連続テレビ小説「エール」 (第60回・2020/6/19) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『エール』(公式サイト)
第12週『アナザーストーリー ~それぞれの愛のカタチ~』の
第60回『環のパリの物語(後編)』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
双浦環(柴咲コウ)のパリ時代の話、後編。今村嗣人(金子ノブアキ)はパリでなかなか認められず焦りを感じていた。一方で、環は思い切ってミラノまで受けに行った「蝶々夫人」のオーディションをきっかけに、歌手になるチャンスをつかみかけていた。まわりから環について聞かれることが多くなった嗣人は、素直に喜べず複雑な気持ちを抱えるようになる…。そして、ある日、環の人生を変える大きな知らせが届くのだが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
前編は、「春」と「夏」で…
●原案:林宏司 ●作:吉田照幸 ●演出:表記無し(敬称略)
前編では、「春」に、まだ歌手としては駆け出しの双浦環(柴咲コウ)と画家を目指す今村嗣人(金子ノブアキ)が出会い、一緒に夢を叶えようと…恋に堕ちた。
「夏」には幸せな同棲を始めてはいたが、二人の夢は中々叶わず。しかし、夏の終わりには環が一足先に、フランスからイタリアに行って『蝶々夫人』のオーディションの一次審査に合格し、夢への一歩を歩み出した。
後編は、オレンジ色のガーベラの「秋」から始まった…
そして、後編の季節は、印象的は「2輪の赤いダリア」のカットの「秋」から始まった。実は、前回の「夏」のシーンでは、ベッドサイドのテーブルの上には、「3輪のオレンジ色のガーベラ」が活けてあった。オレンジ色のガーベラの花言葉は、「冒険心」と「我慢強さ」で、好奇心の表れと、忍耐強く前向きに進んでいくイメージ。
正に、あの当時の二人とバランスが取れていたのだ。では、赤いダリアの花言葉は…と言うと。
●華麗…華やかで美しいこと、 ははでやかなこと。
●栄華… 栄えときめくこと。権力や富貴をきわめていること。
と、なっており、夢に近づきつつある環と、嗣人の個展は評論家たちの評判は良くなかった。劇伴も前回の明るいミュゼットとは違い、どことなく儚い雰囲気のピアノ曲で始まり、どうやら、赤いダリアは環だけに微笑むような展開が見えて来る。
そこへ、イギリスから舞台や展覧会のプロデューサー・アダム(BJフォックス)がやって来て、オーディションの二次には落ちたことを知らせつつ、それでも環の才能を褒める。また、嗣人の利彦(関口アナン)は、プッチーニ自身も『蝶々夫人』の初演が不評に終わったために、蝶々夫人役を日本人を起用したいと言っているとの噂を嗣人の耳に入れる。
嗣人が環に抱いているイメージは、ピンク色のバラなのか?
客人たちが帰った部屋の中央のテーブルの上には、 「上品」、「可愛い人」、「美しい少女」、「愛の誓い」が花言葉のピンク色のバラの花がたくさん活けてある。これは、蝶々夫人のキャラクターのイメージとは違う。きっと、嗣人が環に抱いている(いた?)イメージなのかなぁと。
ロンドンのオペラハウスでの『蝶々夫人』のキャストのオーディションに行く気満々の環と、本音では喜んで送り出す気持ちになれない嗣人が初めて対立した。
朝ドラのアナザーストーリーで、ここまで濃厚に描くとは思わなかった
そして「冬」は、枯れて首を垂れたピンク色のペチュニア。花言葉は「心のやすらぎ」、「自然な心」だから、それが枯れているのだから、嗣人の心情は容易に察しがつく。環がロンドンから帰って来て、オーディションに合格したことを知らされると、嗣人は荒れに荒れまくる。
嗣人「君の… 失敗を願ってる。
どんなに喜ぼうとしても…
心の奥底から嫉妬があふれてくる。
俺は… 君といる俺が嫌いだ。
君といると… 俺は どんどん やななつになる。
俺は… 君という光の影でいるのは… 耐えられない。
環…。歌を… 歌を諦めてくれ…。
君を愛してる。頼む… 頼む…」
ここの、金子ノブアキさんのお芝居は好きだ。この位にやり過ぎた感じの方が、情熱が伝わって来るし、そもそも歌劇をなぞらえたエピソードだから、この位が丁度良い。しかし、朝ドラでここまでやるとは思わなかった。
「CAFE LE SOUPIR」は、日本語で「喫茶ため息」の意味
突然の嗣人からの願いに、即答できるはずもない環が階下のカフェにやって来る。客は誰もいない。今まで気付かなかったのだが、環とカフェの店主・フリップ(ピーター・フランクル)が窓際の席に座った。窓ガラスに店名が書いてある「CAFE LE SOUPIR」、日本語に訳せば「喫茶 ため息」となる。
これまで、何となく店名は映ってはいたが、今回の12分頃のように強調した映し方はしていなかった。なるほど、「喫茶 ため息」は、店主がお客のため息を聞いてくれる優しい店なのだ。そして、店名由来の物語とすれば、第58回『古本屋の恋』にも繋がるストーリーとも言える。
