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連続テレビ小説「エール」 (第46回・2020/6/1) 感想 ※解説写真と加筆修正あり

2020/6/1 14:40 記事更新
連続テレビ小説「スカーレット」

NHK総合・連続テレビ小説『エール』公式サイト
第10週『響きあう夢』の 『第46回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


音楽学校の記念公演に向けて、「椿姫」の稽古がはじまった。千鶴子(小南満佑子)と主役あらそいの末に選ばれた音(二階堂ふみ)は、双浦環(柴咲コウ)から自分に足りない技術を死ぬ気で磨くように激励される。ある日、古山家に鉄男(中村蒼)が訪れる。裕一(窪田正孝)と一緒に「福島行進曲」をつくった鉄男は、作詞家になる夢をかなえるために、思い切って新聞社の仕事を辞めて福島から上京してきたのだ。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

廿日市の台詞に対する音響効果で、吉田照幸氏と分かる演出

・原案:林宏司 ・作:清水友佳子 ・演出:吉田照幸(敬称略)

もう、アバンタイトルを見て、と言うか聞いただけで、演出家が先週の橋爪紳一朗氏から、本作のメイン・ディレクターである氏に交代したことが一瞬で分かってしまった。それが、廿日市(古田新太)の下記↓の台詞の音響効果。

廿日市「勘弁してよ~
    いつになったら利益出してくれんのよ」

の最後の「くれんのよ」の部分に対するディレイ効果。こんなことは感想に必要ないかも知れないが、演出家の意図を感じることも私が伝えたい「ドラマの楽しみ方」の一つだから、少々お付き合い願いたい。

そもそも「ディレイ」と言うのは、エレキギターなんかを演奏する人はご存知だと思うが、所謂 “空間系エフェクト” と呼ばれる音響効果の類で、その中でも「遅れてくる音=遅延(ディレイ)音」のことを言う。では、なぜ、演出担当の吉田照幸氏は、ここで廿日市の台詞に「ディレイ」を使ったのか?

私の読みでは、使用理由は2つある。1つは、この廿日市の台詞は、裕一(窪田正孝)にとって “耳にタコができる” ほど何度も言われている…と言う感じを出すため。2つ目は、この言葉が裕一の心に相当響いている、影響を与えている、心に重くのしかかっている、そんな感じを出すために使っていると思われる。

こんな小技を使うのは、本作の演出担当では吉田照幸氏しかいないのだ。従って、脚本家は先週と同じで不安はあるが、演出家が手綱を締めて頑張ってくれる可能性に期待したい。

『椿姫』の演出家役を本物の舞台の演出家が演じるリアルさ

さて、やはり、クレジットタイトルに、今週の演出担当が「吉田照幸」と書かれておりホッとした。

そして、いよいよ音楽学校のオペラ公演『椿姫』に向けての練習が始まった。最初のシーンは、その舞台の演出家・黒崎達治(千葉哲也)が登場するシーンだ。演出家が俳優に演出家の演技指導をするのは大変だと聞いたことがある。

しかし、ご存知の方もおられると思うが、この演出家・黒崎を演じる千葉哲也さんは「演劇企画集団THE・ガジラ」の俳優兼演出家でもあるお方。だから、ズボンのポケットに手を突っ込んで配役の説明をする際のポージングや仕草も実にリアル。本当のお芝居の顔見せを見ているような臨場感さえあった。この辺の配役の妙は褒めたいし、大歓迎だ。

先週の不可解な展開を、翌週の月曜日に環の台詞で補強した!

先週の最終選考会で音(二階堂ふみ)がヴィオレッタ役に大抜擢されたことに対しては、先週の感想で、ちょっと双浦環(柴咲コウ)の “忖度” や “贔屓” を感じる…と書いた。しかし、4分頃に、音が選ばれた2つの理由が明かされた。

環「1つ目は 夏目さんが 選考会で
  ベストを尽くせなかったこと。
  順当にいけば 技術の高さからしても
  恐らく 夏目さんが選ばれていた。
  2つ目の理由 夏目さんが ベストを出せなかったのは
  選考会での あなたの気迫に動揺したから」

この台詞の直後に、先週の選考会で動揺した千鶴子(小南満佑子)の回想シーンが挿入された。ちょっとレトロな茶色系のエフェクトを掛けて、更に「シャリ~ン」みたいな効果音を加えて、気迫と動揺を一瞬で一度に強調した。こう言うちょっとした演出が、ドラマを引き締めて行くのだ。そして、環の音への叱咤激励が続く…

