤師にとって、「薬の味」を知っておくことは大事なこと。
特に小児科の調剤をする薬局の薬剤師は必ず薬の味見をするそうだ。そして、その経験から好奇心旺盛な薬剤師は飲みやすい飲み方を研究して、患者さんに指導する。これ、常識。ただ、脚本と演出が、“薬剤師が暇つぶしに遊んでいる” ように描写したのは間違いだと思う。
普通に、みどり(石原さとみ)が新人のくるみ(西野七瀬)に「薬の味見」も仕事の一つであると教えるように描くべきだったと思う。とは言え、いくら新人でも、「薬の味見」を正解した先輩に驚いて終わりなんて、お粗末すぎるとは思うが…
医療麻薬のチェック漏れを膨らませコミカルに描く意味って
本作に、リアルを求めても無駄なのは重々承知だが、みどりも言っていたが「信頼できるスタッフ」である同僚の薬剤師が医療麻薬を持ち出したことを、帳簿にチェックしなかったと言う展開は、流石にあり得ないような。脚本上、医師が医療麻薬を使わなかったから良かったものの。
まあ、前述のようにヒューマンエラーはゼロには出来ないが、その部分を膨らませて、麻薬取締官の調査を故意に時間延ばしをしたり、珈琲を煎れてくれれば処分はなかったように描くのは、いくらドラマでもご都合主義が過ぎるような…
薬剤師、それも"みどり"に、あれこらやらせ過ぎでは?
今は薬剤師が病室に入って患者と話すことは良くあること。ただ、薬剤師だけで患者の個人情報を探ると言うのも、ちょっと不自然なような。それに、医師や看護師が不在な場所で、患者や家族に治療や看護について話すのも。
その上、ほぼカウンセラーにもなっているし。恐らく「薬剤師は薬と調剤するだけでない」ことを強調したいのだろうが、あれこれやらせ過ぎでは?
あとがき
いよいよ、前回よりも、ほぼ医師と看護師の出番も活躍もない医療ドラマになりましたね。でも、その方が良いと思います。
恐らく、劇中に登場する病院は、「医師と看護師や薬剤師が積極的に協力をして薬剤管理をしていない設定」なのです。だから、医療麻薬のチェックミスもあれば、入院患者が使っている薬剤のチェックも疎かで、それが前提でドラマが作られているので、「普通は違う」と見えてもしょうがない気がして来ました。
薬剤師さんの仕事に興味があるので、見続けますが、もう少し共感出来るように描いて欲しいです。
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