[再]連続テレビ小説「エール」 (第20回・2020/7/21) 感想

NHK総合・[再放送]連続テレビ小説『エール』(公式サイト)
第4週『君はるか』の
第20回:御手洗清太郎(古川雄大)の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
【告知】個人的なことですが、7月以降も元のように仕事が動き出しそうにないので、毎朝起きると辛いです。従いまして、『エール』の再放送の感想は、出来るだけ前向きな内容に書くことにします。もちろん、「ここをこうした方が良かった」と言うのは書くつもりですが、済んだことに、あれこれ言っても、虚しさが募るだけですので… ※暫く“テンプレ”です。
祖父の源蔵(森山周一郎)が亡くなり、裕一(窪田正孝)を銀行の跡取りにするために、もしもの事を考えて養子縁組を急いでいる茂兵衛(風間杜夫)だったが、母・八重(三田和代)からの入れ知恵で、一転して裕一の挑戦を認めるという申し出をする。裕一は音(二階堂ふみ)にせっせと手紙を書いて送るが、妹の梅(森七菜)や御手洗先生(古川雄大)に、自分と世界に旅立つ裕一は大きな差があるという現実を指摘された音は…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
●原作:林宏司 ●脚本:吉田照幸 ●演出:松園武大(敬称略)
第20回も私が好きな放送回。見所や聞き所がたくさんある
この第20回も私が好きな放送回。とにかく、いろいろな脚本や演出の工夫があって、その上でナレーションが少ないから、古川雄大さんによる “ミュージック ティーチャー” 改め “スター御手洗” こと「御手洗清太郎」になり切った副音声による解説も、かなり濃いめで面白い。
前回のラストと今回のアバンの編集を微妙に変えた編集
まず、前回のラストの部分は、川俣の音(二階堂ふみ)の家のシーンの直後に、呉服屋「喜多一」の暖簾のカットに三郎(唐沢寿明)の「ええ~っ!?」と言う絶叫が被さって、そのあとに三郎の驚いた表情のアップで終わっていた。
しかし今回のアバンでは、前回の三郎の「ええ~っ!?」の直前、言い方を変えると三郎が「ええ~っ!?」と叫んだ原因である、妻のまさ(菊池桃子)が三郎に “何か” を耳打ちをしているカットから始まった。更に、三郎の絶叫のあとに、茂兵衛(風間杜夫)が三郎に川俣銀行へ会いに来たシーンも追加された。
また、その茂兵衛が何となく “誰かに言わされている感” を醸し出して「5年だ」と猶予を与えると言った。前回のラストの「ええ~っ!?」で次回を見たくなる工夫をして、更に今回のアバンで再編集をして主題歌明けを見たくなる工夫が施されているのだ。こう言う視聴者に「先を見たいと思わせる工夫」は、この頃は本当に良く出来ていると思う。
そう言えば、外出自粛中に「イカニンジン」を作ってみた
主題歌明けは、解説の「ジャパニーズ・スタイル・バー」から始まった。裕一(窪田正孝)と鉄男(中村蒼)が居酒屋のテーブル席で向かい合わせで酒を酌み交わしている。そこへ、店主が「はいよ! イカニンジン」と割り入って来る。
本法当時の感想にも書いたが、「イカニンジン」は、特に年末年始に食べられる福島県の郷土料理。裕一と鉄男が、故郷の福島に思いをはせて注文したと言う設定だ。これも一切説明はないが、気付いた人だけ分かる仕掛け。そう言うのもあって良いと思う。
因みに、私はレシピを調べて、外出自粛期間中に作ってみた。イカのスルメと、ニンジンの千切りとつけ汁に一晩漬け作るのだが、似ている料理は「松前漬け」。「松前漬け」はニンジン以外にも具材が入るが、「イカニンジン」はスルメだけ。全国的に知られている松前漬けの期限がイカニンジンと言う説もあるくらい。
県境を跨ぐ移動や旅行を自主的に自粛している方、一度、レシピを検索して福島に思いをはせてはどうだろうか?
「噂の権藤家」と言う解説は、とても良かった
居酒屋から場面が変わって、解説で「噂の権藤家」と言われた場面へ。「噂の…」を解説に追加したのも中々のアイデア。確かに、権藤八重(三田和代)の存在なんて、今思えば、本当に「噂の…」を代表する登場人物。
目で見ていれば、八重のキャラクターは分かるが、そうでない人にとっては、「噂の…」だけで、祐一や「喜多一」を陰で操る感じが出る。上手い言い回しだ。
徹底した「御手洗流の英語混じりの解説」が潔くて良い
さて、5分過ぎからは、御手洗の解説に息が吹き込まれる。音が皮包丁の刃を研いでいる手が止まる時には…
御手洗「音の手が、suddenly stop!」
その後も、「郵便ポスト」は「郵便Post」で、「通り過ぎる」は「go through」で、「Boxの中には、読んでいないLoveLetters.いっぱい…」、「皆さん、watermelonを食べてらっしゃる」と、御手洗らしさ全開の解説が続く。やはり中途半端にやるより、この位に徹底して「御手洗流の英語混じりの解説」をやった方が潔く、聴いていて気持ちも良い。
裕一と音の「格の違い」の魅せ方が上手い
第20回では、裕一と音の「格の違い」が一つのテーマだから、あちこちに、裕一と音のキャラクターの違いを表現した場面があるのも見所だ。
例えば、序盤での居酒屋のシーンでは、いつもなら裕一の感情表現の小道具は鉛筆と五線紙、万年室と手紙くらいだが、ここでは日本酒のお猪口と体育座りと胡坐で裕一の高揚感を表した。
一方の音は、馬具を作る皮包丁の刃と砥石を使って、静かに研いでいる手が、ふと止まるどう言う動作で冷静さを保とうと言う気持ちややるせなさを、お琴を演奏して音色が外れることで、心の乱れを表現した。こう言う、映像的な表現で心情を描く工夫は、もっともっとやるべき。ナレーションで補強するより、ずっとドラマとして面白くなるはずだから。
「お調子者」は落合支店長でなく、松尾諭さんの鈴木では?
