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「野ブタ。をプロデュース」特別編 (第5話・2020/5/9) 感想

「野ブタ。をプロデュース」特別編

日本テレビ・『野ブタ。をプロデュース』特別編特別編公式
PRODUCE 5『悪夢のデート』の感想。
なお、原作の「野ブタ。をプロデュース」白岩 玄(河出書房新社)は未読で、ドラマも未見。
 私は本作を初見なので、ネタバレ等のコメントは無視させて頂きます。



信子に足りないのは恋愛経験だと考えた修二(亀梨和也)が、ガールフレンドの上原まり子(戸田恵梨香)も巻き込んでWデート作戦を決行!再びオシャレに大変身した信子が修二やクラスメイトとデートに!しかし徐々に信子に対する恋心に気づきはじめていた彰(山下智久)はその状況がちっとも面白くなく、尾行をする。修二、彰、信子それぞれの想いが交錯し始める恋愛模様にも注目!
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

"シッタカ"は、「大衆演劇のチビ玉三兄弟」だったのか…

今回、まず驚いたのは、信子(堀北真希)の恋心を抱いている “シッタカ” こと植木 誠役を演じていたのが、若葉竜也さんの若かりし頃だったと言うこと。オジサン世代にとっては、「大衆演劇のチビ玉三兄弟」の三男のイメージが強かったから、成長に驚いた…と言うわけだ。

修二と異なる個性派キャラ彰に光を当てる物語に期待が高まる!

さて、前回で “自分の意思表示で世間の見方は変わるし、味方も増える” ことを、信子はもちろんのこと、修二(亀梨和也)と彰(山下智久)も学び、修二と彰の信子へのプロデュースが大きく前進した。そして、今回は全10話の本作の正に “折り返し地点” である重要な放送回。

それを一気に、これまで「ただの脇役だった植木の信子への恋心はどうなるの?」と言うエピソードに、「心の中に自然と湧いて来た信子への恋に気付き始めた彰はどうなるの?」と言う、謂わば、主人公の修二ではなく、彰にややスポットライトを当てた格好で始まった第5話。

やはり、彰は見た目と内面のギャップが、修二とも違う超個性的なキャラだから、その彰に光を当てるストーリーには期待が高まるのは当然だ。

デートのシミュレーションは、本策らしい楽しい幕開け

13分頃の、いつもの校舎の屋上で、シッタカのデートのシミュレーションをするシーン。身体をクネクネさせながら女性っぽい言葉で信子役を演じる修二と、急にシミュレーションに積極的になる彰、それをボーっと見ている信子なんて、正に本作の幕開けに相応しい楽しさ。

その上、この様子を担任の横山(岡田義徳)に目撃されて~のドタバタコントも、これまた本作らしい楽しさだ。

全10話の折り返しの第5話から、まり子を使う作戦もお見事!

更に今回は、これまで登場はしていたものの、主軸の物語にガッツリと絡んで来なかった修二のガールフレンドの上原まり子(戸田恵梨香)が序盤から、信子のデートを成功させようと頑張る修二のお手伝い役を自ら買って出ると言う新たな展開へ。

ここまで戸田恵梨香さんを温存しておいて、第5話から一気に物語の最前線に合流させるなんて、連ドラを見続けていてこその醍醐味だ。うん、全10話の構成もしっかりしていると言うことだ。

デート当日の朝、複雑な心境の彰を演じた山下智久サンの演技力!

しっかし、デートの当日の朝のシーンでの、複雑な心境の彰を演じた山下智久さんの演技力はスゴイと思う。この頃の山下さんは二十歳くらいで、まだ「NEWS」の一員で若くして大忙しの時代のはず。なのに、私が好きな「俳優・山下智久」になる片鱗がちゃんと見えた。

本作の翌年に放送された『クロサギ』から「俳優・山下智久」に注目し始めた私としては、もう15年近く前に『コード・ブルー』の藍沢耕作、『アルジャーノンに花束を』の白鳥咲人、『インハンド』の紐倉哲の資質が感じられる。 恐るべし「俳優・山下智久」だ。

