連続テレビ小説「エール」 (第2回・2020/3/31) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『エール』(公式サイト)
第1週『初めてのエール』の
『第2回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
明治42年。福島の県下有数の老舗呉服屋「喜多一」の店主・古山三郎(唐沢寿明)とまさ(菊池桃子)に、待望の長男・裕一が誕生する。三郎は大喜びで当時はまだ珍しいレジスターを奮発して買ってしまったほど。…それから10年。両親の愛情をたっぷり受けて育った裕一(石田星空)は、不器用で内気な少年で、同級生からもいじめられがち。乃木大将と呼ばれるガキ大将の村野鉄男(込江大牙)にも目をつけられてしまい…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
第2回は主人公の生い立ちから始まる王道路線のアバンタイトルで
前回が東京オリンピック開催の昭和39年(1964)で、今回のアバンタイトルが明治42年(1909)と、凡そ55年前の時代設定から始まった『エール』の第2話。第1回で主人公と妻の二人三脚での成功を描いて、第2回は主人公の生い立ちから始める。まあ、要するに主人公の幼少期を描くと言う、朝ドラでは典型的なパターンだ。
第1回と第2回のアバンの"違い"が、"メリハリ"になったと思う…
また、「主人公の幼少期」と言うよりも、「“子役” を使っての主人公の幼少期」の是非について、賛否両論ある。特に、子役時代と大人役? 時代の “繋がり” の部分に違和感を生じ易いとか、子役のイメージが強過ぎて大人役になってから雰囲気が統一され難いとか。
ただ、第1回が奇抜な “ツカミ” だったのに対して、第2回は正に朝ドラ王道の。このメリハリを混迷と受け取るか、斬新さと受け取るか、まだまだ判断しかねるが、今のところはメリハリがあった楽しいと思う。
また、主人公のモデルの業績・功労を考えると、第二次世界大戦を含めた「ほぼ昭和全史」を描く可能性がある。だから、どの程度の期間、「生い立ち~幼少期」とそこに関わる人たちを描くのかには、とても興味深いアバンタイトルだった。そして、ラストの1分を見ると、意外に速い展開になるかも知れない…
いじめられた裕一が立ち向かっていく理由で人間性を描いた
主題歌明けは、既に主人公は10歳の裕一(石田星空)になった。そして、これまた朝ドラお約束の “主人公に対するいじめ” のシーン。
ただ、いじめの理由が在りがちな「よそ者だから」とか「貧乏だから」と言うのでなく、「不器用で内気な少年だからいじめの対象になり易い」と言う主人公の人間性を描くための一つのエピソードとして「いじめ」が必要なアイテムになっているし、結果的にいじめ相手に立ち向かっていく理由が(女の子に簡単に負けてしまうが)、「父親を馬鹿にされたから」と言うのが実に、祐一の人間性を描いたと思う。
三郎が身体を回転させる時の "効果音" に驚いた!
そして、ちょっと驚いたのが、SE(効果音)の使い方。前述のいじめのシーンの直後に、裕一の父・三郎(唐沢寿明)が自分の子ども時代の自慢話を店員・善治(山本浩司)にしているシーンがあった。
そこに、裕一の母・まさ(菊池桃子)の兄で、伯父の権藤茂兵衛(風間杜夫) がやって来きて、三郎が慌ててクルっと回って茂兵衛に背中を見せる場面で「ヒューッ」と言う音が入った。
画面に映り込んでいる登場人物の口笛かと思ったが、何度見返してもそのような人物はいないし、更に茂兵衛が立ち去る場面でも、三郎の動作に合わせて「ヒューッ」が入った。
脚本と演出の摩擦はあるが緩急として楽しんだら良いと思う
となると、間違いなくSE(効果音)と言うことになる。アニメやコミカルなドラマでは、登場人物の動きに合わせてSEが使われることは多いが、朝ドラで、それもまだ本作がシリアス一辺倒なのか、コミカルな演出を盛り込むのか方向性が定まっていない時点で、急にSEを使うのは驚いた。
やはり、前回の感想で書いたように、(第3話までは「原作」とクレジットされる)林宏司氏の書いた脚本と、第1週の演出を担当している本作のメインディレクターである吉田照幸氏の作風に “摩擦” や “不協和音” を感じる。
ただ、これは少なくとも第4週からは解消されるであろうから、今は、本作らしい “メリハリ” や “緩急” として楽しんだ方が良いと思う。
シリアス部分に対して、コミカル部分が若干遅く感じるが…
その後も、シリアスもコミカルも変幻自在に演じることが出来る唐沢寿明さんと風間杜夫さんのやり取りなんかも、明らかに脚本と演出に“摩擦” や “不協和音” を感じた。
ちょっと残念なのは、それが、微妙にテンポの悪さを生んでしまっていること。要は、ナレーションで進む部分が淡々と進んでいくのに対して、コミカルな部分が “遅く” 感じるのだ。前述の通りに、いずれ解消されると期待しているが、早い方が良いと思う。
蓄音機からの音楽にノイズがない演出が意図的なら良いと思う
13分頃、三郎が裕一に初めて「西洋音楽のレコード」を聴かせるシーンでの音の演出は、演出家の意図的なものであれば、中々凝った演出だと思う。蓄音機にレコード盤を置いてレコードが回転し始める。レコードに針が乗ると無音部分では蓄音機特有の “ノイズ” が乗るが、音楽が始まると “ノイズ” が消えた。
本来の蓄音機なら、音楽の再生中も「プチプチ」と “ノイズ” が乗るのが当然なのに、テレビから私が聴いた音楽には “ノイズ” がない。これ、私が考えるに、本作のナレーションは晩年の主人公の声と言う設定だから、今の私が見ている映像は「裕一の回想」と言う位置づけになる。
裕一と音楽が密接な関係になって行くのを映像と音で表現…
全体の流れでは「裕一の回想」と言う扱いになっていないが、ナレーションからそうなる。とすれば、晩年の裕一にとって、初めて聴いた西洋音楽のレコードから聴こえた「♪威風堂々」」に “ノイズ” なんて一切感じず、クリアな音楽として聴こえていた…と言う “思い出” になっていると解釈できないだろうか?
そう考えると、第1回とこのシーンで、主人公と音楽が密接な関係になって行くことが映像と音で表現されている。この辺の演出は意図的ならば、かなり頑張っていると思う。
あとがき
父・三郎が言っていた「夢中になるもん探せ。それがあれば 生きていけっから」と言ったのを受けて、主人公の裕一が、音楽と出会う運命的なシーンを、心象風景として描いた大事な内容だったと思います。若干、ナレーションが喋り過ぎの感じはしますが、登場人物の “人間性” や “人格” を丁寧に描いていると思います。いい感じです…
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【これまでの感想】
第1週『初めてのエール』
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