12分過ぎ、ちょっと意外に感じた解説が入った。レストランで藤堂先生(森山直太朗)と昌子(堀内敬子)のお見合いに裕一が立ち会ってる場面。そこへ、慌てて川俣銀行支店長の落合(相島一之)が掛け込んで来るシーンで、御手洗の解説が、落合をこう表現したのだ。
御手洗「お調子者の落合さんが来たわ」
御手洗の解説が始まったのは前回から。前回には川俣銀行のシーンは1カットもなかった。と言うことは、御手洗が「川俣銀行カルテット」の面々を初めて見たのは、7分頃のスイカを食べるシーン。しかし、あのシーンでの落合は、年上の知恵者としての役割であって、お調子者は、知恵者の支店長をヨイショした鈴木(松尾諭)のほう。
第18回の再放送で、藤堂先生の解説で昌子の “再放送として初対面” の昌子に対して、「昌子さんの熱い視線。気付いてなかったなぁ、この時は」と言っていた。これは、のちに藤堂と昌子が結婚するから “アリ” だと思うが、今回の「お調子者の落合さん」は、ちょっと…。
と言うか、お分かりのように、私が「川俣銀行カルテット」と呼んでいる4人は、完全にキャラクターの描き分けが完成されており、落合は、滑稽な人だが、お調子者ではない。目で見ている分には引っ掛からないが、音声だけ聞いていると、鈴木が来たように感じてしまった。まっ、細かくツッコむ必要があるとは思わないが、ちょっと気になったから。
レストランの手紙から音の部屋への繋ぎ目の編集が秀逸
私が、第20回を好きな理由は、「アバンタイトルの作り込み」、「イカニンジン」、「裕一と音のキャラクターの違いの描き分け」、そして、もう1つが、「川俣のレストランから豊橋の音の実家のシーンへの繋ぎ目の滑らかさ」。
まず、レストランで裕一が手紙を読むカットに、音の手紙の朗読のモノローグの音声だけが “14秒間も” 先行して、音の部屋のシーンに切り替わる瞬間、ほんの僅かだけピアノソロの劇伴が食って入る(シーンの切り替わるタイミングと一緒に劇伴がスタートするのでなく、前のシーンから劇伴が始まっていること)編集が見所で聴き所。
この、劇伴がほんの僅か先行して流れることで、前のレストランの時間と、後ろの音の部屋の時間の順序は、本来は逆(読んでいる時間と、手紙を書く時間と言う意味)なのに、スムーズに時間軸を戻したことで、涙を零しながら手書きを綴った音の辛さが際立ったと思う。
あとがき
御手洗の解説も際立っているし、内容も面白い第20回の再放送でした。
最後の最後のレストランのシーンで、裕一が飛び出して行ったあとに、昌子が「のぼせ上っているんです」と言った時、昌子が自分の左腕を藤堂先生の右腕に巻き付けて、右手で藤堂先生の腕を触っていましたね。そのことに、落合もチラッと見て気付いていました。
これが、のちに結婚へ発展するんですね。初見の時は単純に「昌子さんの積極的な性格」を描いただけだと思って見ていましたが、今思うと「なるほど」と思いました。
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【これまでの感想】
第1週『初めてのエール』
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第2週『運命のかぐや姫』
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第3週『いばらの道』
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第4週『君はるか』
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第5週『愛の協奏曲』
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第6週『ふたりの決意』
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第7週『夢の新婚生活』
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第8週『紺碧(ぺき)の空』
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第9週『東京恋物語』
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第10週『響きあう夢』
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第11週『家族のうた』
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第12週『アナザーストーリー ~それぞれの愛のカタチ~』
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第13週『スター発掘オーディション』
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[再]第1週『初めてのエール』佐藤久志(山崎育三郎)
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[再]第2週『運命のかぐや姫』佐藤久志(山崎育三郎)
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[再]第2週『運命のかぐや姫』関内吟(松井玲奈)
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[再]第3週『いばらの道』関内吟(松井玲奈)
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[再]第3週『いばらの道』藤堂清晴(森山直太朗)
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[再]第4週『君はるか』藤堂清晴(森山直太朗)
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[再]第4週『君はるか』御手洗清太郎(古川雄大)
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