まり子の「おとうさん」と言うキーワードの持つ意味の深さ

私が第5話の前半で、さりげなく「いいなぁ」と思ったシーンが、そのシーンの前段で尾行している彰を修二が見つけて「何で来た?」と問い質すやり取りのあと、修二とまり子が銀座で買い物をするから…を理由に、信子とシッタカを二人っきりにする時の、修二とまり子の会話。

まり子「修二って 小谷さんの おとうさんみたいだね」
 修二「え? おとうさん?」
まり子「そう」
 修二「ショックだわ」
まり子「おとうさんみたいだった」
 修二「おとうさんみたいじゃねえよ」
まり子「ハハハ…」

この様子を遠くから見ている彰もいる。「プロデュース」を「お父さんの優しさや心配する気持ち」に置き換えたまり子の台詞も良いし、 継父との不仲が原因でいじめを受け暗い性格になっちゃった信子にとって、修二は「おとうさん」に見えていただろうし…

彰にとっては同級生の修二が自分より “上” の「おとうさん」に見えたことと、「おとうさん」が信子に取られちゃった2つの嫉妬が、ちょっぴり切なく描かれたのが「いいなぁ」と思ったから。

やはり、彰の抱えるものは、表面的に描かれていることよりも、ずっと深いのだ。そこを垣間見せたのも、今後の楽しみ方の提示として上手い作戦だとも思う。

やはり『野ブタ。』と映画『キャリー』は繋がっていたか!

おお! シッタカと信子が水族館デートをするシーンで、シッタカが、こんな台詞を言った。

植木「映画の『キャリー』の最後はね」

この感想を読んで下さっている人は若い人もいるだろうから、前回の感想では敢えて触れなかったのだが、シッタカの会話の中に登場した映画『キャリー』は、恐怖映画の巨匠ブライアン・デ・パルマ監督の、 超能力を秘めた内気な少女キャリーが引き起こす惨劇を描くサイコサスペンスの名作だ。

1976年公開だからネタバレにならないと思うので書くが、ネタバレが嫌な人は次の章に進んで構わない…

同級生たちからいじめを受けて内気な主人公キャリーが、本作の第4話(前回)で描かれた 「プロム(アメリカの高校で学年末に開催される年に1度のスペシャルイベントであるダンスパーティー)」の最後の出し物で、ベストカップルに選ばれると言う栄光を掴んでステージに上がるが、実はそれは卒業目前のいじめの集大成で、天井に吊るされたバケツから大量の血がキャリーに降り注がれ、キャリーは全校生徒に仕返しするために超能力を発揮して、学校を焼き尽くす…と言う映画だ。

これを知っている私は、前回のバケツから花びらが落ちて来た時に、ホッとしたのだ。そして、脚本家はきっと映画『キャリー』を題材にしたのだと。そして今回のシッタカの台詞でそれが確信になった。ちょっと怖い映画だが、青春、若さゆえの怖さを描いた名作なので、未見の人にはぜひ見て欲しい名作だ。

映画『キャリー』(1976年版)※2013年版ではない…のDVDやBlu-ray(Amazon)

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救急車中での彰らしい照れ隠しと優しさが好きだ!

さて、話をドラマに戻そう。水族館デート中に一人の老人男性が急に倒れた。口からは吐いた汚物が。すぐ老人に歩み寄った信子は、何の抵抗感もなく老人の吐いたモノを素手で拭い取り、自分のバッグを持って来るようにシッタカに命令。シッタカがバッグを渡した手に、吐物が付着した信子の手が触れて、反射的に「汚ねっ!」と叫んでしまう。

シッタカを凝視、いや敵視と表現した方が正しい信子。否定するシッタカ。テキパキと迅速に動く彰。走る救急車の中で、信子の手を自分の頬に当て、そして信子の手のひらを開いて、優しい言葉をかける…

彰「全然 汚くねえだっちゃ。
  ほら 見て。とっても優しい手じゃないか。
  なあ? おじいしゃん」

ここの彰も好きだ。素直に自分の気持ちを信子に伝えずに「なあ? おじいちゃん」と、老人への問い掛けにして誤魔化すのが、如何にも彰らしい照れ隠しと優しさだ。

懐かしさと、未来を感じる温もりのあるキャッチボール

夕景のシーンで、彰と信子がキャッチボールするシーンも良かった。その直前の病院の待合室で「(2人の)期待に応えたかった…」を受けて~のキャッチボール。信子のモノローグを映像化した幻想的なシーンだが、どことなく回想シーンのような懐かしさと、未来を感じる温もりのあるキャッチボールのシーン。青春ドラマの一コマと言った感じが良かった。

