連続テレビ小説「エール」 (第26回・2020/5/4) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『エール』(公式サイト)
第6週『ふたりの決意』の
『第26回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
豊橋のホールでの演奏会を無事終えた裕一(窪田正孝)は、三郎(唐沢寿明)からの電報を受けて福島に帰る。あきらめかけていた英国への留学が決まり、音(二階堂ふみ)との結婚も決まり、幸せいっぱいの裕一。福島の喜多一では、三郎、まさ(菊池桃子)、浩二(佐久本宝)だけでなく、茂兵衛(風間杜夫)も裕一の帰りを待っていた。一方、音はあこがれの歌手に向けての第一歩の音楽学校の受験日を迎えていた。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
愛知県豊橋と福島県川俣は「片道=半日作業」のはずだから…
あまり、細かいことは言いたくないのだが、先週の月曜日でも、 裕一(窪田正孝)が音(二階堂ふみ)の実家を突然訪問する時間が「朝食の時間」なのは、おかしくない? と書いた。
まあ、時代が違うから比較するのもなんだが、愛知県の豊橋と福島県の川俣は、Googleマップで調べると、令和2年現在でも距離にして500キロ以上、車で6時間半、新幹線を使っても5時間掛かる。従って、当時の間隔だと「片道=半日作業」って感じになると思うのだ。
アバンで裕一が真っ昼間に川俣銀行に帰ったのには違和感…
だから、先週の月曜日に、裕一が関内家に着くのは始発に飛び乗って、夕方にやっと着いた…みたいな設定の方が現実的だし、ドラマチックじゃないの! と書いた。そして、今回のアバンタイトルでの裕一は(主題歌明けに分かるが)、川俣銀行の営業時間中に帰って来た。ねっ、おかしくない?
だって、そもそも父・三郎(唐沢寿明)からの電報を受けて福島に帰るわけだから、金曜日の海辺のシーンのあとに「直帰」して、夕方とか夜遅くに帰るのが普通だし、ドラマチックなのでは? この描写では、演奏会の夜に一晩泊まったように捉えざるを得ない。となると、父の電報は何なの? ってことになる。
どうして、本作は時間と場所の描写が雑なのだろう? そこさえ、まともにするだけで、違和感もなくドラマチックになるのに…
浩二の"この一言↓"が、古山の家族関係を見事に表現した!
今日は、何かもやもやしたまま終わっちゃうのかな? と思ったら、11分過ぎに浩二(佐久本宝)の口から、本作がこれまで曖昧にぼやかして描いて来たこと、これまでの古山一家のこと、特に、私が当初から言っている、明瞭に描かれてはいないが、あったはずの両親の “兄弟への差別” が、一定の基準以上に、この台詞で描かれた。
浩二「周りの愛を当たり前だと思うなよ!
もっと感謝しろよ!
これまで ずっと我慢してきたけど
俺… 兄さんが嫌いだ」
やはり、両親や裕一を溺愛し、浩二の蔑ろにしていたのだ。この台詞の前の部分も、この台詞のあとの裕一と浩二の二人っきりのやりとりも含めて、これで古山の家族関係が一気に見えた。
それも、巧みに(と一応言っておく)裕一と視聴者が同時に家族関係が見えると言う作戦を取ったことで、異論反論はあるとは思うが、私は、感情的にまくしたてた浩二の言葉で、浩二の幼少期からの鬱積した兄への怒り、両親の無意識の裕一への贔屓、鈍感な裕一、それぞれを一発の台詞で見事に描いたと思う。
「鈍感な裕一」を強調したのは良かった!
