連続テレビ小説「エール」 (第15回・2020/4/17) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『エール』(公式サイト)
第3週『いばらの道』の
『第15回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
裕一は、ダンスホールで出会った踊り子の志津(堀田真由)に心惹かれていた。裕一(窪田正孝)よりも、銀行の仲間たちの方が盛り上がって、志津と裕一が交際できるように知恵を出し合って作戦を練る。昌子(堀内敬子)は女心を裕一に説く。そしていよいよ作戦決行の日…。帰り道、通りで声をかけてきたのは、幼い頃に別れて以来に会うガキ大将の乃木大将こと、村野鉄男(中村蒼)だった!音楽のことを聞かれた裕一は…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
「交際の境界線」「接吻」を連呼したアバンが楽しかった!
偶然だろうが、コロナ鬱や自粛疲れの毎日(感染者の方には本当に申し訳ございません)で、私も2日間家から一歩も出ずに暮らしているから、今回のアバンタイトルのような楽しいやり取り、それも、「交際の境界線」、「接吻」を連呼しつつ、裕一(窪田正孝)の吃音が “恋愛未経験のボーイ” らしさを醸し出して、僅か1分20秒ほどだったが本当に楽しくて元気を貰った。
そして、前回は 「第2章・川俣銀行編」の初回と言うことで、人物設定および状況説明のためにナレーション三昧になったが、このアバンを見れば、当然の如く、しっかりとした演技力と適切な演技指導があれば、ナレによる説明は不要と言うのが一目瞭然だと思う。
衣装さんの演出も見逃したくない!
主題歌明け、アバンの続きで、ダンスホールで出会った踊り子の志津(堀田真由)に心惹かれていた裕一(窪田正孝)だが、裕一本人よりも、銀行の仲間たちの方が盛り上がって、志津と裕一が交際できるように知恵を出し合って作戦を練るくだりで、前回まで気付かなかったことに気付いたから、どうでも良いことだが書いておく。
それは、衣装。この場面では、男性が4人登場するが、祐一はワイシャツにネクタイだけ、鈴木廉平(松尾諭)はそれにサスペンダー、落合吾郎(相島一之)はベスト着用で、松坂寛太(望月歩)は上着を着ている。
行員歴2年の松坂が完全防備の上下スーツで、支店長がベスト着用、行員歴15年は貫禄を出すためにサスペンダー、そして当の裕一は恋バナで身体が火照って暑くて上着を脱いでいる…と、きちんと同じスーツ姿でもそれぞれの立場を衣装で描き分けていると思う。
また、紅一点の昌子(堀内敬子)はベージュに白系のストライプでキリッとした印象を与える衣裳を着ているから、オーバーアクションの動きが際立って見える。だから面白い。そんな衣装さんの演出も見逃したくない。
「接吻大作戦計画」を俳優さんで魅せてくれたのは満足!
もう、5人全員が芸達者揃いだから、演出もやり易かったに違いない。特に、裕一が「接吻するっていう状況に持ち込む… ほ… 方法です」と言った直後の、鈴木によるシミュレーションタイムの楽しさだ。マリンバの軽快なリズムの劇伴に合わせて、松尾諭さんがダンスを踊るように一人芝居を始めると、次々とコントタイム。
で、何気なくマリンバが止まると、昌子が仁王立ち。で、行員歴2年の新人では来客の融資の話は無理だってことで、15年目の先輩と支店長が退場。そして、強引な昌子の接吻リハーサルが続くかと思いきや、裕一と昌子の声がゆっくりフェードアウトしながら、ここで「数日後 接吻大作戦は決行されることになりました」のナレで一区切り。
ここまで主題歌含めて約4分。やはり、この位、俳優さんでドラマを魅せてくれると満足度は高い。
「妄想レストラン」の照明、撮影、演技指導に見応えあり!
そして、場面転換も、まるで昭和の映画を観ているような、いや、昭和のポルノ映画を彷彿させるような映像演出。直前の銀行の2階でのシーンは窓からの昼間の外光を活かして、意図的に白系の照明にして、お陰でワイシャツや障子の白色が映えた。
しかしレストランのシーンでは、敢えて造花風に見える花瓶の花を全面に映して、カメラはゆっくり下手(画面左)に回り込んで裕一、志津の順に存在を見せる。もう、このカットが「ちょっといやらしい目線」になっているところに、それを証明するかのように、レストランの店内の各所に支店長と鈴木がスタンバイ。
と、全体が映ると、裕一と志津の顔にだけ、橙色の夕日に見立てた照明が強めに当たっているのが分かる。その理由は「白」であるべき部分は「白」のままだから、裕一と志津を意図的に強調しているわけだ。そして、このシーンが巧みなのは、レストランなのに店内BGMが聞こえないこと。この不自然さが、この直後に活かされる。
「接吻大作戦会議」と「妄想レストラン」の編集も良かった
そう、見ての通り、直前のレストランのシーンは、“恋愛マスター” である昌子の、ち密な接吻大作戦のシミュレーション=妄想だった…と言うオチだ。これに似た演出が先日もあった。ただ前日のパターンは、定期演奏会と回想の時間軸を入れ替えて交互に編集することで、祐一の残酷な運命による心情変化を描写した時だ。
そして、今回の接吻大作戦会議と妄想レストランを交互に編集することで、馬鹿馬鹿しさと、祐一を応援しようと言う銀行員たちの本気度を見事に描いた。
「妄想レストラン」と、橋を歩くシーンの時間軸が不明瞭…
これ、私の解釈が正しいか分からないが、妄想レストラン直後の夜の橋を歩く裕一と志津のシーンだが、ダンスホールの帰り道と言う解釈で良いのだろうか。
要は、妄想レストランはあくまでも “妄想” で終わり、ダンスホールの帰り道で裕一はレストランに寄ったが、当然、接吻までは進まずに、でも志津は「もう 店には来なくていいから これからは 外で会いましょう」と言ったと解釈して良いのだろうか。ちょっと、シーンの切り返しが分かり難かったのが残念。
むしろ、橋の向こう岸で、昌子たちが覗き見でもしていたら面白かったかも…
鉄男が裕一の前に現れるのが、ちょっとご都合主義かも?
