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連続テレビ小説「エール」 (第45回・2020/5/29) 感想

連続テレビ小説「スカーレット」

NHK総合・連続テレビ小説『エール』公式サイト
第9週『東京恋物語』の 『第45回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


裕一から誘われて鉄男(中村蒼)が書いた詞に、裕一(窪田正孝)がメロディをつけた「福島行進曲」がレコードになり、ようやく裕一はプロの作曲家デビューを果たす。バンブーでレコード発売のお祝いパーティーを開くことになり、音(二階堂ふみ)はカフェーをおとずれて、希穂子(入山法子)に鉄男(中村蒼)をお祝いしに来て欲しいとお願いする。ところが、希穂子はある約束で、鉄男とは会うことができないと話す…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

アバンタイトルの音に「強欲上等!」の気迫が欲しかった…

原案:林宏司氏 作:清水友佳子氏 演出:橋爪紳一朗氏

アバンタイトル。もう、単純なこと。どうして、音(二階堂ふみ)が歌の練習をしている様子の映像が無いのかって。

今回のアバンだって、歌の練習のために早起きして遅刻しそうになった音(二階堂ふみ)を「遅刻するんじゃないの?」と裕一(窪田正孝)が言って、千鶴子(小南満祐子)が歌の練習をしているのを見ている同級生のもとへ遅刻しそうに走って来る音から始まったら良かったのでは?

そう言うのを描くことこそ、前回での千鶴子の「必死で練習する」や吟(松井玲奈)の「強欲上等!」が見えて来るのだと思う。喫茶バンブーで、のんびりお茶してイタリア語の辞書で歌詞を追っかけている姿は違うと思う。だって、強欲と、自他共に認めているのだから!

「強欲上等!」なら必死に練習する姿を見せて欲しかった…

主題歌明けも期待はずれ。音の歌の練習は描かれず。それも音の衣装に注目すると、アバンでの学校と喫茶バンブーは同じ衣裳だから同日と思える。しかし、カフェー「パピヨン」の衣装は直前と違う。と言うことは、少なくとも千鶴子の歌とイタリア語のことを聞いた翌日以降のいつか…と言うことになる。

2日間、歌の練習をしていない…とは言わないが、やはり「強欲上等!」なら必死に練習する姿を見せて欲しい。もうそれだけ。

「人は あべこべ」は、裕一との結婚で音が一番感じた事では?

カフェー「パピヨン」で、音が希穂子(入山法子)に言った台詞も何かおかしく感じてしまった。

音「人は… 人は… あべこべ」

音って、カフェーで働く理由を第43回(2020/5/27)で、「実は 私 恋愛の機微が勉強したくて入店したんです」と言っていたし、前回のナレーションでは「恋愛の機微を目の当たりにした」と言っていた。その勉強の成果が「人は あべこべ」だけ?

更に、希穂子にレコード発売のお祝いパーティーに来て欲しいと願い出るという言動って、恋愛の機微を勉強できていないってことでは? う~ん、ただのお節介。必死に練習しなくて夜いけない時期なのに。その上、「人は あべこべ」と言うのは、音が裕一と文通を重ねていろいろな壁を乗り越える中で、音が一番感じたことではないだろうか?

「恋愛の機微の勉強」の成果が「人は あべこべ」は安直過ぎる

だから、ここは「前の私は 何でも 言葉どおりに受け取ってました。でも 最近はようやく分かったんです」ではなく、「年下ですが、結婚している立場として偉そうに言わせて下さい」位の方が、問題解決能力に優れた音であり、思ったら即実行する音であり、言いたい時は無礼千万な音が、連ドラとしての連続性の描写として正しいと思う。

ただ、これをやってしまうと、音がカフェーで働いた2週間は不要…と言うことになるが、2週間もの「恋愛の機微の勉強」の成果が「人は あべこべ」は流石に安直過ぎると思う。

バンブーでレコードを聴くカットと、鉄男と喜穂子の会話は褒めたい

褒めるべきところは、ちゃんと褒めておく。喫茶バンブーでのお祝いパーティーに、希穂子が来てすぐに帰ろうとするが、久志(山﨑育三郎)が「福島行進曲」のレコードを聴こうと言い出した場面の引きの画の画角だ。

画面手前に大きく蓄音機のラッパ型ホーンがドーンと構えて、7人の登場人物が(ほぼ)重なることなく、1カットに収まっていたのは褒めたい。この引きの画があるから、直後の裕一や鉄男(中村蒼)らのバストアップ(胸から上が映る)の画から各登場人物の心情が見えて来る。

それと、このシーンでの鉄男と希穂子のやり取りも良かったと言える。文句はあるが、このやり取りまで含めて「実は 私 恋愛の機微が勉強したくて入店したんです」の勉強と捉えるなら、まあぎりぎりセーフだと思う。

レコードを聴いている時に、音のアップが欲しかった…

あとは、この学習の成果を音がどうやって歌にフィードバックするのか? ってだけ。でも、残念なのは、喫茶バンブー内で、鉄男と希穂子のやり取りを聞いて、何かを感じ取ったような音のバストアップが無かったこと。

