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[再]連続テレビ小説「エール」 (第12回・2020/7/11) 感想

連続テレビ小説「スカーレット」

NHK総合・[再放送]連続テレビ小説『エール』公式サイト
第3週『いばらの道』の 第12回:関内 吟(松井玲奈)の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。

 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
【告知】個人的なことですが、7月以降も元のように仕事が動き出しそうにないので、毎朝起きると辛いです。従いまして、『エール』の再放送の感想は、出来るだけ前向きな内容に書くことにします。もちろん、「ここをこうした方が良かった」と言うのは書くつもりですが、済んだことに、あれこれ言っても、虚しさが募るだけですので… ※暫く“テンプレ”です。


裕一は、ハーモニカ倶楽部の定期演奏会で演奏するオリジナル曲の作曲が出来ずに悩んでいた。かつていじめっ子だった史郎(大津尋葵)もまた、バスハーモニカばかりで演奏を楽しめないと悩んでいた。ハーモニカ倶楽部の会長の館林(川口覚)もオリジナル曲を作曲していて、裕一と争うことになる。一方、裕一の音楽を応援したい三郎(唐沢寿明)は、養子を望む茂兵衛(風間杜夫)から再度頼まれるのだが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

●原作:林宏司 ●作:吉田照幸 ●演出:吉田照幸(敬称略)

第12回は前回と見違える、巧みな脚本や演出が出て来る!

昨日の感想でも書いたが、正直、裕一(窪田正孝)の “これから” の大事なスタートの月曜日の割に、まあ説明過多になり過ぎるのは止むを得ないとしても、映像的な演出(に、注目するのが当blogらしさだから)にあまり工夫が見られなかった。だから、高評価でも低評価でもない…と書いた。

しかし、一連の初期設定説明が終わった火曜日分は、前回と見違えるように巧みな脚本や演出が出て来る。と言うわけで、今回の感想は初見の頃に立ち返って、細かい演出などについてガッツリと書いてみる。

挿入された "約3秒間の子ども時代の回想シーン" が良い

例えば、アバンタイトル。喫茶店内でハーモニカ倶楽部の定期演奏会で演奏するオリジナル曲の作曲が上手くいかずに悩んでいる裕一に、小学校時代のいじめっ子だった史郎(大津尋葵)が声をかける場面がある。

前回ではコミカルな紹介シーンになっていたが、今回はきちんと「昔 いじめてた時だって…」の史郎の台詞の後に、約3秒間の子ども時代の回想シーンが音にリバーブを掛けてインサートされた。

やはり、これは丁寧な脚本と演出と言って良いと思う。再放送として見ている視聴者なら必要ないかも知れない。でも、本放送当時は、第1週で幼少期の裕一が描かれて、丸1週間あいだが空いて~の第3週だから、第1週を見ておらず、いよいよ窪田正孝さんが登場すると言って見始めた視聴者もいただろうし…

本放送当時のエールの逆L字放送の画面
©NHK

本放送当時の4月12日は、もう新型コロナウィルス感染拡大が始まっており、結婚披露宴もキャンセル続きで、 国内での感染者は6,748例になっていた頃。だから、結構、家で朝ドラを見ている人も増えて来たかなと言う頃だ。だから、これは偶然ではあるが、火曜日でも史郎が裕一にとって “何者” であるかを描いたのは丁寧だと思う。

劇伴の「行進曲」と、物語が"行進"し始めたのを重ねた表現

前回の感想は、あっさり気味だったから、今回はもう少し掘り下げようと思う。なにせ、この第12回、私が好きな放送回だから、録画を残してある位だから。

例えば、アバンタイトル全体の構成や演出や俳優の演技も良いのだ。具体的な台詞を拾うのは止めておくが。思うように作曲作業が進まない裕一を、史郎が「試しに 僕の顔 浮かべてみてよ。うん?」と、おどけた表情で励ます。

