連続テレビ小説「エール」 (第37回・2020/5/19) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『エール』(公式サイト)
第8週『紺碧(ぺき)の空』の
『第37回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
早稲田大学応援部の団員たちに、慶応の「若き血」に勝つ曲をとお願いされた応援歌「紺碧の空」の作曲依頼。曲を書いてみようとレコード会社のサロンで構想を練る裕一に、木枯(野田洋次郎)は歌手の山藤太郎(柿澤勇人)を紹介する。山藤は、慶応の応援団に「若き血」の歌唱指導をした張本人だった!なんとかありきたりではない曲を書こうと努力する裕一(窪田正孝)だったが、なかなか書けず…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
前回のラストシーンが意味深だったから今回のアバンには期待感が…
原案:林宏司氏 作:吉田照幸氏 演出:野口雄大氏
前回のラストシーンは、レコード会社のレコーディングスタジオのレコーディング・エンジニア(まあ、当時なら「録音技師」と言うのが正しいと思う)の小田和夫(桜木健一)が流行歌が書けない裕一(窪田正孝)に、こう言った場面で終わった。
小田「君みたいな人 いっぱい見てきたよ。
己に こだわって 才能を生かせない人」
だから、今回のアバンタイトルは、気弱な裕一にとっては、かなりの強烈パンチを食らってスタジオを出た後の裕一をどう描くのか楽しみだった。何せ、今週は先週とは雲泥の差(まだ火曜日だが、言って良いと思う)の脚本と演出だから、期待したのだ。
冒頭の1カットで "前回の15分" を描いちゃった!
すると、どうだろう。「早稲田大學 第六應援歌」と白紙の五線紙にタイトルを書く裕一の手元のアップから始まった。まず、この1カット目がいい。裕一が「歌」の文字を「太字」に書いている演技がつけてあった。更に、背後には、時を告げる鐘の音が鳴った。
もう、これだけで、「僅か10文字」を書くのにどの位の時間をかけて描いたのか、凡その予測がつく。だから、この鉛筆書きの指先のアップ、1かッとだけで、前回で早稲田大学応援部の団員たちに、慶応の「若き血」に勝つ曲を作って欲しいと懇願された応援歌「紺碧の空」の作曲依頼の構想を練り始めたものの、思うようには進んでいないことが分かる。
そう、この冒頭の1カットで前回の15分を描いちゃったってわけだ。
木枯の「お待たせ」に、木枯の風格が見えた!
そしてカットが切り替わって、木枯(野田洋次郎)が歌手の山藤太郎(柿澤勇人)を紹介するカットに切り替わる時に、木枯がこう言うのがいい。
木枯「お待たせ」
木枯は、もともとそんなに礼儀正しい男でなかったし、人懐っこさはあったが、 感情の赴くに任せて思うとおりに行動する直情径行な男。しかし、連続ヒット作を生み出したことで、礼儀を身につけて来た…と言う感じが、「お待たせ」に表れていた。既にヒット作曲家の風格の片鱗が見え隠れするような演技指導と演技が細かいと思う。
山藤の回想シーンからズッコケ風のナレの映像処理が見事!
歌手の山藤が、学生時代に応援団員たちに歌唱指導するシーンの、映像のフィルターの色の選択もセンスがいい。彩度を抑え、青味を加えて、ちょっとレトロなフィルム風の落ち着いた色合いのフィルターだからこそ、学生たちの情熱が、生々しくではなく、ドラマチックに伝わって来る。
そして、シーンがサロンに戻ると、元のオレンジがかった照明の中の山藤。台詞自体は何気ない中が、フィルターの掛かった回想シーンとのギャップで、山藤の裕一への期待感とプレッシャーに生々しさが出て来る。生々しい言葉だから、裕一は山藤から目を逸らす。
で、「う~ん… 勝ち負け以前の問題です」のナレーションとズッコケ風の効果音で、生々しさをサラリと拭い去った。今回のアバンもお見事だ。
「喫茶バンブー」が面白い働きをするとドラマに広がりが生まれる
これまで「喫茶バンブー」は、どれだけこのドラマに必要なのかと思うことが度々あった。しかし、今回のオーナーの梶取保(野間口徹)と裕一のやり取りを見て、何となく必要性が見えて来た。
コーヒーと作曲を同等の作業に見立てて、年上のオーナーの言葉で裕一に客観性や怒りや興奮が生まれると言う、謂わば、良き相談相手の藤堂先生(森山直太朗)とも、良きアイデア箱的な鉄男(中村蒼)とも、良き助け船の久志(山﨑育三郎)とも、違うタイプの裕一の応援団、パワー注入源と言うことのようだ。
この「喫茶バンブー」が面白い働きをすると、ドラマに広がりが生まれると思う。
窪田正孝さんのメリハリある丁寧な演技が奮起する裕一を魅せた
夕食時の裕一と音のやり取りには、実に臨場感があった。最後に裕一が「これだ… これが僕だ」と奮起するまでの心情の変化を、窪田正孝さんのメリハリある丁寧な演技が魅せた。
そして、気持ち新たに向き合うのは「早稲田大學 第六應援歌」の五線譜でなく、まっさらの五線譜と言うのがいいじゃないか。まずは、廿日市(古田新太)に目にもの見せてやる! って感じが。
プリンスのウインクの絶妙なタイミングこそが本作らしさ!
そして、直後のシーンでは自分の言いたいこと、伝えたいことが裕一に伝わらない虚しさを、久志に相談する音。かなりシリアスで、作曲だけでなく才能と言うものの解釈について大真面目に描いているシーンの真っ最中に、プリンスのウインク。ここで、入れるかぁ! そう。これで良いのだ。
これこそが、今週の脚本担当であり、これまでの本作らしさをけん引して来た吉田照幸氏が構築して来た作風なのだ。そして、これがドラマに大切なメリハリ。これが、他の演出家にも継承されて行けば、かなりこの先の期待感は必然的に高まる…
終盤の応援団部室から小山田登場の緩急の付け方も秀逸!
終盤。早稲田大学応援部の団長・田中を演じる三浦貴大さんの演技も楽しいが、そこに部室が汗臭いのか鼻を押さえてやって来た大学の事務局長役が名バイプレーヤーの徳井優さんだから、本当に面白い。
やや、コミカルな要素が強過ぎる気もしないでもないが、直後のシーンに登場した日本作曲界の重鎮・小山田耕三(志村けん)がダースベイダーのように映る。本当に前後のシーンが計算されて良く出来ていると思う。
あとがき
裕一が、どう言う気持ちで作曲と向き合っているのが見えて来ました。音の不甲斐なさも良い感じです。裕一の応援団も、ご都合主義的に加勢せずに着々と物語が紡がれている感じが良かったです。それと、益々『エール』と言うタイトルとテーマが、今のご時世にピッタリに感じます。応援したいし、応援されて頑張れる…と言うことが。
それと、昨日は、多くの皆さんにご心配をおかけしました。また、たくさんの励ましの言葉を頂き、感謝しかありません。今朝の感想を読んで頂ければ、私の体調が本調子に戻って来たのがお分かり頂けると思います。これからも、健康に気をつけながら、ブログを続けようと思います。
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