それだけでガッカリなのに、直後のシーンは、寝不足のような音の顔。それも『椿姫』の最終審査の当日。結局、ほぼ歌を練習している音は無かった。これで良いと作り手は思っているのだろうか? それとも、歌うシーンは大変だから、出演者への配慮や忖度なのか…

2週間で"新曲"を覚えて歌った事で、練習した事にするか…

さて、いよいよ今週のクライマックスだ。因みに、先日の『椿姫』の第二次選考会で千鶴子が歌ったのが第一幕から『ああ,そは彼の人か(Ah,fors'e lui)』で、音は『花から花へ(Sempre libera)』。で、

今回の最終審査では、第三幕から『さようなら過ぎ去った日よ(Addio, del passato)』を歌った。と言うことで、何とか、2週間で新曲をマスターしたと言うことになる。歌の練習シーンはなかったものの、歌う楽曲が違うと言う点では、これまたぎりぎりセーフとしておきたい。

音が歌った『さようなら過ぎ去った日よ』についてプチ調査

また、この『さようなら過ぎ去った日よ』を聴いたことは何度もあるが歌詞の詳細まで知らなかったから、ネットで調べてみると、余命幾ばくもないヴィオレッタが絶望感に苛まれて過去を振り返って失望すると言うアリア。

以前に、少しだけ『椿姫』のあらすじを紹介した通り、物語自体は決して新鮮でも無ければ、在り来たりの悲恋物語だ。しかし、ジュゼッペ・ヴェルディの旋律による音楽がつくと、メリハリと陰影が明瞭になって、正に「恋愛の機微」をドラマチックに描くオペラに変貌する。

これが、G.ヴェルディと『椿姫』が、1853年の初演以降、167年間も愛される理由だ。

『エール』製の和製『さようなら過ぎ去った日よ』が良かった!

さて、『エール』の方は、声楽の本職には敵わないものの、そして、音の歌は、イタリア人のヴィオレッタの、外に向けた、悲しみと怒りを込めた表現とは違っていた。

しかし、二階堂ふみさんが演じた古山音が歌った『さようなら過ぎ去った日よ』は、歌の映像にインサートされた鉄男と希穂子の回想シーンの内容に合わせて、日本人的な内向きで相手を責めず身を引く美徳を感動的に表現したと思う。正に、和製で、且つ、朝ドラ『エール」製の『さようなら過ぎ去った日よ』になっていた。

二階堂ふみさん、相当歌の練習をしたと思うし、今回はカットせずに1曲を本編で使った演出も褒めたいと思う。また、ライバルの千鶴子が、歌い終えた音に対して、肩を少し震わせたカットが入ったのも褒めたいところだ。

あとがき

今週は何だかんだと書きましたが、音の『さようなら過ぎ去った日よ』を歌うシーンと、鉄男と希穂子の回想シーンのカットバックで描かれた、日本人的な内向きで相手を責めず身を引く美徳を、「恋愛の機微」として描きたかったのが、金曜日の終盤で分かりました。

だったら、ああすれば良かったのに…と言うのは山ほどあります。でも、今週の脚本家と演出家では限界だったのでしょう。終わり良ければ総て良し…と言うことにして、来週以降に期待します。

また、今週分に頂いた公開・非公開いずれのコメントを読ませて頂いて感じたのは、上からものを言うようで申し訳ございませんが、『エール』を応援しつつ、窪田正孝さんや二階堂ふみさんら出演者にも温かい視点でドラマを見ながらも、多くの読者さんが「連ドラの連続性」について冷静に見ておられ、考えていらっしゃることです。

「お目当ての俳優さんが見られれば、それだけで満足」や「どんな内容でも朝ドラは大好き」と言うドラマの楽しみ方とは違う楽しみ方を実践されている読者さんがいて下さるのは嬉しいです。

でも、やはり最後に1つだけ気になったことを。今週は古山家の門の前のシーンの照明と映像処理が、ほぼ全部おかしかったです。夜は青々とした照明で夜には見えませんでしたし、

今回の14分は恐らく夕方のつもりでしょうが、顔の立体感がなくてペタッとした感じ。ホワイトバランスも演出意図とは違うように思いました。もちろん今作から朝ドラ初の4K撮影で、撮影と編集が大変だと言うことだと思います。

4Kの編集って、数回ですが編集室でディレクターをしたことがありますが、フルハイビジョンのように簡単に進まないのです。色調整が特に難しくて。でも期待をしているので、頑張って欲しいです。



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【これまでの感想】

第1週『初めてのエール』
1 2 3 4 5 
第2週『運命のかぐや姫』
6 7 8 9 10 
第3週『いばらの道』
11 12 13 14 15 
第4週『君はるか』
16 17 18 19 20 
第5週『愛の協奏曲』
21 22 23 24 25 
第6週『ふたりの決意』
26 27 28 29 30 
第7週『夢の新婚生活』
31 32 33 34 35 
第8週『紺碧(ぺき)の空』
36 37 38 39 40 
第9週『東京恋物語』
41 42 43 44

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★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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