言葉通りに裕一が、ふざけた顔で裕一を励まそうとする史郎を見ていると、行進曲のような小太鼓の音色から始まる劇伴がかかり、「バスパートって むなしいんだ」の回想シーンもちゃんと入れて、史郎の「ブッ ブッってさぁ」の台詞に合わせて劇伴にも “バスパート” が入って来て、劇伴の盛り上がりに合わせて裕一が何かを閃いて、アバンが終了。

正に、物語が “行進” を始めたのも分かるし。アバン全体を見ても、前回で必要な部分、要は、主人公には “応援する人” がいて、ライバルや刺激を与える人もいることを描いて、私が連ドラに必要だと常に言っている「先が見たくなる仕掛け」が施されているのだ。

主題歌明けは、大胆な省略が見所だ!

主題歌明けは、大胆な省略が見所だ。この頃は特に「裕一の作曲シーン」が少ない頃だが、それは、のちを見れば、この頃の作曲シーンに時間を割いている場合でないことは、今なら分かる。

恐らく、作り手も同様に考えたに違いない。この「選考会」のくだりで描くべきは、「裕一が苦労して生み出した曲がどんな楽曲か?」ではなく、裕一本人が、自分を支えて応援してくれる人たち(史郎や舘林会長)を、選考会と言う “騒動” を通して、「裕一が自分を支えて応援してくれる人(これには、当然ライバルの舘林も含まれる)をどう捉えるような人であるか?」だと。

だから、楽曲でなく、特に舘林会長の思いをどう受け取ったのかを描いたことで「裕一の人間性」と、史郎や舘林会長の想いを描いたことで「裕一の才能」も同時に描くことに成功したと思う。

もう少し浩二が後継者になるくだりがあっても良かったかも

学校から帰宅した裕一の弟・浩二(佐久本宝)が、福島の県下有数の老舗呉服屋「喜多一」の後継者に決まるのも、養子を望む茂兵衛(風間杜夫)からの裕一の母・まさ(菊池桃子)へ掛かって来た電話の内容も省略。こっちの省略は大胆過ぎる。

本来なら、もう少し浩二が後継者になるくだりが、ここであれば、のちに浩二が爆発するくだりに “深み” が出たのは間違いないと思う。ただ、大人版の裕一になって2日目だから、ここは裕一を最優先してと言うことだろう。テンポも良いし、クドく引っ張らない方が、この時期としては得策だったと思う。

茂兵衛が三郎とまさに罵声を浴びせるシーンの演技力に圧巻

省略し過ぎのシーンが終わると、今度は丁寧な描写が続く。京都の呉服店の店主・吉野福之助(田口浩正)が逃亡した。「喜多一」にとっての最大のピンチ、前段でカットした電話の内容も、丁寧に描かれた。そして、茂兵衛が三郎とまさに罵声を浴びせるシーンの俳優陣、風間杜夫さん、 唐沢寿明さん、菊池桃子さんらが創り出した “圧” のスゴさは圧巻だった。

更に、夫婦と兄弟の葛藤を、丁寧に回想シーンを使って描いた。本放送当時の感想にも書いた通り、私は「回想シーンは、やたらに使うのはダサい」と思っているが、終盤11分頃から数回に分けてインサートされた回想シーンの使い方は巧いと思う。両親が二人の息子の気持ちを思う親心と、自分の夢を抱く息子たちそれぞれの心を、しっかりと描いた。

順風満帆でない裕一の作曲家人生の船出の15分間!

