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逃げるは恥だが役に立つムズキュン!特別編 [再放送] (第1話・2020/5/19) 感想

逃げるは恥だが役に立つムズキュン!特別編

TBSテレビ・「逃げるは恥だが役に立つムズキュン!特別編」 [再放送]公式
第1話『プロの独身男と秘密の契約結婚』の感想。



主人公・森山みくり(新垣結衣)は 彼氏なし 院卒だけど内定ゼロで派遣切り そしてただ今求職中。「誰からも必要とされない辛さ」 を日々感じている。そんなみくりを見かねた父親のはからいで 独身の会社員・津崎平匡 (星野源) の家事代行として働き始めることに。みくりはひょんな会話の流れから津崎に 「就職という意味で結婚するのはどうですか?」 と提案してしまう。果たして秘密の契約結婚は成立するのか…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:海野つなみ「逃げるは恥だが役に立つ」(講談社「kiss])
脚本:野木亜紀子(過去作/重版出来!、アンナチュラル、コタキ兄弟と四苦八苦)
演出:金子文紀(過去作/G線上のあなたと私、恋つづ) 第1,2,6,7,9,最終話
   土井裕泰(過去作/重版出来!、カルテット、凪のお暇) 第3,4話
   石井康晴(過去作/花より男子シリーズ、花のち晴れ、テレウスの船) 第5,8,10話
音楽:末廣健一郎、MAYUKO
オープニングテーマ:チャラン・ポ・ランタン「進め、たまに逃げても」
主題歌:星野源「恋」

まえがき

今さら改めて感想を書くか悩んでいましたが、読者さんから「書いて欲しい」とのコメントを頂き、書くような内容があれば…と思い、この度の『ムズキュン!特別編』を見てみました。そして、新たな発見があったので、いつもの感想とは違うかも知れませんが、感想を書いてみました。

独創性とインパクトがある "ツカミ" は完全に大成功!

やはり、何度見ても冒頭の5分間が秀逸だなぁと思う。『情熱大陸』を模したオープニングのキャッチーさもさることながら、みくり(新垣結衣)の人物設定だけでなく、周囲の人間関係や平匡 (星野源)の人物設定まで、アッと言う間に視聴者に伝えてちゃう。

秀逸なのは、コンパクトにまとめているのに、全く忙しないと言う感じがしないこと。それと『情熱大陸』を引用するアイデアの面白さと斬新さ。もう、『逃げ恥』後のドラマでは二番煎じになってしまう。その位の独創性とインパクトがある “ツカミ” は完全に大成功だと思う。

初めて気づいた! 平匡がノートパソコンを閉じずに出勤した理由…

何度も見ているのに気にならなかったのに、今回気になったのが。みくりの初出勤の場面の6分過ぎで、平匡が出勤する際に机の上のノートパソコンを開いたまま出掛けたところ。平匡のような几帳面な男なら画面に傷がつくのを嫌って、未使用時は閉じておくような気がするのだが。

でも、これって、平匡の “みくりへの引っ掛け問題” で、ノートパソコンをどのように掃除、片付けするのかチェックするためなのか? その答えは18分過ぎにあった。既に、みくりの契約が決まって、みくりの両親が千葉県館山に引っ越すと決まった後に、平匡が出勤する時のノートパソコンがきちんと閉じていたから。資料の位置は同じなのに…だ。

15分拡大版で削除された部分があったからこそ見えたもの

本放送時の第1話は「15分拡大版」だったから、流石にかなりのカットが削除されており、20分過ぎになっても、「ラブコメらしさ」はあまり感じなかった。

しかし、その編集が、本作って、これまでの印象よりも、かなり「女性の生き方」や「女性の選択肢」について重きを置いて描かれていることを感じさせた。特に、中盤までのみくりと平匡の描写において、かなり、わかりやすい日本の古典的な「男と女の役割の違い」を強調して描かれているのは興味深い。

やはり、本作は単なる「ムズキュン!」のラブコメドラマでは無かった!

みくりは、高学歴なのに仕事がなく、平匡に対して誠意をもって仕事をすることで認めて貰おうと努力はするが、その生き方にも疑問を抱く。一方の平匡は、家事は女性の役割と固定化された考えを持ち、仕事に励むのが男のやることと固定化している。

この、「男は外で仕事、女は家で家事(育児もか…)」と言う日本の古い既存価値で構成された社会を、女性側の考え方や苦悩は “みくり” を中心とした女性社会で描き、男性側の考え方(のちに、男性の恋のカタチも描かれるが)や生き様は、男性ばかりの職場社会で描く。2つの性の社会を同時並行に描くことで、現代社会の歪みやゆがみを描こうと見える。

それを、第1話の半分を使って描いているのに気付いた。やはり、本作は単なる「ムズキュン!」のラブコメドラマでは無かったのだと改めて感じた。

前半の、人設定紹介→雇われるまでの展開の流れの自然さ!

また、私は「Blu-ray BOX」も持っているし、年末の一気放送も見る程、何度も本作を見ているが、やはり第1話の構成が見事だと言う感想に変わりはない。特に、この度の「特別編」を新たな「第1話」として見ると、いろんな発見は、まだまだある。

例えば、前半は、「派遣切り」と言う “非日常” が発生したために行動力と問題解決能力に優れている主人公のみくりが、恋愛経験のない独身サラリーマンの平匡に「家事代行サービス」として雇われると言う展開の流れの自然さ。

みくりのこの↓モノローグに本作の本質が内包されている!

