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連続テレビ小説「エール」 (第24回・2020/4/30) 感想

連続テレビ小説「スカーレット」

NHK総合・連続テレビ小説『エール』公式サイト
第5週『愛の狂騒曲』の 『第24回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


三郎(唐沢寿明)との光子(薬師丸ひろ子)の話し合いは思わぬ方向で決着がつき、三郎は福島の家族や茂兵衛(風間杜夫)の説得は自分に任せておけと言って、福島に帰っていった。豊橋に残った裕一(窪田正孝)と音(二階堂ふみ)は、豊橋のホールで行う予定の演奏会に向けて準備を進める。演奏会で歌う歌の詞を書けない音は、妹の梅(森七菜)に詞を作るように頼む。梅は裕一がどうやって作曲するのか知りたがり…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

今回も期待を裏切らない…と思わせるアバンタイトル!

前回の怒涛の展開の本日の冒頭は、前回のラストでの 三郎(唐沢寿明)の「何だか分かんねえが まあ… 俺に任せとけ! ハハハ… なっ!」と頼り甲斐があるのか無いのか分からない微妙な感じで終わった所からアバンタイトルがスタート。

浴衣姿の三郎が立ち上がって、 音(二階堂ふみ)が「お父さん 浴衣ですから!」と止めに入り、三郎が照れくさそうに戻って来た。三郎が戻るちょっと前、まだ三郎の姿が見えない時点からマリンバの軽妙な劇伴が流れて、三郎が戻って来たが、なんて “間” のいいシーンなのかと感心してしまった。

放送尺といい、内容といい、アバンにピッタリな仕上がり。今回も期待を裏切らない予感しかない…

GReeeeNのサービス精神には頭が下がる!

さて、ご存知の方もいると思うが、本作の主題歌であるGReeeeNが歌う「星影のエール」が、 GReeeeNの公式YouTubeチャンネルに「おうちでカラオケ」企画としてカラオケ版が投稿されている。GReeeeNのサービス精神には頭が下がる。と言うことで、良かったら「おうちでカラオケ」をやってみては?

三郎をナレーションであっさり福島に帰らせたのも良かった

主題歌明けも、面白い。仕掛けと言うか構成だ。アバンでの頼りがいがあるのか無いのか分からない三郎を、大いびきをかいて寝る三郎と、夜中でもメロディが浮かぶと五線譜に書き留める裕一(窪田正孝)で就寝時間を利用して描いて、ナレーションで「次の日 三郎さんは福島に帰りました」とあっさり退場させた。

このバランスが良い。ここで翌朝に関内家をあとにする三郎の芝居を入れたら間違いなく諄くなる。そこを、淡々としたナレーションで済ませたのは上手いなぁと思う。

少し前の時代のドラマを見ているような"懐かしさ"の理由…

さて、ちょっと演出的なことに触れてみる。なるべく簡単に説明するので、章は長いが是非読んで頂きたい。面倒なら次の章に飛んでも構わないが、知っていた方が本作をより楽しめると思う。

以前から感じていた「本作の映像が古典的なカット割りによって創られている」点についてだ。録画等があれば観直して欲しいのだが、例えば、前述の三郎が福島に帰った直後の、翌朝の関内家と古山家のシーンのカメラの “サイズ” と “アングル”。

“サイズ” はカメラが被写体を画面の中にどのように収めているかを示す用語。“アングル” とはカメラが被写体をどの角度から撮影しているかを示す用語。まず、2つのシーンに共通しているのは、“サイズ” に「どアップ」がないこと。『なつぞら』なんて、俳優のプロモーションビデオかよ!? と突っ込みたくなる「どアップ」が多用された。

「どアップ」の正式な定義は無いが、一般的には、首が映らず当間のてっぺんから顎の先までを最も引いたサイズのこと。これ以上だと「目のどアップ」とか「唇のどアップ」になる。

では、この2つのシーンではどうだろう。音で例えれば、最大にカメラが寄っていても「肩」も「襟」も見えている。吟(松井玲奈)もロングヘアが全部映るところまで引いている。そして、3カット目は「バストショット(胸から上を映す)より引いた2人を、更に距離を離して、奥に空間を作っている。

更にカメラは引いて、梅(森七菜)の入る場所を作って、その梅の「バストショット」まで。そう、全体的に引きの画が多いのだ。

それを頭に入れて、今度は古山家のシーンを見ると、三郎と浩二(佐久本宝)は立っており、まさ(菊池桃子)は座ったまま。動きの大きな三郎と浩二を際立たせるために、1ショット(1人だけ映っているカット)を減らして、俳優の動きに合わせてカメラも動き回って “空間” を描いている。