環とフリップのやり取りは、ちょっとしたフランス映画の雰囲気…
そして、良く耳にするのが、本当に疲れ切って疲弊している時は、ため息は出ないってこと。だから、ため息が出るうちは、ストレスを解消して緊張をほぐすのが一番効果的。ここの、二人のやり取りが良かった。
環「私は光でいたい。傲慢ですか?」
フリップ「自分に嘘をつくことが最大の罪です
それでいい それが君の人生だ」
台詞が言い終わると、カメラは店外に出て、降り始めた雪と「喫茶 ため息」のガラス越しの環とフリップを映し出す。もう、ちょっとしたフランス映画を見ている気分だ。
蝶々夫人の衣装をまとっている環の肖像画が持つ意味って…
そして、13分頃には「春」。嗣人の部屋の花瓶は、四角いガラスのものだったが、場面が変わった場所の花瓶は緑色の陶製。バケットも嗣人の部屋には常に1本しかなかったが、こっちは4本もあるし、バスケットも大きい。そして、花瓶に活けてあるのが、青いワエゾムラサキ(わすれなぐさ・勿忘草・忘れな草)。
花言葉は、「真実の愛」と「私を忘れないで」。そして、カットが変わると、カフェで嗣人の個展が開催されていると分かる。そして、引っ張って引っ張って最後に見せた嗣人が書いた絵が、蝶々夫人の衣装をまとっている環の肖像画。
この肖像画、衣装をまとった環を実際に目の前にして描いたのではないのだろう。新聞記事なのか人伝かなにかから想像して描いた。でも、これまでの嗣人は目の前の対象(物)を見て描くタイプだから、これと同じ魂を込めた絵は描けない…と言う解釈でよいのだろうか?
あとがき
前編の冒頭が、第49回(2020/6/4)の環と音(二階堂ふみ)のやり取りで始まったから、環が音に言った「プロってね… たとえ 子どもが死にそうになっていても 舞台に立つ人間のことを言うの」にまつわる話になるのかと思いましたが、普通の悲恋と言うか。
芸術を生業にすると決めた人間にとって、才能や努力や運などが完全にシンクロしないと上手く行かないし、カップルならどちらかが成功してもダメってことを言いたかったのでしょうね。そう、超好意的に解釈すれば、裕一(窪田正孝)と音のカップルも、どちらかが成功してもダメってことなので、そこが本編への “繋ぎ” になるかも知れません。
さて、 第12週『アナザーストーリー ~それぞれの愛のカタチ~』はタイトル通りに「3つの愛のカタチ」が描かれました。折角だから、古本屋の常連客、木下(井上順)を上手く3つの話に巧みに絡めても良かったと思います。今後は、久志(山﨑育三郎)がプロ歌手になる展開もあるでしょうから。
ピンポイントで使えるキャラとして、今週で印象付けておいても良かったかなぁと。あとは、次週次第ですかね(ネタバレ厳禁で、お願いします)
また、前回では、環にあれこれ情報を伝える里子役は近衛はなさんは、父親が目黒祐樹さん、母親が江夏夕子さんの長女で、伯父が松方弘樹さん…と紹介しました。で、今回の序盤で嗣人の友人・利彦を演じた関口アナンさんは、父親が写真家の関口照生さん、母親が女優の竹下景子さん。二世タレントさんを配置したのには、何か意味があるのかなぁ。
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【これまでの感想】
第1週『初めてのエール』
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第2週『運命のかぐや姫』
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第3週『いばらの道』
11 12 13 14 15 土
第4週『君はるか』
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第5週『愛の協奏曲』
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第6週『ふたりの決意』
26 27 28 29 30 土
第7週『夢の新婚生活』
31 32 33 34 35 土
第8週『紺碧(ぺき)の空』
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第9週『東京恋物語』
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第10週『響きあう夢』
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第11週『家族のうた』
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第12週『アナザーストーリー ~それぞれの愛のカタチ~』
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