環「あの時の あなたの歌には
  荒削りだけど 人の心を揺さぶる何かがあった。
  審査員たちは
  あなたの可能性に賭けてみようと考えたの」

ここ、脚本で上手く微調整したと思う。視聴者の皆さま、先週のは飽くまでも「環の忖度や贔屓」でなく、「審査員たちが、音の “可能性” に賭けた」と言う解釈をして下さい…ってことだ。先週の不可解な展開を次の週の月曜日で、(強引だと言う人もいるだろうが)環の台詞を通して説明不足を補強するのは、やれるならやるべきだと思う。

音の歌の練習シーンがあるだけで、驚きだ

そして、5分過ぎにも全く期待をしていなかった映像が! それは、環の叱咤激励を受けた音が、夜の家の中で歌の練習をしているシーンだ。正確には、歌の練習ではなく、発声法の訓練風景だが、先週はこれが無かったから物足りなかった。

だから、今週は月曜日にそれを入れようと言うことだろう。やはり、前述の通りに、かなり演出による補強と軌道修正が成されており、それが成功していると思う。

裕一と音の夫婦生活の描写の、手間の掛け方が上手過ぎる!

また、音が発声法の練習をしている時に、風呂上りの裕一が音に喋りかけて始まる夫婦の会話劇も見応えがあった。いつもの「居間」だけに舞台を限定せずに、隣の「台所」を併用して、更に、裕一を今と台所を行き来させることで、裕一と音の夫婦生活が垣間見れた。

更に、窪田正孝さんが台詞とは全く関係のない動作をやりながら、更に歩きながら、二階堂ふみさんと台詞の掛け合いをする “自然体の演技力” が本当に素晴らしかった。もちろん、窪田正孝さんと目線を合わせずに会話劇をした二階堂ふみさんの演技も見逃せなかった。

でも、やはり、裕一と音の夫婦生活が垣間見れたのが、このシーンの最大の見せどころだったと思う。先週には無かったから余計に、そう思ってしまった。

僅か28秒間しかなかったおでん屋のシーンの照明が超秀逸!

僅か、28秒間しかなかった、鉄男(中村蒼)とおでん屋店主・山根(花王おさむ)とのシーンは、台詞のやり取りも良かったのだが、注目したのが照明と小道具による演出だ。蒸し返すのは面倒から先週のことは引き合いに出さないが、夜の情景を照明で作る演出術も、やはり今週の方が遥かに上だ。

画面全体を大胆に左右に真っ二つに分けて、下手(画面左)に「貸家あり」の張り紙が貼られた家をドンと置いて、ガラス戸の奥から電球の柔らかな明かりを漏らして、地面の上にある植木に緑に少し当てて屋外らしさを演出。一方の上手(画面右)の半分は、一番右の上に、このシーンで一番明るい電球の街灯を持って来て奥行き感の創出。

照明
©NHK

その手前には、赤提灯があって場面の下手から上手に向かって、「前景 → 中景 → 遠景」と奥行き感をだしつつ、街灯の次に明るいのが、画面のど真ん中のおでん屋店主とそのすぐ後ろにある行灯の明かり。ここが素晴らしいのだ。

ここは鉄男の人となりを描くシーンだから、鉄男の上に照明器具があって、鉄男を一番目立たせると言う演出も選択できたはず。しかし、吉田照幸氏は鉄男を暗めにして、店主を明るくすることで、落ち込んでいる鉄男と、励まそうとしている店主の対比に成功した。

それも、ワンカットでじっくり引きの画から寄って行くカット割りで、男二人の人生相談みたいな温かな雰囲気をじんわりと滲み出させたのだ。ここも、二人は酒を酌み交わす演技をしながら会話をすると言うことを、さり気なくやってのけているのも見逃してはいけないと思う。

3人のおでん屋のシーンに登場した2人のエキストラに注目!

今日は、1週間ぶりに “筆が躍る” と言う感じだ。良いところを全部挙げていたら、書くのも読むのも大変だから、木枯(野田洋次郎)が登場してからは、本当に気付いて欲しい部分にだけ厳選して書いて行く。

裕一が木枯に鉄男を紹介して、3人が前述のおでん屋にやって来る。まず、この事前のネタ振りがあって~の、二度目のおでん屋が昼間と言う時間設定が良いじゃないか。周辺の貼り紙や建物が見えて、夜のシーンでは描けなかった立体感が創出された。

そして、粋な演出は、話が盛り上がる3人の背後を、最初は後姿の女性、次はコートを着て帽子を被った仕事中と思われる紳士の、2人のエキストラが通過したこと。あのエキストラ、無くても一向に構わない。

