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コタキ兄弟と四苦八苦 (第12話/最終回・2020/3/27) 感想

コタキ兄弟と四苦八苦

テレビ東京系・ドラマ24『コタキ兄弟と四苦八苦』公式
第12話/最終回『十二、愛別離苦』の感想。



さっちゃん(芳根京子)が喫茶シャバダバを辞めることになった。母の旅館を手伝うという。妹との突然の別れを前に兄弟は動揺を隠せない。そんな中、ふとひらめいた二路(滝藤賢一)は、肩を落とす一路(古舘寛治)を尻目に‘古滝家1泊2日ツアー’を提案。さっちゃんはこの驚きの提案を快諾し、一つ屋根の下、きょうだい3人で過ごす最初で最後の1日を迎えることになる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:なし
脚本:野木亜紀子(過去作/掟上今日子の備忘録、重版出来!、逃げ恥、アンナチュラル)
演出:山下敦弘(過去作/深夜食堂シリーズ、山田孝之のシリーズ)
音楽:王舟&BIOMAN(スペースシャワーネットワーク)
オープニング:Creepy Nuts「オトナ」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
エンディング:ちょうどいい幸せ/スターダスト☆レビュー(日本コロムビア)

連ドラの連続性の担保と、毎週連ドラを見る醍醐味が凝縮!

わたくし事で申し訳ないが、今日は、連続テレビ小説『スカーレット』が最終回で、昨夜放送の本作も最終回。いつもは、放送時間通りに、本作を見て感想を書いて、朝ドラ…とするのだが、今回は逆にした。

そうすると、冒頭の数分を見ただけで、本作の方が遥かに連ドラとしての連続性が担保された上に、毎週連ドラを見る醍醐味もしっかりと与えてくれることが、より明確になった。

前回で描かれた、 レズビアン同士のさっちゃん(芳根京子)とが同棲していた元恋人・ミチル(北浦愛)の涙涙の感動物語を、今回の冒頭できっちりと受け止めて、サクッとミチルの歯学部試験合格を語り…

更に「元サヤ」の路線が無くなったように見せかけて、ミチルが親の説得を諦めて、さっちゃんの実家がある岐阜の病院で実習することを決め、ミチルと一緒に暮らすためにさっちゃんも岐阜の母の旅館を手伝うことにして、喫茶シャバダバを辞めることになった。


40分間のドラマで、約7分20秒間の長尺のアバンタイトルの大英断!

その辺の並のドラマなら、さっちゃんの「辞める宣言」でオープニングタイトルに行って、その後の展開は「CM明け」みたいに、もったいぶった作戦を取るのだが、本作は並のドラマでない。一気にアバンタイトルの中でイケるとこまで行っちゃった。

観ていない人のために少々細かく書くと。妹との突然の別れで動揺を隠せない古滝兄弟と、肩を落としたままの一路(古舘寛治)を尻目に、二路(滝藤賢一)がふと「古滝家1泊2日ツアー」を提案して、快諾するさっちゃん。ここで、オープニングタイトルに行くかと思いきや…

更に、「古滝家1泊2日ツアー」の初日の朝に、一路が徹夜で作り上げた「古滝家 大掃除 タイムスケジュール」に従って、さっちゃんの父と古滝兄弟の父が同一人物である痕跡を隠す掃除をし、午後、例の二股を通過して古滝家に辿り着いたさっちゃんが、古滝家の外観に “何か” を感じ取るつつも、玄関チャイムを鳴らして「おじゃまします」と入って来るまで行っちゃった。

「古滝家1泊2日ツアー」への興味関心が、最高潮になる仕掛け

これだけでも凄いのに、この瞬間の、このやり取りが面白かった。

二路「さっちゃんは 俺たちの妹。
   古滝家にいる間は 三兄弟という設定」
五月「あぁ 体験型アトラクション」
二路「どうよ」
五月「やりたい おもしろそう」
二路「はい 外からやり直し」
五月「は~い」
一路「ジロウ 天才か!」
二路「天才で~す」

玄関からの入り方をやり直して、やっとオープニングタイトル。40分間のドラマで、約7分20秒間の長尺のアバンタイトルの大英断。これによって、視聴者の「古滝家1泊2日ツアー」への興味関心が最高潮になると言う仕掛けだ。

お陰で、いつものオープニングタイトルよりも、先の展開への期待感が高まって、いつもよりじっくりと見入ってしまった。やはり、並のドラマではない!

一路と二路の描き分けが徹底されているのが、実に愉快!