そう、単純に台詞を喋っている登場人物を映しているのでなく、台詞を喋っている登場人物のいる “空間” を描いているのだ。実は、昭和や平成の中期位までのドラマは結構「引きの画」が多用されていた。しかし、ドラマが「出演者目当ての視聴者向け」になり始めてから、むやみやたらに「どアップ」が増えるようになる。

その意味で、本作は「古典的なカット割り」を採用しており、見ていて落ち着く。そう、ちょっと前の時代のドラマを見ているような懐かしさ。これが、本作の良いところだと思う。

教室の小道具の配置と色使いで、御手洗らしさを表現

で、今回はやっと「ミュージック ティーチャー」と言い切ることが出来た御手洗(古川雄大)と裕一のシーン。ここも御手洗が動くから寄りのサイズは少なめで、引きの画で御手洗の造形、仕草を見せようとしている。そして、御手洗の外見と内面の違いを「先生と呼ばれたくない理由」で丁寧に描いた。

そして、このシーン、いや正確に言うとグランドピアノが置いてある「教室」のセットの小道具が巧みに配置されていることにも触れておきたい。無造作に置いてあるものや、カーテンや照明器具も絶妙な配置と色使いになっており、どんなアングルやサイズで撮影しても、被写体以外の部分に “御手洗らしさ” が表現出来るようになっているのだ。

裕一と音との"人物配置"と、カメラの動きが絶妙過ぎる!

さあて、8分過ぎから梅が再々? 登場。ここの裕一と梅の人的配置が工夫されている。梅が動き回ることで、このシーンが伝えるべき「モノを創り出す時のエネルギー」を表していると思う。その上、裕一は成功者、音は未成功者と言う違いがあるから、2人の基本的な人物配置は、棚? を挟んで背中合わせ。

でも、時々梅がその垣根を越えて裕一に近寄ろうとするが、垣根は越えない。いや、超えられない垣根なのだ。だから、カメラが垣根を自由自在に乗り越える。そのことで、裕一と梅の心が、次第に近づいて来るのが表現されているのだ。

少しずつ裕一のことが分かって来るのは楽しいものだ

そう言うカット割りを経て、裕一がこう言った。

裕一「音さんいないと 曲 書けないんだ」
 梅「えっ?」
裕一「ものを作るには 何かのきっかけとか
   つながりが必要なんだ。
   ほら 梅ちゃん
   今 自分の中から出そうとしてっけど
   書けないなら ほら 外に 目 向けてみっといいかも」

これまで、やや曖昧にしてきた、「メロディが天から舞い降りて来る」現象を、今回ではかなり踏み込んで描かれたのは良かった。こうして、少しずつ裕一のことが分かって来るのは楽しいものだ。そして、裕一が部屋を出て行く時、梅が「しっかりしとるね。安心した」と言った時のカットが良かった。

狭苦しいはずの音の後ろ側の床上の位置にカメラを置いて、画面の奥に三郎を置いて三郎の足元以外の全身を映して、裕一が偉大な存在だと梅が認めているのが伝わるカットだ。本当、引きの画が多くて、奥行き感もあって、見ていて疲れないし、説得力もある。

父の墓に供えられた2本の「安隆スペシャルル団子」の美しいカット!

音と光子(薬師丸ひろ子)の墓参りのロケシーンも良かった。前作なんて終盤はほぼスタジオセットばかりだったし、今は不要不急の外出を止めましょうと言う時期だけに、屋外ロケと自然光を活かしたシーンは心が安らぐ。更に、前述の通りに無駄なアップが無くて、音と光子の2ショットを多用して、母と娘の結びつきの強さも表現した。

そして、唯一の印象的なアップが、父の墓に供えられた2本の「安隆スペシャル団子」の美しいカット。お見事としか言いようがない。

あとがき

最後のオーケストラサウンドの効果音が、 三郎が本当に説得できたのか不安にさせましたね。そして、「先が見たくなる作戦」も上手くいったと思います。で、遂に明日、志村けんさんが出演されます。どのようなキャラで登場するのか楽しみです。

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【これまでの感想】

第1週『初めてのエール』
1 2 3 4 5 
第2週『運命のかぐや姫』
6 7 8 9 10 
第3週『いばらの道』
11 12 13 14 15 
第4週『君はるか』
16 17 18 19 20 
第5週『愛の協奏曲』
21 22 23

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