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アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋 (第1話/初回15分拡大・2020/7/16) 感想

アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋

フジテレビ系・木曜劇場『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』公式
第1話/初回15分拡大『知られざる病院薬剤師の医療ドラマが誕生!』の感想。
なお、原作の荒井ママレ「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師 葵みどり」(漫画)は未読。


病院の薬剤部で働く薬剤師・みどり(石原さとみ)は、先輩で副部長の瀬野(田中圭)と共に急患対応をすることに。新人のくるみ(西野七瀬)は、命を助けても感謝もされず、大量の処方箋の処理に追われる病院薬剤師の仕事を目の当たりにする。そんな中、みどりは血糖値が安定しない中学生の糖尿病患者が気になり、投薬指導を行う。後日、医師の処方ミスを見つけたみどりは…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:荒井ママレ「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師 葵みどり」(漫画)
脚本:黒岩勉(過去作/僕のヤバイ妻、ストロベリーナイト、モンテ・クリスト伯、グランメゾン東京)
演出:田中亮(過去作/医龍、BOSS、コードブルー3、コンフィデンスマンJP) 1
   相沢秀幸(過去作/グッド・ドクター、トレース~科捜研の男~、モトカレマニア)
音楽:信澤宣明(過去作/義母と娘のブルース、映画「ニセコイ」)
主題歌:DREAMS COME TRUE 「YES AND NO」(ユニバーサルシグマ)

満開の桜のシーンがより切なく見えたし来年の桜の季節は…

新型コロナウィルス感染拡大がなければ、本来は、4月9日に第1回が放送されるはずだった、期待の『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』が3か月以上遅れて放送された。満開の桜のシーンが、より切なく見えたし、来年の桜の季節はどうなっているのだろう…と、いろいろ考えさせられるドラマではあった。

アバンタイトルは、薬剤師の役割を描いて、良かったと思う

アバンタイトルで、萬津総合病院の薬剤部で働くキャリア8年目の薬剤師・葵みどり(石原さとみ)が投薬に機転を利かせたおかげで、心停止の急患の命が救われる。新人のくるみ(西野七瀬)は「薬剤師も 患者さんの命を救うことがあるんですね」と言うと、薬剤部副部長の瀬野章吾(田中圭)が「違う。救ったのは医者だ」と言う。

また、くるみが、みどりに患者の家族は医師にしか感謝しない、自分は感謝されたいと言うと、みどりは「じゃあ この仕事は 向いてないかな」とピシャリ。このアバンタイトルは良かったと思う。現実は、患者や家族にとって病気を治すのは医師で、薬剤師や看護師は “黒子” 的な存在。そこを、描いたのは悪くないと思う。

慌ただしい「調剤室」の描写も良かったと思う

また、メインタイトル明けの「薬剤室」のシーンの描写も悪くない。町場の院外薬局ですら戦場のようだから、院内薬局はすさまじい世界のはず。この位の、台詞の多さや、情報量の多さも、院内薬剤室の多忙さを描写するには適当だと思う。

I型糖尿病"患者への主人公の関わり方の描写"から暗雲が…

しかし、序盤で、みどりがI型糖尿病患者の2人の女の子へ指導した内容は、薬剤師でなく本来は看護師がやる仕事だと、コロナ患者も受け入れている大学病院で30年以上働く助産師の妻が言っていたから、期待していた私も妻にも、何となく暗雲が立ち込め始めた。

更に暗雲が分厚くなったのが「HELLP症候群」のくだり

暗雲が更に分厚くなったのが、19分頃から始まった、妊娠後期(33週)で切迫早産の矢島詩織(西原亜希)と言う患者の案件。

妊娠高血圧症と診断されている妊婦が、採血結果異常で、頭痛はともかく、激しい胃痛と言う症状があるのに、産科のスタッフが薬剤師に指摘されるまで、産科のナースや、新米のドクターだろうが「HELLP症候群」を疑わないのは、まともな病院とスタッフなら “ほぼ絶対にあり得ない” と現役助産師の妻が呆気に取られていた。