信子が「別に…」と、あっさり修二を否定したのも印象的

学校中に「驚くべき小谷信子の男関係」と題された、信子が学校のイケメンを次々に相手をしているような噂を書いたビラが撒かれた。修二は、「野ブタ。をプロデュース=信子を人気者にする」と言う信念をぶちまけるが、信子はあっさりと「別に…」と否定する。

彰「ビラが出回って ノブタの価値が下がるから
  今のうちに叩き売れ! って
  俺には そういうふうに聞こえんだけんど。
  ノブタは ノブタじゃん。
  ビラで回ったって ここにいるのは
  俺らが知ってるノブタだし
  何も変わってないじゃんか!」

修二を嘲笑うような九官鳥の鳴き声と共に、ここで矛盾が描かれた。信子は明らかに転校して来た頃とは変わっているし、修二は自分が信子を変えていると言う実感もあるのに、彰は信子の本質的な部分は変わっていないと言った。

まり子のこの台詞↓を回想で使い回さなかった秀逸さ

この修二が抱えた矛盾に火を点けたのが、まり子のこの台詞。

まり子「誰か1人だけ 本当のこと 知っててくれてれば それで十分。
    本当のことは 修二が知ってるから それでいいの」

そして、その後、彰が下校時の信子を修二と一緒に尾行する。彰は修二に、信子の下校時のルーティーンを1つ1つ話し、最後に「ノブタの願い」を話す。ここで、改めて修二が「野ブタ。をプロデュース=信子を人気者にする」と言う信念を信子に伝える。

ここの脚本と演出が良いのだ。安っぽいドラマだと、きっと、まり子の「本当のことは 修二が知ってるから それでいいの」を回想で入れて、修二の心境の変化を分かりやすくすると思う。

でも、本作はそれを選択しなかった。敢えて、回想を避けて、修二と信子のキャッチボールだけに賭けた。そのことで、修二と彰のキャラクターの違いも鮮明になったし、彰の存在感も更に際立った。もちろん、修二が本作の主人公であることも同時に輝いた。

かすみが「信子の初めての友達」で終わるとは思えない…

そして、終盤で、同級生の蒼井かすみ(柊瑠美)が、信子が水族館で助けた老人の孫だと近づいて来た。修二のモノローグでは「ノブタに 友達ができた」と言っていたが、こうも語っていた。

修二(M)「俺は 今 訳もなく思っている。       負けたくない…
      人の幸せを素直に喜べねえ奴にだけは…
      俺は 絶対に負けたくない」

楽しそうに商店街をあるく信子とかすみに被さる、この修二のモノローグと、今度は姿を見せた真っ黒なカラスの鳴き声の怖さに、かすみが今後の展開のキーパーソンになるような気がしてならない。いや、あの映像とこのモノローグなら、かすみが「ただの信子の初めての友達」で終わるとは思えない…

あとがき

今回は、前半で彰の信子への恋心を描き、中盤で信子の変化と本心を描き、終盤で修二の本音を、しっかりと丁寧に描いたと思います。“折り返し地点” としては十分に「先が見たくなる」構成になっており、完成度の高さが伺えますね。第6話も楽しみです。

そして、若干出番が少なかった「俳優・亀梨和也」も、ちょっとした表情や仕草に才能を感じた第5話でした。最後に、前回の感想に、50回ものWeb拍手を頂き、ありがとうございます。

山下智久さんのファンの皆さんへ

ご訪問、ありがとうございます。本放送当時、読者の皆さんからたくさんの応援を頂いた山下智久さん主演の『アルジャーノンに花束を』と『インハンド』の全話の感想もあります。最終回の感想文に全話の感想のリンクがあります。
アルジャーノンに花束を:Web拍手への御礼と最終回の新たな感想
インハンド(第11話/最終回・2019/6/21) 感想



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週刊朝日 2020年 5/1 号【表紙: 亀と山P 】 [雑誌]

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Author : みっきー

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★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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