やまとなでしこ 20周年特別編 (第一夜・2020/7/6) 感想

フジテレビ系・『やまとなでしこ 20周年特別編』(公式)
第一夜『ずっと探していた人』の感想。
なお、2000年に放送されたドラマ『やまとなでしこ』は鑑賞済み。
現代女性にとって、清らかさとは何か?美しさとは何か? 主人公の神野桜子(松嶋菜々子)は、ある意味で、現代の“やまとなでしこ"といえる。 類いまれなる美貌と教養を武器に仕事も完璧にこなすキャビンアテンダントになった桜子。一見、非の打ちどころのない彼女にも1つだけ大きなトラウマが…。
幼い頃、極度の貧困と闘ってきた桜子には「世の中で1番大切なもの。それは、お金」「恋愛相手も結婚相手もお金持ちでなければならない」「愛よりお金」という哲学が備わっていた。
そんな桜子に、運命の出会いが。無理やりキャビンアテンダントとの合コンに誘われた男、中原欧介(堤真一)。学生時代、女性にフラれ、恋愛恐怖症になった35歳独身。父を亡くし、母1人で切り盛りしていた魚屋を継ぐため、長年研究していた数学の道を諦めていた。魚の目利き力はあるが、銭金には疎く、押しも弱い。そんな欧介が、ひょんなことから桜子の思い込みも手伝い、2人は付き合うことに。
だが、欧介の正体がバレると一気に冷たくなり、相手にしなくなった桜子。身分不相応とわかりながらも彼女に強くひかれた欧介は、他の男とは違った角度から彼女を好きになり、桜子の奥に秘められた“何か"を感じていた…。
令和に生きる我々が忘れかけている、本当に大事なものは何なのかということを、いま一度問いかけてくれる“ロマンチック・ラブコメディー"。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:中園ミホ(過去作/ハケンの品格1,2、Doctor-X1-4,6) 第1,2,3,5,7,最終話
相沢友子(過去作/鹿男あをによし、トレース~科捜研の男~) 第5,8話
演出:若松節朗(過去作/振り返れば奴がいる、救命病棟24時) 第1,2,5,7,9,最終話
平野眞(過去作/HEROル、監察医 朝顔) 第3,4,6,8,10話
音楽:住友紀人(過去作/恋ノチカラ、南くんの恋人、アンフェア)
主題歌:MISIA 「Everything」
『やまとなでしこ』は、トレンディドラマの範疇ではない…
一般的に、「バブル景気」は、1986年(昭和61年)12月から1991年(平成3年)2月までの51か月間とされ、きちんとした定義は無いが所謂「トレンディドラマ」は、1988年から1991年に制作された、少女漫画のような女性の願望や夢物語を、バブル景気時代にドラマ化した作品群のこと。
だから、2000年に本放送された『やまとなでしこ』は、トレンディドラマの範疇には入らない…と言う前提で話すことにする。
ITの進化で日本人の生活が大きく変わった頃のドラマ
と言うか、バブルが弾けたものの、1995年に「Windows95」が発売されて、2000年には各家庭にパソコンが普及して、1999年から2000年になる時に、世界中のコンピューターが時計を誤認識すると言う「ミレニアム問題」と言うのがあったり、95年頃から携帯電話が普及し始めて、ITの進化で日本人の生活が大きく変わった頃のドラマが『やまとなでしこ』。
2000年放送の連ドラは2人の関係を描く多彩なドラマが多い
前述のトレンディドラマが、テレビの中で、カタカナ職業の登場人物たちが、バブル景気を満喫する様子を描いた作品が多かったのを、まだ、2000年のドラマは若干引き摺っている作品群も多く…
また、2000年に高視聴率を獲得した『ビューティフルライフ』、『やまとなでしこ』、『オヤジぃ』、『ショムニ 第2シリーズ』、『ナースのお仕事3』など、恋愛ドラマやお仕事ドラマやヒューマンドラマの類が人気を博し、恋人同士、親子、職場の先輩と後輩など、1人が主役と言うより、2人を中心に描くドラマが多いのが特徴。まあ、うんちくは、これくらいにして…
作り手も視聴者もトレンディドラマ風を追い求めていた…
