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「逃げるは恥だが役に立つ」ムズキュン特別編 [再放送] (第6話・2020/6/23) 感想

「逃げるは恥だが役に立つ」ムズキュン特別編

TBSテレビ・『逃げるは恥だが役に立つ』ムズキュン特別編 [再放送]公式
第6話『温泉一泊旅行にまつわるエトセトラ』の感想。



ある日、みくりと平匡は百合からペアの宿泊旅行券をプレゼントされる。姪っ子想いの百合の優しさを無駄に出来ず、ふたりは“新婚旅行"と言う名の“社員旅行"へ出かけることに。ところが、訪れた温泉旅館で用意されていたのは、なんと夫婦やカップルで寝るのに最良なダブルベッド…。今まで同じ部屋でさえ寝たことのないみくりと津崎は大慌て!さらにみくりの元カレまで現れ、大騒動に!!そして社員旅行は意外な結末を迎える!!
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:海野つなみ「逃げるは恥だが役に立つ」(講談社「kiss])
脚本:野木亜紀子(過去作/重版出来!、アンナチュラル、コタキ兄弟と四苦八苦)
演出:金子文紀(過去作/G線上のあなたと私、恋つづ) 第1,2,6,7,9,最終話
   土井裕泰(過去作/重版出来!、カルテット、凪のお暇) 第3,4話
   石井康晴(過去作/花より男子シリーズ、花のち晴れ、テレウスの船) 第5,8,10話
音楽:末廣健一郎、MAYUKO
オープニングテーマ:チャラン・ポ・ランタン「進め、たまに逃げても」
主題歌:星野源「恋」

まえがき

当blogの感想の主旨としては、未公開部分を探すことでなく、特に再放送の感想では “新たな魅力” や “気付いて欲しい脚本や演出テクにニック” の部分だから、「特別編」ならではの編集の巧さについては、前回よりも控えめで…謝

"焦らせ方" こそ、本作のツカミの上手さの原点だと思う

何度見ても、冒頭の「ツカミ」が上手いなと思う。最初の約18秒が前回の振り返り。まず、ここで「火曜日はハグの日」であることを視聴者に再認識させて、ここから、みくり(垣新結衣)のナレーション風のモノローグが「みくりの火曜日の1日の行動」をコンパクトに解説。これが、本当に巧みに作られている。

単純な「1日の行動の説明」に聞こえるが、その中に「みくりの感情」と「みくりの妄想」を挟みながら、平匡(星野源)が「ハグの日」を意識していることもサラリと描いて、劇伴がヴァイオリンのピッツィカート(弦を指ではじく奏法)で終わるまでの、約2分10秒間でサクッと描いてしまった。

劇伴1曲の使い方としてお手本的で見事だし、約2分間もみくりと劇伴で畳み掛けた直後に、台詞も劇伴もない「無音」の時間を作って、今度はピアノ曲で次の展開へ。やはり、本作は「ツカミ」が上手い。その一言に尽きる。絶対に “何か” が起こるのに、簡単には見せない “焦らせ方” こそ、本作のツカミの上手さの原点だと思う。

旅先へ向かう電車内の会話が追加され、のんびり感が増した

「特別編」ならでなはの編集の巧さについては、前回よりも控えめで…と書いた割に、早速気が付いたのが、13分頃のみくりと平匡が列車に乗って旅行先に向かっている電車内のシーンで平匡の「こちらこそ お世話になってます」の直後の みくりの「天気よくて 良かったですね」から「はい 社員旅行を」までの2人の台詞が大幅に未公開シーンとして追加されていた。

一緒に食べるカットの直前までだ。詳しく追加分の台詞を引用しないが、「特別編」の方が、他の人が働いている時間に旅行に行くと言う日常からの解放感と、旅行券をくれた百合(石田ゆり子)への感謝の気持ちが追加されており、単純に言えば “のんびり感” が増した。ここで、のんびりした雰囲気を強めれば強めるだけ、このあとのドタバタ&ハプニングが際立つ…と言う演出&編集意図だと思う。

「現実 → 回想 → 妄想 → 現実」の流れがセンス良過ぎ!

何度見ても、不思議な…と言うか、上手いなぁ…と思うのが、ホテルマンとベッドのやり取り(「特別編」では、台詞が2つ追加されていた)のあとに、突然、セーラー服を着たみくりが、“器の小さい男” である元カレ・カヲル(小柳友)へ場面が切り替わるところ。

まず、セーラー服姿の新垣結衣さんのキュートな破壊力があるからそこのシーンであるのは当然として。まず、“器が小さい男” を、通常のコーヒーカップより小さい “デミタスカップ” を引用して描く抜群のセンスの良さ。

更に、自然と元カレから平匡に代わっても違和感が無くて、ついでに絶妙なタイミングでの「妄想ですら 平和」のモノローグで現実へも戻る。ここ、結構なサプライズのシーンなのに、さりげなく描くのも、作り手の余裕を感じさせて嬉しくなる。

「とぐろターボにまつわるエトセトラ」は本当に面白い!