女性のエキストラ
©NHK

男性のエキストラ
©NHK

しかし、意図的に通過させることで、ドラマ臭さ(如何にも、単純に台詞を言い合っている俳優を撮影しているだけ…のような感じ)をきれいに払拭してくれた。

何度も書いて恐縮だが、台詞と関係ない芝居(ここでは「食事」)をしながらの演技が成立しているから、余計に(拙い表現だが)いい感じになったと思う。更に褒めれば、食事をしながら台詞を言うと言う難しい演技を野田洋次郎さんには要求せずに、このシーンは終わっている。こんな演出家の配慮も、見ていて優しい気持ちになって来るのだ。

3度目のおでん屋、粉雪が舞い落ちる演出で季節感が見えた!

木枯がおでん屋を後にしたあとに、再び夜のおでん屋。今度はカメラのアングルを、最初の時とも、3人が居た時とも違うアングルで店主と鉄男のやり取りを描いた。それも、今回は二人横並びで。そして、横並びの二人をカメラのアングルを切り替えて見せる。

見せる中で、鉄男の背後が先週の演出家とは全く違う青色系の夜を表す照明の中、手前に鍋の湯気、奥に粉雪のような雪が降り始める。※キャプチャー画像では「雪」は見えませんが、本編を良く見れば、きちんと映っています。

雪
©NHK

店主の後ろに立て掛けてある葦簀(よしず)に貼られた「おでん かん酒」の貼り紙が、冬の季節感を醸し出している。

貼り紙
©NHK

そう言えば、先週描かれたのが、いつの季節かなんて思いもしなかった。やはり、季節感の演出はしなければいけない…と思ったワンシーンだった。

久志の"ウインク4連発"に「銃声」の効果音のサービス精神

12分過ぎ、見ているだけで気持ちが良くなるような古山家の玄関先の朝のシーンから始まった、再び、裕一と音の夫婦生活の図。ここでも、ちゃんと歌の練習をしている音が描かれた。15分間に2回もあるなんて、先週に比べたらこれだけでも贅沢。

その上、久志(山﨑育三郎)の “ウインク4連発” に「銃声」の効果音まで付けて、視聴者サービスも盛り込んで、今度は本当に久志を相手に音の発声練習のシーン。演出家と環が覗き見るのも、無くても良いけど、あれば「あなたの可能性に賭けてみよう」が映像化されたことになる。

こう言う、ひと手間の演出をやるのが、「作風」や「本作らしさ」に対して本当に大事だと思う。

音の練習を裕一が支えているように見えたのが一番良かった

そして、最後には、作詞家の高梨一太郎(ノゾエ征爾)が登場し、ナレーションにもあったように、「裕一の作曲人生を変える出会い」で締め括られた。全体的な、裕一と音の各パートのバランスがとても良くなったと思う。特に夫婦生活の描写で良かったのは、音の練習を裕一が支えているように見えたこと。

つかず離れずの距離感。これ見よがしの大騒ぎやコントや、どアップの連続を封印して、細かい部分に細心の注意を払って、人間関係を描けば、脚本家が同じでも、演出でここまで軌道修正が出来ると言うことだ。あと4週間で中断してしまうのが分かっているだけに、月曜日の仕上がりを見て希望の光が見えたと思う。

あとがき

今日は、最初から最後まで、且つ、隅々まで楽しませて貰ったなぁ…の一言です。

先週末の「土曜日版」には、いつも通り予告編の動画があったのに、今朝の公式サイトには予告編の動画が無くなって、スチール写真のみになっていました。私は予告編を見てしまったので、今週は「音が○○する」ことを知っていますが、公式サイトの今週のあらすじには、そのことの写真も文章も一切ありません。何かNHKの事情があったのですかね。それとも、「土曜日版」を見て欲しい…と言う意図でもあるのでしょうか。

いずれにしても、先週の不安が拭い取られた、安心を取り戻した『エール』に、また “エール” を送ります。



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【これまでの感想】

第1週『初めてのエール』
1 2 3 4 5 
第2週『運命のかぐや姫』
6 7 8 9 10 
第3週『いばらの道』
11 12 13 14 15 
第4週『君はるか』
16 17 18 19 20 
第5週『愛の協奏曲』
21 22 23 24 25 
第6週『ふたりの決意』
26 27 28 29 30 
第7週『夢の新婚生活』
31 32 33 34 35 
第8週『紺碧(ぺき)の空』
36 37 38 39 40 
第9週『東京恋物語』
41 42 43 44 45 
第10週『響きあう夢』

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響きあう夢>『エール』第46話

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