オープニングタイトル明けは、期待通り、いや期待以上の面白さ。まず「さるぼぼデスマッチ」、「俺たちの妹設定のはずが波乱万丈だなって」とか、いつもは “その場しのぎの軽薄” な二路が、前回ではLGBTを事前勉強していて、今回では臨機応変に対応する天才に描かれる。

その一方で、さっちゃんが「闇鍋」をやろうと言い出した時など、一路はいつも通りに “計画通りでないのが嫌い” と言う対比が、ビクともせずに徹底的に固定され描かれるのが実に愉快だ。

二路の気持ちはストレートに、一路のは含ませて描く巧みな脚本!

二路の夫婦関係が修復され、二路が妻・有花(中村優子)の家に帰り、古滝兄弟の同居が解消される場面での、二路と一路のやり取りも良かった。

五月「レンタル兄弟 解散か」
二路「レンタルは解散できても 兄弟は解散できねえから。
   まぁ 親父のこともあるしな」
五月「お父さん 行方不明なんですよね?」
二路「うん。でもほら
   もしも ボケたうえに歩けなくなった
   クズ親父が 見つかったとして
   このお兄ちゃん 1人で背負いかねないから。
   弟としては ピヨっと心配なわけよ」
五月「あぁ」
二路「俺は 親父に似て 能天気ですぐ逃げるクズだけど
   ま 俺なりにね」
一路「似てないよ。ジロウと親父は似てない。似てなかった」

特に、二路が一路を心配する気持ちはストレートに描いて、一路が二路をどう見ているのかを「似てない。似てなかった」と現在形と過去形を組み合わせて、気持ちの解釈を視聴者に委ねたのが良かったと思う。

連ドラとして、ずっと観て来た視聴者なら、あの父・零士(小林薫)の姿を知っているから、この二路の台詞に共感できる。本当に、よく計算された脚本だと思う。

朝食のシーンでの、台詞と歌詞がピタリとシンクロしているのもスゴイ!

夕食が終わって、古滝兄弟が、大人らしい「贈る言葉」でさっちゃんの背中を押して、「サツキは 行ってきます」と涙の笑顔のすぐあとから、スターダスト☆レビューが歌うエンディングソング『ちょうどいい幸せ』が流れるタイミングと音量が実に絶妙。根本要さんが歌う歌詞がちゃんと聞こえつつ、二路の台詞もしっかり聞き取れる。

更に言えば、朝食のシーンでの歌詞と、一路と二路の台詞が本当にピタリとシンクロしているのも、単純にスゴイなって思う。

♪運命的な 出会いのエピソードも
 驚くような 奇跡の愛もなく
 当たり前のように となりには君
 居心地のいい場所

 きっと君も気づいてるかな
 気にならない ふたりの距離に
 いつもいつも絶妙な定位置
 笑いながらそばにいる

「三と四どこ行った」で始まる新たなローマへ続く物語も観たい

やはり、終盤の描き方も並のドラマでなかった。古滝兄弟とさっちゃんの実質的な別れのシーンは描かずに、幼少期のさっちゃんと若い頃の古滝兄弟が出会っていたことと、再会できた “奇跡” だけを「信楽焼のタヌキの腹に書いた『ローマ』の文字」に象徴させて、意外な程にサクッとブラックアウト。

そして、最終回のサブタイトル『愛別別苦』だけをポーンと出して、サブタイトルだけ残して、背景の画面だけを時間経過。この辺の映像的な演出は、よ~く練られていると思う。まだまだ、話が終わらない期待感の創出が見事だ。そして、最後に二路が言った「三と四 どこ行った」で始まるかも知れない、新たなローマへ続く道の物語も、いつか観てみたい。

あとがき

「三と四 どこ行った」の一言で喫茶シャバダバで向き合う、頭を抱える一路と爆笑する二路のラストカットに『十二苦、了』と出したセンスに脱帽です。

正に、全12話をもって「四苦八苦の十二苦」を描き切ったと言うわけですね。生きていくことが苦行であると同時に、その中に身の丈に合った “ちょうどいい幸せ” を見つけて、ホッとする。そんな人生の悲喜交々を丁寧に優しく、そして楽しく切なく描いた名作ドラマだと思います。

また、主演の古舘寛治さんと滝藤賢一さんの演技の素晴らしいのは当然ですが、その中で癖のある年の離れたきょうだいの妹であり、LGBTの悩みも抱えるさっちゃんを演じた芳根京子さんも素晴らしかったです。全12話、捨て回の無かったのもお見事です!

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オトナ Creepy Nuts
ちょうどいい幸せ スターダスト☆レビュー


★本家の記事のURL →  https://director.blog.shinobi.jp/Entry/13994/


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