個人的には、バブル景気に当時の彼女(今は妻)と交際し、バブルが弾ける前に結婚した私としては、やっと、バブル崩壊で夢から覚めた2007年に起こったリーマンショックの影響で、日本中の企業の広告費が削られ、一気に日本のドラマからトレンディ色が失ったのを知っているから…
本放送当時は、「トレンディドラマ風には作っているけど、ちょっと無理して安っぽいな」と思って観ていたのだが、令和2年の今、『やまとなでしこ』を見ると、まだまだトレンディドラマの色を作り手も視聴者も追い求めていたように感じたのが新鮮だった。
主題歌や劇伴の使い方の絶妙さは「20周年特別編」でも健在
さて、やっと本作の感想。90年から都内の有名ホテルで宴席の音響照明映像オペレーターの社員として働き始めていた私は、結婚披露宴で使用する音楽をお客様に提案すると言う仕事もしていたため、ドラマの主題歌情報については相当力を入れた情報入手をしていた時代。
だから、ドラマの内容よりも主題歌であるMISIAさんが歌う「Everything」に魅了されて毎週、釘付けで見ていたし、2000年から2001年頃は、結婚披露宴で「Everything」が多く使用されたのはよく覚えている。そして、本作の「Everything」の使い方を始め、劇伴の使いどころが絶妙なのは「20周年特別編」でも健在だったのは嬉しかった。
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「登場人物の魅力」と「出演者の演技力」と「強いストーリー性」
そして、「20周年特別編」を見て感じたのは、まだテレビが「4:3」のスタンダードサイスの時代で、登場人物のどアップが実に多用されているのに、「出演者のプロモーションビデオ」や「お目当ての出演者のファンだけが楽しめるドラマ」に全くなっていないことには、改めて驚いた。
その要因は、紛れもなく、キャラクターの存在感を最大限に引き出した、視聴者を惹き付けまくる「強いストーリー性」があるから。そして、もう一つの要因は、出演者の出番を増やすことよりも「登場人物の魅力」と「出演者の演技力」と「強いストーリー性」を前面に押し出したドラマづくりが、多くの視聴者をくぎ付けにしたに違いない。
美貌を武器に最高のお金持ちをアグレッシブに探すヒロインが魅力的
しかし、本作の面白さの根本は、恋愛から結婚を決めるまでの経緯(今の時代は「婚活」と言うが)の中で誰もが考える「愛とお金。あなたには、どちらが大切?」と言う世代を超えた不動のテーマのパワー。
そこへ、「嘘をついても真実の愛は手に入れらるのか?」と言うファンタジー要素を盛り込みながら、一見、お伽話に見えるのだが、実は、女性たちの憧れでもあろう『シンデレラ』と比較すると
…シンデレラはお城から王子様がガラスの靴の持ち主を探すのを待っているのに対して、本作のヒロインは、王子様から選ばれて手に入れる幸せを求めずに、美貌を武器に「最高のお金持ち(年収とステータス)」が「たった一人の運命の人」と言う独自の価値観で、アクティブ且つアグレッシブに男を探す。
こう言うヒロインの恋愛ドラマ、ラブコメファンタジーは恐らく本作が先駆者だと思う。全11話が4時間の前後編に短縮編集されても、本作の面白さや秀逸さは色褪せることはなかった…
あとがき
かなり削除されているので、本作の楽しみである「魅力的な脇役たちのサイドストーリー」が少なかったのは残念ですが。やはり、本作は、ストーリーと主題歌がピッタリアッっていますね。
♪すれ違う時の中で あなたとめぐり逢えた
不思議ね 願った奇跡が こんなにも側にいるなんて
(中略)
You're everything You're everything
あなたを想うより強く やさしい嘘ならいらない 欲しいのはあなた
いやあ、20年経った今でも輝きを失わない秀作だと思います。是非、DVD-BOXで、隅々まで見て欲しい作品です。そして、今の若者たちが、今作を見て、どう感じるのか知りたいです…
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