連続テレビ小説「エール」 (第39回・2020/5/21) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『エール』(公式サイト)
第8週『紺碧(ぺき)の空』の
『第39回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
裕一(窪田正孝)の曲がなかなか採用されず自信をなくす中、音(二階堂ふみ)は書き置きを残して豊橋に帰る。裕一が東京で動揺している一方、音は豊橋で、光子(薬師丸ひろ子)や吟(松井玲奈)、梅(森七菜)、そしてはじめて会う吟の婚約者・鏑木智彦(奥野瑛太)に裕一のことを相談する。以前は、音のために曲をつくっていた裕一だったが、「誰かのために作っていないからうまくいかないのでは?」と言われた音は…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
冒頭から気分良く感想を書く続けられるアバンタイトル!
原案:林宏司氏 作:吉田照幸氏 演出:野口雄大氏
今日も、アバンタイトルは文句なし。もう木曜日だし、サクサクと話を進めないといけない訳で、その意味で、夫婦の心に大きな壁が出来てしまって、音(二階堂ふみ)は書き置きを残して豊橋に帰ってしまったことだけ伝えれば、あとは主題歌明けで良いと言う寸法だ。
本当に、今週のアバンは私の好きなタイプなっており、冒頭から気分良く感想を書き続けられる…
主題歌明けの1stカットの処理が丁寧だから瞬間移動に見えない
ねっ、今週はちゃんと演出がされている。主題歌明けの1stカットも、丁寧に定番通りに、夜の「関内馬具店」の看板を入れ込んで、夜だと分かる映像から始まった。こう言うのを手抜きしちゃダメなの。更に、吟(松井玲奈)の「それに…」を音先行させた上で、ナレーションを被せるから、アバンからの流れがとっても自然。
この関内家の全景カットと、吟の台詞の音先行があるから、主題歌があっても邪魔にならない。いや、むしろ、こうした演出があるから、映像には描かれていない、朝ドラのお約束である「ヒロインの瞬間移動」が見えて来るのだ。
瞬間移動だろうが音も応援したくなる仕掛けだと思いたい…
で、音(二階堂ふみ)の登場の仕方だが、ここにも工夫が施されている。先週の脚本家と演出家なら、恐らく100%、主題歌明けの1stカットの関内家の全景カットで、音が帰って来ちゃったと思う。でも、今週は違う。吟の台詞を音先行させて、ナレの終わりのタイミングで、今度は音の扉を開ける音と「ただいま~」を音先行。
そう、音先行を二回続けることで流れが作る。この “流れ” が「ヒロインの瞬間移動」の違和感を払拭する作戦なのだ。もちろん、「ここで音がわざわざ東京から豊橋に帰る必要ってある?」とか「音が実家に電話をして、母親と東京に憧れている梅が来てもいいじゃん?」と言う意見もあろう。
しかし、時代を考えても、ホームドラマとしても、ここは瞬間移動だろうが、私は実家に帰って家族に相談する音の、ちょっと気弱になっている部分が垣間見れて、音も応援したくなる仕掛けだと思いたい…
吟の婚約者の軍人・鏑木の台詞も良かった
しかし、何故、第29回(2020/5/7)に登場して以降は出番の無かった吟の婚約者・鏑木智彦(奥野瑛太)が、「深刻な家族会議」になるはずのシーンの冒頭からいるのかが、見えて来なかった。しかし、この鏑木の台詞↓で答えが見えた。
鏑木「軍人が命を懸けて戦えるのは 誰かのためだからです。
祖国 両親 友人 戦友のために戦うのです」
これだよね。ずっと感想に書いている通り、読者の皆さんもお気付きの通り、裕一(窪田正孝)は誰かのために作曲をしてこそ本領を発揮する人。これを、音や光子(薬師丸ひろ子)に気付かせるためのフリが鏑木の存在。
いいなぁ、これまでの展開だと、音を経由しないで、安易であざとい脚本の選択肢で、裕一が大事なことを相談する藤堂先生(森山直太朗)や、アイデアをくれる鉄男(中村蒼)にすぐ相談しちゃう展開になるのに、一旦、関内家、それも今は赤の他人の鏑木を使ってネタ振りをすることで、ドラマに深みや時代感も出て来るから。
「…で?」の編集の面白さ!
