連続テレビ小説「エール」 (第30回・2020/5/8) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『エール』(公式サイト)
第6週『ふたりの決意』の
『第30回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
川俣の教会で、音(二階堂ふみ)と幼なじみの鉄男(中村蒼)から音楽を続けるように心からお願いされた裕一(窪田正孝)は、あらためて自分の音楽の道と家族のために権藤家を継ぐ道との間で思い悩む。権藤家を訪れた裕一は、祖母の八重(三田和代)と茂兵衛(風間杜夫)の話を偶然聞いてしまう。彼らの考えを知って、自分が幸せになるために大切なことは何かに気づいた裕一はある重大な決断をする。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
前回での "雨" と "舶来品の傘" のネタ振りが上手くいった
前回で、「なぜ?」と思う点が2つあった。1つは、中盤で古山裕一(窪田正孝)が茂兵衛(風間杜夫)と「小島病院」へ茂兵衛の妻・絹子(村上里美)の見舞いから帰る時に “雨” を降らせ、“帽子” を持っている裕一にわざわざ茂兵衛が “舶来品の傘” を「返せよ」と言って渡したのか?
もう1つは、終盤の教会を出た裕一が持っていた “帽子” を強調したのか? 私は “帽子” に何か伏線が仕込まれているのかと勝手に想像していた。しかし、今回のアバンタイトルで、伏線になっていたのが “雨” と “返さなければならない舶来品の傘” だったのが分かった。ある種のネタ振りとして上手くいっていたと思う。
悩む裕一を、窓外から雨の降り始めのシーンにしたのが良かった
また、冒頭のシーンが、苦悩する裕一を草木ナメ(越し)で窓外から見ているカットにして、雨が降り出す時点から始まったのは新鮮で良かったと思う。
「立ち聞きする」のと「彷徨う」のが時間軸が行き来して…
そして、傘を返しに権藤家を訪れた裕一が、祖母の八重(三田和代)と茂兵衛(風間杜夫)の話を偶然聞いてしまい、自分の役割は「茂兵衛の後継者」でなく「権藤家の後継者の、そのまた後継者」を嫁を迎えて作る(産ませる)ことだと知って、自暴自棄になって土砂降りの雨の中を彷徨う。
ここが、「立ち聞きする」のと「彷徨う」のが時間軸が行き来して編集されており、その後の寮に帰って、びしょ濡れのままハーモニカを拭く裕一に切り替わって、「立ち聞きする」のと「彷徨う」のが “裕一の回想” であることが分かる。
ここまで、約2分40秒近い、長めのアバンだが、「鈍感であり思慮の浅さもある裕一」が一大決心をするには、この位の放送尺が必要だと思う。だって、立ち聞きをして八重にその場で怒りをぶつけるような男ではないのだから。この辺の裕一の心理描写は上手いなぁと思う。
少しだけ欲を言えば、八重に…
ただ、少しだけ欲を言えば、そもそも八重と茂兵衛にとっては、養子縁組するのは裕一でも弟・浩二(佐久本宝)でも良かったのだから、「浩二にしておけば良かったな」位の皮肉を八重に込めさせても良かったかなと思う。その方が、裕一の無念さが表現出来たような…
吃音が一度もない "裕一の決意" の台詞が良かった!
主題歌明け、裕一が「喜多一」に戻って来て、実家を出て行く、いや実家を捨てる準備を淡々としているところに、「喜多一」の現在の跡取りである浩二(佐久本宝)が泣きつき、母・まさ(菊池桃子)が止めようとし、店員の及川(田中偉登)に「強欲」と罵倒する。でも、裕一の決意は揺らがない。
それどころか、ここで裕一が自己分析した結果を家族や店員たちに、こう話した。
裕一「僕 ずっと 自分が恵まれていることに気付いていなかった。
感謝もしなかった。
それ捨てないと 自分の道 歩けないことに気付けなかった」
この台詞には裕一特有の “吃音” が一度もなかった。明らかに「鈍感であり思慮の浅さもある裕一」からの脱却の大きな一歩を台詞で見せた。ついでに、まさの長男だから、跡取りだからと溺愛、過保護にしてきた “ツケ” が母に回って来たのも良かった。
このことで、まさが変わるとは思わないが、長男は長男なりに自然にプレッシャーを受けていることに、やっと裕一が気付いた…と言う展開は、「立ち聞き」からの流れは若干後出しジャンケン風ではあるが、一先ず、母と長男、長男と次男の関係に一区切りをつけたのは、ドラマとして次のステップに進む良いことだと思う。
"父と長男の関係に区切り" をつけた三郎の台詞も良かった!
そして、東京へ向かう駅への往路の途中で、音(二階堂ふみ)を駅まで見送った三郎(唐沢寿明)と裕一がすれ違うシーンでは、父と長男の関係にも、しっかりと一区切りをつけた。
三郎「気にすんな。俺が悪いんだ。
俺は 本当 何をやっても駄目だけど
おめえだけは自慢だ。
必ず成功する。早く レコード聴かせてくれな」
結局、幼少期に蓄音機を買い与え、レコードを聴かせ、裕一の音楽の素質を引き出した張本人であり、欲のないのが取り柄の父・三郎しか言えない息子への “エール” は感動的だった。劇中の時代に父と息子が “ハグ” をするかどうかは別にして…
出来れば、今回も裕一が関内家を突撃訪問する時間を…
で、今回の裕一が関内家を訪問するシーンは、ギリギリ朝っぽくなかった。まあ、個人的には、玄関先を掃除するのは朝のイメージだから、郵便受けの郵便物を取りに来たところで、バッタリ…位の方が、時間帯の表現としては嬉しかったのだが。
それにしても、東京のオープンセットは良く出来ていた。それを見せたいのは分かるが、どうして、こうも何度も裕一が関内家を突撃訪問する時に、ナレーションでも良いから “切羽詰まった感” などを表現しないのか? ここだけが毎度不思議でならない。
来週から始動する「東京編」のためにサクサクと進めたのは正解!
しかし、東京での新居が見つかり、新婚生活が始まるまでは、想像以上にトントン拍子に進んだ。まあ、家探しに時間を要する必然性は無いし、そもそもダブル主人公だから、「週5放送」では描ける時間に制限もあるし、ここは金曜日で大きな区切りをつけて、月曜日から本格的に「東京編」を始めるのは良いと思う。
あとがき
やっと、「東京編」になりますね。気になるところは無くもないですが、今週は水曜日からの3日間が、それぞれの登場人物の人間性が丁寧に描かれて見応えがありました。とにかく、「東京編」の出演者や登場人物を見る限りでは、明るい展開になりそうですね。
もちろん、容易にヒット曲が生まれて大成功するはずはりませんから、紆余曲折はあるでしょうが。とりあえず、ラストの裕一と音の縁側での笑顔に癒されました。
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【これまでの感想】
第1週『初めてのエール』
1 2 3 4 5 土
第2週『運命のかぐや姫』
6 7 8 9 10 土
第3週『いばらの道』
11 12 13 14 15 土
第4週『君はるか』
16 17 18 19 20 土
第5週『愛の協奏曲』
21 22 23 24 25 土
第6週『ふたりの決意』
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