でも、ここで、ガキ大将の乃木大将こと、村野鉄男(中村蒼)がサプライズ登場。これで、モヤモヤが吹っ飛んだ。ただ、あれだけ幼少期に父親から虐待を受け、家族で山中に夜逃げをした鉄男が、藤堂先生(森山直太朗)の紹介で…は許容しても、あの場面で突然現れるのは、ちょっとご都合主義かも?
むしろ鉄男なんだから、夕方の銀行の裏口で退勤してくる裕一を、じっと待っている位の方が、鉄男らしかったと思う。まあ、この辺が第3週までの脚本家の限界かも知れない…
「支店長が郡山まで裕一に金を届けるシーン」の編集点が…
それに、10分頃の、夜の裕一の部屋での鉄男とのやり取りのシーンと、昼間の裕一の銀行業務のシーンが交互に編集されたのは、意味が良く分からなかった。
裕一が、鉄男に言われたことがショックで仕事中も忘れられないと言うなら、鉄男が裕一に名刺を渡した直後辺りから、映像は裕一の仕事風景にして、音声だけ鉄男を使って、また夜に戻って…みたいにしないと、今回の演出では何日間か鉄男が裕一の部屋にいたように見えてしまう。
まっ、簡単に言うと、支店長が郡山まで裕一に金を届けるシーンは、夜のシーンが終わった翌日と明確に分かるように編集すべきだったってこと。ここだけは残念でならない…
もう少し「裕一が志津にぞっこん」描写があっても…
そして、12分前後からの展開にも、ちょっぴり不満。鉄男に言われっぱなしで、仕事で失敗して、茂兵衛(風間杜夫)に結婚相手を決められそうになって、そして残ったのは志津だけ…って展開が、流石に速すぎるような。まあ、夢の音楽を諦めて、伯父の養子になって、後継ぎとしてそれほど期待されてもいない裕一が…と言うのは分かるのだが…
ここ、もっと、良くも悪くも「裕一が志津にぞっこんで、現を抜かす」ような描写を、今回の前半のコミカルな描写レベルに気合を入れて撮影していれば…って思う。まあ、脚本がそう書いてあるから演出家としては、「週5放送」の縛りがあるから入れたくても入れられないのは理解する…が。
接吻大作戦会議はコント風のやり取りをやりたかっただけ?
ただ、ラストの、実は志津が裕一の同級生のとみ(白鳥玉季)で、祐一が騙されたと言うか。とみが幼少期の恨みを果たしたと言う展開が待っていたなら、それほど「裕一が志津にぞっこんで、現を抜かす」ような描写は要らなかったとも言える。
しかし、これで、次回(来週の月曜日)が、失恋のショックを引き摺って、1年以上の時間経過をして、いよいよ音楽の道と音との再会になるとしたら、志津のくだりって、コント風のやり取りをやりたかっただけにも見えてしまうが…
あとがき
今週は、先週の土曜日から今週の水曜日までが、とても良かったので、結果的に…と言う表現になってしまいますが、木曜日と金曜日が「第2章・川俣銀行編」の初期設定の説明だけなら…
説明は木曜日に全部終わらせて、今日の金曜日には「あれから1年経ちました。まだ、祐一は志津のことを忘れることは出来ませんでしたが、仕事にも慣れ、伯父の茂兵衛も一安心していました」とのナレーションを入れて、話を進展させた方が良かったと思います。だって、「週5放送」で時間がありませんから。
そして、いよいよ、次週から脚本家交代ですね。その繋ぎ目でもある今日は演出も難しかったし、脚本も少々雑にならざるを得なかったと思います。でも、全体の雰囲気も、俳優陣も、演出も悪くないので、あとは第4週以降の脚本家に期待します!
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古関裕而 応援歌の神様 激動の昭和を音楽で勇気づけた男 (PHP文庫)
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/14069/
【これまでの感想】
第1週『初めてのエール』
1 2 3 4 5 土
第2週『運命のかぐや姫』
6 7 8 9 10 土
第3週『いばらの道』
11 12 13 14
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