私が、『逃げ恥』の数多い名シーンの中でも、最も大爆笑出来てお薦めなのが「とぐろターボにまつわるエトセトラ」の場面だ。日野(藤井隆)から貰った箱を平匡が封を開けるところから、ムズムズするくらいに面白い。

ここも「特別編」には多くの未公開カットが追加されており、面白さの破壊力が倍増。2人揃っての「暑い!」まで約3分間。笑いあり、胸キュンあり、平匡のある意味での切なさと、みくりの天然さも含んで、きっちり魅せた。

「ホントに もう…」の1カットが、めっちゃ効果的!

そして、部屋が変わって、「とぐろターボにまつわるエトセトラ」が再開。この平匡の 「仕事プラスアルファの気遣いができる素晴らしい仲居さんです」も、何度見ても面白過ぎる。

その上で、 「まったく もう みくりさんは すぐに 突拍子もないことを言いだす」が、これまた面白過ぎるのに、「特別編」には、この直後に「ホントに もう…」が追加されていて、台詞で本気で困っている平匡と、みくりのバストショットで平匡の意に沿えない感情を強調。確かに、こちらの編集の方が、面白さが増している。

これこそが「プロのテレビ屋」の仕事だと思う

このあと、バー「山」のマスター・山さん(古舘寛治)のすっごく素敵な台詞があって、ちょっとじんわりした雰囲気にしておいて~の、平匡が風呂に入りながら「プロの独身」と自信満々のモノローグのあとに、みくりが「とぐろターボ3本セット」を見つけてしまい、今度は「プロの家政婦」が “備え” をするも、平匡が湯当たりして一件落着しちゃうのも面白いが。

直後にみくりが「平匡さんの心のテリトリーに入らせてもらえるんだろうか」と、露天風呂から見上げるシーンは、本当にみくりの心が沁み込んで来る素敵なシーンだ。

とにかく、ここまで、複雑で繊細な心理描写をやりつつ、コミカルな部分では徹底的に笑わせて、胸キュンさせる部分はより深く突き刺さるような絶妙なメリハリを作って、視聴者を楽しませるのは容易なことでは無いはずなのに、本作ではいとも簡単にやっているように見せる。これこそが「プロのテレビ屋」の仕事だと思う。

帰路の車中のモノローグが左右に振られているのを是非楽しんで

帰路の電車中のシーンの秀逸さについて、今さら私が書く必要もないと思う。ただ、私の知り合いに知らない人がいたので、そこを書いてみる。これは「特別編」だけの編集でなく、本放送の時もこのような音の編集になっていた。

平匡とみくりがベンチシートの座席に横並びに座って、個々がモノローグを言う場面で、下記の部分のモノローグだけ、平匡は「左チャンネル」、みくりは「右チャンネル」にパン(音響卓や映像編集に於いて、音の左右の定位やバランスを調整する装置)が振られている。

ヘッドホンで聴くのが一番分かり易いし、最後の2人同時の「永遠に着かなければいいのに」で、より感動したければヘッドホン(イヤホンでもOK)を断然おすすめする。

平匡(左)「この旅が終われば雇用主と従業員
     週に一度 ハグをするだけの関係 今までどおり」
みくり(右)「今までどおりでいい」
みくり(中央)「もう やめる もう 疲れた
       何もしない 何も求めない
       この旅が終われば平穏な日常に戻る
       あと 一駅 あと」
平匡(中央)「あと 一駅」
みくり(中央)「あと… 一駅
平匡(左)・みくり(右)「永遠に着かなければいいのに」

このラストシーンの作り込みもお見事としか言いようがない。台詞(モノローグ)を最重要視するために、電車の音をカットして、ピアノ曲だけでじっくり、じわじわと2人の感情が寄って行く様を…

前半は2人の音声は「中央」に寄せておいて、それぞれの立場を再認識するところからモノローグを左右に振って、「あと 一駅」は「中央」に戻して、最後の最後で左右に振って、台詞だけシンクロさせる。そして、最後の最後のタイミングでキス。もう、完璧過ぎる!

あとがき

撮影裏話的なものも多いのが、この第6話の特徴ですね。その辺は置いておきます。緩急の付け方、心理描写の正確性、映像の魅せ方、どれをとっても文句なしって感じです。ホント、完成度が高いドラマですね。今回の「リモート恋ダンス」は、 バーのマスター山さん役の古舘寛治さんが初登場。あの、一路兄ちゃんが…。やっと、感想が書けて良かったです。


今後も再放送の感想を書くかは未定です。書きたくなったら書きます。何せ、本放送時の感想で、いつものような演出解説はやり尽しておりますので、そちらを読みたい方は、下記のリンクを参考にして下さい。全話の感想を含めて『逃げ恥』関連の全ての情報のリンクが掲載されております。演出のちょっとした勉強にもなると思います。

年末一挙放送の『逃げるは恥だが役に立つ』を更に楽しめるリンク集【ブックマークお勧め!】



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【ムズキュン特別編 [再放送]の、これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話

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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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