中でも「鈍感な裕一」を強調したのは良いと思う。なぜかと言うと。だって、普通の人間なら、父親の電報によって帰宅するのは、父親に感謝を伝えるために実家に直行か、結婚を許してくれた茂兵衛(風間杜夫)の家の二択しかないはず。
それを呑気に関内家に一晩泊まって、お土産を買って真っ昼間(銀行に客がいたから)に呑気に帰るなんて「鈍感な裕一」しか出来ないことだから。
第4週から脚本担当の吉田照幸氏には、まだまだ不安がある…
ただ、ここ最近は称賛の感想が多かったから、私が猛進的に本作を評価している訳では無いことの証として、実質的に第3週までの脚本担当で、現在は「原作」としてクレジットされている林宏司氏から、本作のメイン・ディレクターも兼ねている第4週からの脚本担当の吉田照幸氏には、まだまだ不安があると言いたい。
裕一を「喜多一」に直帰させないから、不具合が生じた…
例えば、今回で言うなら、裕一の母・まさ(菊池桃子)と浩二が裕一の結婚に反対しているくだりで、まさは「結婚してる場合なの!?」的な感じに描かれていたが、豊橋から「喜多一」に直帰させなかったために、婚約の報告を真っ先にしに来なかったことに腹を立てているように見えてしまったこと。
それは、序盤で描かれた茂兵衛の苛立ちの理由も一緒だ。これは、私が “鈍感な裕一だからしょうがない” と好意的な脳内補完をしているから許容できているだけの話。このような、不確かで、その場しのぎの設定や段取りをやっている限り、まだまだ、放送開始から1か月ちょっとだから安心はできない…と言うわけだ。
松園武大氏の演出は、コミカルもシリアスも上手いとは思うだけに…
そこで、注目したいのが、この第6週の演出担当の松園武大氏だ。彼は第4週で「川俣銀行カルテット」を多用してコミカルな描写で、「面白い!」と「やり過ぎ!」の両方の評価を世間から受けた人。
私は、コミカルな描写は上手いと思うし、第20回(2020/4/24・金)では、レストランで裕一が藤堂先生(森山直太朗)に 昌子(堀内敬子)を見合い相手に推薦しているところに音からの手紙が来て、場面が音の実家のシーンに切り替わるシリアスな演出も上手いと思っている。
アバンに「鈍感な裕一」を強調する破壊力があれば違ったはず…
だったら、アバンタイトルの「鈍感な裕一」をもっともっと “鈍感” に描いたら良かったと思う。鈍感な裕一に郵便ポストの横にいる2人の男の1人が「あのバカ息子 帰ってきたぞ」の台詞があったのだから、ナレーションでも言っていた「夢見心地」を強調したら良かったと思う。
「僕の人生は順風満帆だ! 僕が何をしようと周りの愛が絶対に助けてくれる! そう思う裕一でした」くらいのナレーションを入れていたら、主題歌明けの展開にも納得出来たと思う。僅か40秒間のアバンだったが、ここさえ「鈍感な裕一」を強調する破壊力さえあれば。本当にもったいないし、残念でならない…
あとがき
今回は、ちょっと厳しい評価も書きましたが、まだまだ好意的な脳内補完が出来る範疇ですし、全面的に否定するレベルでもありませんし、細かく見れば気になる範囲に留まっているのは確かです。
特に、もう一度書きますが、浩二の「周りの愛を当たり前だと思うなよ!」の説得力と破壊力は見事でした。こう言う台詞や描写が適切に行われている限りは、「たまたま今日だけ」と思えます。
そして、『朝ドラ「エール」も放送中断…大河に続き6月末にも 撮影不能でストック切れ』のニュースで、撮影済みのストックが6月末から7月初旬に切れることが分かりました。こうなると、俄然と応援したくなります。
毎日、貴重なお時間を割いて、長文の感想を読んで下さった上に、コメントやWeb拍手を頂いているたくさんの読者さん、いつも、ありがとうございます。一緒に放送が続く限り『エール』に “エール” を送り続けませんか?
新型コロナウイルスとの戦いも、朝ドラも長丁場です。1日の仕上がりで一喜一憂せずに応援しましょう! って、一喜一憂してせかしているのは私ですね(謝)
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