ハーモニカ倶楽部の演奏会の練習に一区切りがつく。そこで、舘林会長が部員に話すシーンも良かった。ここまでの前段では、作曲の過程も、選考の過程も、弟が後継者になる過程も、ほぼ全て省略して、描いたのは過程は唯一つ。裕一自身にもぼんやりとしか見えていない「裕一の才能」が仲間や応援する人たちに認められていく過程だけ。

そこへ突然に、祐一の力ではどうにもならないような大きな壁として「養子縁組問題」だけを絡めて、「さて、この先、裕一は音楽の道を歩み続けることができるのか!?」と言う “大騒動” を創り上げた。順風満帆でない裕一の作曲家人生の船出の15分間として、私はドラマチックで見応えがあったと思う。

台詞が多く、ナレーションも少ないから、副音声も少ないのが残念…

さて、この第12回が好きな理由の一つが、この初期の頃は全体的に「ナレーション過多」なのに、第12回は極端にナレーションが無いこと。

そして、前述の通りに、省略が多いからエピソードが詰まっていて、この度の再放送のお楽しみである、松井玲奈さんが「関内 吟」になり切って解説する副音声も、かなり少な目だったのは、ちょっぴり残念。方言で “主観” を、標準語で “解説” と言うのも微妙だったし。

最後の最後で、吟の副音声が爪痕を残したのが良かった!

でも、最後の最後に、松井玲奈さんが「関内 吟」になり切って解説する副音声が爪痕をしっかり残してくれた。ナレーションが「自分の将来に危機が迫っていることを 裕一は まだ知りませんでした」を受けて、吟がこう言った

吟「えっ? なにぃ? この不吉な終わり方。津田さん!」

前回の 「はい、廊下」で、ナレーションに相槌を打つ副音声に驚いたが、今回は遂に「津田さん!」とナレーターにツッコミを入れたのには、更に驚いた。こう言うのは、再放送の副音声ならではの台詞だから本当に楽しかった。でも、このナレーターと吟の副音声の掛け合い漫才のようなやり取りも、もう少し聴いて見たかった…

あとがき

こうして第65回まで見てしまっている立場で改めて再放送を見ると、この頃って、かなりエピソードを盛り込んでいるのが分かりますね。やはり、W主人公を強調している頃ですから、音と出会うまでに描いておくべきことが、たくさんあった…と言うことなんでしょうね。だから、更に「ナレーション過多」にもなっていたのだと思います。

第4週『君はるか』には、コント風な描写が増えて来て、第5週『 愛の狂騒曲』は、本作初の脚本と演出が吉田照幸さん一人で担当と、まだまだ脚本が落ち着かない時代なので、再放送を見守ろうと思います。そんな第4週の副音声は、森山直太朗さんが「藤堂先生」になり切って解説する副音声ですね。どうなるのか、楽しみです。

また、こちらも、お見逃しなく!
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【これまでの感想】

第1週『初めてのエール』
1 2 3 4 5 
第2週『運命のかぐや姫』
6 7 8 9 10 
第3週『いばらの道』
11 12 13 14 15 
第4週『君はるか』
16 17 18 19 20 
第5週『愛の協奏曲』
21 22 23 24 25 
第6週『ふたりの決意』
26 27 28 29 30 
第7週『夢の新婚生活』
31 32 33 34 35 
第8週『紺碧(ぺき)の空』
36 37 38 39 40 
第9週『東京恋物語』
41 42 43 44 45 
第10週『響きあう夢』
46 47 48 49 50 
第11週『家族のうた』
51 52 53 54 55 
第12週『アナザーストーリー ~それぞれの愛のカタチ~』
56 57 58 59 60 
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61 62 63 64 65 
[再]第1週『初めてのエール』
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連続テレビ小説『エール』第12回再放送

ナレーションが、ほぼ無い状態だと。ナビゲーションじゃなかった。。。。“関内吟の解説”が際立つね。もちろん、ここまでナレーションを入れると。あまりにも説明染みてしまい、クドサを感じたりして、人によっては、不快な印象になるだろうけど。ただ、“ほぼ無い”ってのも、ほんとは、どうかと思うんだよね。いや。。。。分かるんだよ。あくまでも、補足、補助であるコトも。実際、今作も、シッカリと俳優を揃えています...
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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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