う~ん、いくらフィクションでも、「薬剤師」の活躍を描くために、「看護師」や「産科医」の能力を疎かに描いて、比較するのは如何なものかと思う。

令和でも薬剤師が医師にあそこまで指示をするのは非現実的

更に、本来はナースがやるべき、小児糖尿病の患者探しをみどりがやって、薬剤室が大忙し…って、流石に本末転倒し過ぎでは? もう、こののちの展開は一つひとつ挙げることはしないが、今回、「薬剤師」のみどりがやったことの殆んどが「看護師」の仕事。昭和なら当然、でも、令和の今でも、薬剤師が医師にあそこまで指示をするのはあり得ないと思う。

つい出しゃばっては反省の繰り返しの憎めない主人公なら…

「医師」も「看護師」も「助産師」も「薬剤師」も、もっと言うならば、病院内で働く「師」が付く仕事の人は、国家資格を受けて、それぞれの立場に於いて、自分の役割や役目に自信と責任を持ち、互いに対等であるべき。

でも、それは “ある意味で理想の病院” の姿。実際は、「医師」と「看護師」ですら、上下関係があって、そこで「下層」にあたる有資格者たち(薬剤師など)は全員苦しんだり悩んだりしている。それが、現実。

そんな、現実の中だからこそ、「薬剤師が医師に口出すな!」みたいに言われても、ついつい出しゃばっちゃては反省の繰り返しみたいな、憎めないキャラの薬剤師の姿を描くだけで良かったのでは?

新型コロナと闘っている今、放送する医療ドラマとして…

いや、ドラマとして、前述のように、主人公を際立たせるために、対立軸を作ったり、対立する立場を下に描いたりすることは良くあることなのは重々承知だ。だから、看護師よりも患者さんに寄り添って、医師に指示をし、患者に接して、感動して涙を流しながらも、大活躍する主人公・みどりの存在を全否定するつもりは無い。

でも、新型コロナウィルスと日夜命を賭けて働いている医療従事者が苦悩している今の日本で放送する医療ドラマとして、医師、看護師、薬剤師をもっとリアルに描くべきだったと思う。

今回の薬剤師の過剰な言動や政党制の描写は残念だった…

因みに、私は、昨年10月に『「防災用の薬の備えは何日分?」を大学の薬学部長さんに聞いてみた』と言う投稿をしたくらいに、「薬剤師」と言う仕事に敬意を払っている。

また、最先端で働く薬学部の教授ですら、「薬剤師ごときが…」と、医師会や厚労省から言われることに腹を立てている実情も伺っただけに、今回の薬剤師の過剰な言動、過剰な正当性などの描写について、期待度満点のドラマだった気だけに残念でならない。

あとがき

今どき、総合病院や大学病院では、外来患者には院外処方が一般的で、外来患者が処方箋が出て来ないから怒鳴るなんて姿、この2,3十年見たことがありません。

また、ドラマだからですが、自分の職業を飲食店で軽々に言うのも、一人の患者さんに入れ込むのも、現実の看護師の人が見たら、「ありえない」とか「がっかりした」とか、「忙しくて、一人の患者さんに感情移入して寄り添うのは現実的に無理」と言われてしまうのではないでしょうか。

「薬の大切さ」や「薬をきちんと服用することの重要性」を描くのは間違っていませんが、「薬」を描くことと、「薬剤師」を描くことは違うと思います。そこも改善して欲しいところです。

病院が命を救ってくれる最後の砦。でも、劇中に登場する萬津総合病院で治療を受けたいと思いますか? 病院のお世話にならないのがベストですが、治療を受けたいような病院にドラマの中で作り上げていくことも、今後の展開には必要だと思います。

最後に。アバンタイトルの他に良かったのは、ラストシーン。と言うか、ドリカムの主題歌が流れた時の映像。 I型糖尿病で入院中の患者、渡辺奈央(安藤美優)と森本優花(永瀬莉子)の退院後の未来が描かれたシーンです。

ラストカットが、「調剤済 葵」のハンコが押された調剤袋と、笑顔の二人。何となく、本作が言いたいことが分かりました。だから、もっと薬剤師などの病院の描き方を工夫して欲しいです。



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★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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