更に、後半は、「平匡の風邪」と言う “非日常” をきっかけに、みくりが「仕事」として<契約結婚>と言う選択肢を選ぶかどうかに至る過程の、みくりのこのモノローグに本作の本質が内包されているように思う。

みくり(M)「誰かに 誰かに選んでほしい
      ここにいて いいんだって 認めてほしい
      それは 贅沢なんだろうか?
      みんな 誰かに必要とされたくて
      でも うまくいかなくて
      色んな気持ちを ちょっとずつ諦めて
      泣きたい気持ちを 笑い飛ばして
      そうやって 生きているのかもしれない」

本作の登場人物には「他者承認欲求」の強い人が多いと思う

このモノローグの映像は、最初はみくりで始まるが、その後は、一人で広いオフィスで残業する百合(石田ゆり子)、カウンターバーで待ちぼうけを食らっている沼田(古田新太)、結婚には否定的な風見(大谷亮平)が女と遊ぶ姿、帰路の途中のみくり、バルコニーの平匡は小鳥用のエサを準備する、そして三度目のみくりから~の大東京の全景にカットは変化していく。

この、みくりのモノローグにもあるように、本作で描かれるほぼ全ての主要な登場人物は他人から認めて貰いたいと言う「他者承認欲求」の強い人が多い。それは、ある意味で、とても心が疲弊していたり、悩みを抱えていたりする人…とも言える。何かで読んだのだが、「他者承認欲求」に捕らわれている人は「自己承認欲求」が低いと言う。

なぜなら、 あるがままの自分を認めて貰える「他者承認欲求」が満たされた時に生じるのが、自分で自分を認めたいと言う「自己承認欲求」だから。そして、「自己承認欲求」と「他者承認欲求」が満たされたその先に、自分自身が自分の存在意義を見出せる「自己肯定感」が得られる。確かに、本作って最終回まで見ると、そんなことを描いているような気がした。

みくりのモノローグのシーンが、最終回のラストシーンのようにも見える…

この、みくりのモノローグと映像って、最終回のラストシーンのように見えた。最終回まで見た私が言うからおかしな感じになるだろうが。例えば、いろいろな事情があって「他者承認欲求」を満たされなかった主人公のドラマのラストシーンって感じ…と言えば、お分かり頂けるだろうか?

映画なんか、こう言う観客に答えを投げかけたまま終わる作品が多いと思う。本作も、このラストシーンのようなモノローグ、そして、翌朝、平匡のマンションを訪れ、別れを告げるシーンの脚本と、劇伴を伴った演出で、まるでラストシーンのような切なさと寂しさを巧みに創出している。

ラストシーン擬きの後に、本当の第1話のラストシーンが用意されている!

ここが、本作が他の社会派ラブコメとは一線を画し、今も新鮮さが衰えない理由だと思う。

第1話の終盤間際に、「ラストシーン擬き」を創ることによって、本当のラストシーン(とは正確な表現でないが。正しくは「終盤の展開」と言うべきか?)で、平匡からの提案で、二人が対外的に本当に結婚しているように装って、「仕事」として契約結婚(事実婚)の道を選んで、一つ屋根の下で暮らすうちに、「雇用主=夫」と「従業員=妻」と言う二人の間に恋愛感情のない “見た目だけの夫婦” が次第に互いを意識し始めて…

と言う社会派ラブコメの第1話に相応しい「本当のラストシーン」が用意されているのだ。本当に緻密な計算によって、脚本・演出・俳優の三位一体が成功した作品だと思う。

あとがき

今さら『逃げ恥』の再放送を見ても、新たな感想など浮かばないと思っていました。

しかし、本文にも書きましたが、本作の登場人物たちは「他者承認欲求」に(少々強めの表現を使います)飢えている人たちでもあります。

今のご時世で、物理的な人と人との距離も、心理的な人と人との距離も遠くなり、私のように仕事を減ったり失ったり、働いてもお客さんが来なかったり、休みたくても休めないエッセンシャル・ワーカーの人たちも、「他者承認欲求」が満たされることで、何とか踏ん張れる…そんな気持ちがします。偉そうに言って、申し訳ございません。

でも、国家や政治の強制力のない “自粛” が求められる今だからこそ、「自分のため」でなく「誰かのため」に何かをすることで満たされるものが、次へのエネルギーに変換される…みたいなこともあると思います。そんなことを考えると、今だから『逃げ恥』の中の登場人物の誰かに自己投影して、共感するのも良いなと思いました。

ただ、第2話以降も感想を書くかは未定です。書きたくなったら書きます。何せ、本放送時の感想で、いつものような演出解説はやり尽しておりますので、そちらを読みたい方は、下記のリンクを参考にして下さい。感想以外の『逃げ恥』関連の全ての情報のリンクが掲載されております。演出のちょっとした勉強にもなると思います。

年末一挙放送の『逃げるは恥だが役に立つ』を更に楽しめるリンク集【ブックマークお勧め!】



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