一旦、関口家を噛ましてから、東京では裕一に呼び出された久志(山﨑育三郎)が登場。日本作曲界の重鎮・小山田耕三(志村けん)と裕一の、前回の首位綱アバンでの最大の見せ場だった「…で?」の編集の面白さなんて、脚本担当で本作のメイン・ディレクターである吉田照幸氏の作風をちゃんと継承していて面白かった。
こんなのが、ちょこんと入るだけで、ちょっと視聴者の肩の力が抜けて見ることが出来る。その上、小山田には相手にもされず床に放り投げられた交響曲「反逆の詩」の楽譜に目を通した久志が、「そこまで悪くないと思うぞ」と言ったことで、小山田と裕一には描かれていない関係がまだ隠されているのも見えて来た。
こう言う「先が見たくなる仕掛け」が随所にあると、連ドラとしても益々面白味が増すと思う。
母から娘への "愛のエール" は届いた…と解釈したい
夜、馬具製作の作業場での、音と光子のやり取りもホッコリした。母親の娘が次々と嫁いでいく寂しさを慮って、小さな子どもが抱きつくように寄り添って「なるべく帰ってくるようにするから」と甘える。それに対して、光子は、娘の足をポンポンとあやすように叩いて、こう返す…
光子「じゃあ… 帰ってくるなら 孫 連れて帰ってね」
この台詞、とても光子らしいなって思う。だって、暗に「1年位は辛抱しなさい」って言っているようなものだから。そう、光子って “ 新しい時代に於いては女性も自立すべきであるとの考え” の持ち主だから、「簡単に弱音を吐くんじゃないわよ」と言う娘への “愛のエール” が込められているのだ。
そこを、二人の笑顔でシーンを締め括ったから母から娘への “愛のエール” は届いたって解釈して良いと思う。いいね、短いシーンだけど。
田中団長と音が言い合うシーンが何時なのか分かり難い!?
良く出来ている今週なのだが、なぜだか15分に1回は、ちょっと不可解な部分がある。前回では、夫婦喧嘩のシーンでの1台だけ手持ちカメラの “揺れ” が内容と演技と全くシンクロしていなかったことだ。そして、今回は、7分過ぎに、音が早稲田大学応援部の団長・田中(三浦貴大)と言い合っているシーン。
あれって、いつの出来事だろうか? 東京 → 豊橋 → 東京ってこと? それとも豊橋に帰る前の出来事、所謂回想シーン? 回想なら誰がいつ回想しているの? そこが全く分からなかった。
恐らく、このシーンも手持ちカメラの “揺れ” が内容と演技と全くシンクロしていなかったから、呑気な裕一と必死な音の対比をさせたいにしても、挿入歌所に違和感があり過ぎるし、カメラもダメ。こんなことを繰り返している時期ではないのだ。撮影休止中に練習だ。頑張れ、カメラマン!
「喫茶バンブー」を利用したら違和感を払拭出来たのでは?
で、結局、団長の回想だったことが、団長が古山家を訪問したことで分かった。だったら、「喫茶バンブー」で悩んでいる団長を1カット入れて、さっきの口論を入れて、バンブー夫妻に頑張れとエールを送られて、店を出る団長のカットが欲しかった…
団長が裕一に思いを吐露するシーンには見応えがあった!
このあとの、団長が思いを吐露するシーンには見応えがあった。怪我を負わせた友への贖罪。それが、団長が早慶戦で絶対に勝たねばならない原動力。その原動力のエネルギーを、「頑張ることは… つながるんや」と信じて…
田中「野球の技量はなか。
選手が活躍するために…
応援することしかないんじゃないかって思って」
野球ボールを握り締める田中の手のアップ。応援を懸命にしている田中の回想。もう、ラジオ繋がりだけで、ラジオが元気をくれた…と言うエピソードだけでも、かなり裕一と田中の心は一体化しているのに、ドラマは更に畳み重ねる。
裕一「何で 僕なんですか?」
田中「あっ…。俺は… 器用なやつは好かん。
先生は… 不器用やけん」
裕一「何だ… 賞取ったからじゃなかったのか」
清水のボールが田中から裕一に投げられた瞬間だ。これこそ “エールのキャッチボール” ではないか! 正に「紺碧の空」の誕生秘話って感じが実に感動的だった。
あとがき
まだ、予約中のサントラ盤が届いていないから確かなことは言えないが、最後の裕一と田中のシーンのバックで流れていた劇伴は、本作の第3回の運動会・徒競走のシーンで、藤堂先生の指揮によるハーモニカ演奏で裕一を励ました曲「♪自分へのエール」のピアノ・バーションだと思います。なかなか、洒落た選曲ですね。
でも、やっぱり、最後の音が何気に東京に帰って来ていたのには違和感を覚えました。編集が雑なところがありますね。それと、この裕一と音の“エールのキャッチボール” があるなら、音が帰省して吟の婚約者の軍人さんのエピソードも、光子に励まされるエピソードも必要なかったような。
まだまだ、「原案」とのギャップの軌道修正中と言うことにしておきます。
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