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スカーレット (第140回・2020/3/17) 感想

連続テレビ小説「スカーレット」

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』公式サイト
第24週『小さな希望を集めて』の 『第140回』の感想。


 本作は、2020/2/29 にクランクアップ(撮影終了)しています。
 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。


喜美子(戸田恵梨香)の頼みで家族や友人が、武志(伊藤健太郎)のためにドナー検査を受けてくれるも適合者は見つからない。そんな折、喜美子の元にちや子(水野美紀)が会いに来る。自身もドナー検査を受けたことを告げ、知り合いにも呼びかけるというちや子。喜美子にアドバイスも送る。一方、武志の病状は徐々に進行。大崎(稲垣吾郎)から喜美子は白血病患者の会を紹介してもらう。訪ねた会の代表は明るく振る舞っているが…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

やはり前回はそれなりに良かったと、録画を見直して感じた

今回の感想は思うところあって、ちょっと長文です(謝)

前回で、今週の演出は本作初担当で、これまで本作のサブ的な制作と演出をやっていた二人体制になったことは書いた。そのためだろうか、 他のドラマウォッチャーさんのブログや掲示板やSNSを拝読させて頂いても、先週以上に今週を評価する人と評価しない人の両極端になっている…ように思う。

また、先週の土曜日分でツッコミ所の箇条書きをやったばかりの私が言うのもおかしな話だが、今週は、かなり強引でご都合主義な展開になりそうな予感は大いに漂うものの、やはり前回はそれなりに良かったと、録画を見直して感じた。

前回で武志がバイト継続を許す喜美子の母としての願い…

例えば、前回では敢えて触れなかった武志(伊藤健太郎)のアルバイト継続のくだり。

確かに、お世辞にも衛生的とは言い難い職場で、感染症の患者が働くのは如何なものか? と言えなくもないが、喜美子(戸田恵梨香)が「骨髄バンクもない時代」に、武志に “息子が望む、いつもと変わらぬ一日” を授けてやりたい、そして出来れば一日も多く与え続けてやりたいと願うこと、そして武志の日常を守りたいと思うことは、母親としては自然な感情のような気がしたし、気丈な喜美子だからこそ、世間体を気にせず出来たことだと思う。

前回は草間流柔道の「礼に始まり礼に終わる」が活かされた!

また、病院の待合室で体操をした喜美子のくだり。病院の待合室で体操なんて迷惑だし不自然だと言えなくもない。

しかし、私は前回で、いっそのこと “ 「草間流柔道」の掛け声をやる位でも良かった” と書いたが、気合を入れると言う意味であれば、第2週で常治が留守中に2人組の借金取りを、草間が柔道の技で投げ飛ばして直子を助けたくだりに発想を飛ばして、背負い投げの真似事をやって、武志の病気と封じ込めるみたいな演出でも良かったと思う。

その位に、あの病室で「草間流柔道」を前振りしておけば、終盤でのドナー検査を受けてくれた全ての人たちに母子揃って「ありがとうございました」と言う場面が、「本当に強い人間とはどういう人間か、そして人を敬うことの大切さを学んでほしい」と教える「草間流柔道」に繋がって…

これまで連ドラとして本作に大きく欠けていた「連続性」の一つとして、「草間流柔道」が幼少期から喜美子の精神的な支柱となって人生が綴られたかのように、より見えたと思う。

今回の「サニー」には「荒木荘」のような明るさと丁寧さがあった!

さて、今回の感想に移ろう。アバンタイトルを見て思い出したことがある。それは、「荒木荘時代」の本作の脚本は、今回のアバンのように全体的に陽気で登場人物が最初の一言でその人物がどんな人間なのか分かるように描かれていたと言うこと。

そして、映像についてもアップと引き画を上手く組合せ、奥行きのある、更に照明も丁寧に時間や季節を表現したことを。そして、前回のアバンでは、屋外の水栓パンに置いてあった水が凍ったバケツ1つだけで、真冬の季節感とバケツの持ち主が忙しい人物であることが分かるようになっていた。

ドリップボトルとネルドリップのアップからの、カット割りが良かった!

で、今回のアバンでは、プロが使うドリップポットがゆっくりと回りながらコーヒーをネルドリップするカットが2秒半無音で使われ、ヴァイオリンの音と小鳥のさえずりと同時にポンとカメラが引いて、手前にちや子(水野美紀)、奥にドリップ中の百合子(福田麻由子)。

これで今回が初見の人でも舞台が喫茶店なのは分かるし、常連さんならカフェ「サニー」とすぐ分かる。

更に言えば、照明演出も前回のラストシーン(川原家で喜美子が電話を受ける)が夕飯の支度前の “明るい夕方” っぽい演出になっており、今回の店内も “明るい夕方” だから ちや子意外に客がいないのは不自然でないし、窓から差し込む日差しも “明るい夕方” で統一されている。

例えば、喜美子(戸田恵梨香)がドアを開けて入店して来る時、日差しがかなり真横から当たっている。これは、2月の昼過ぎ~夕方前だからこその入射角。粗もあるが、良い所はきちんと褒めたいと思う。

「サニー」のシーンは荒木荘の台所と食堂でのやり取りを彷彿させた

主題歌明けは、アバンのラストカットと違うアングルで店内全体を横からドーンと引いてのカット。そして、最初は全員入れ込んで、ゆっくりカメラは時計回りで喜美子とちさ子に寄りながら、店の外に買い物かごかバッグを腕に掛けた2人の歩行者のエキストラを歩かせて、商店街であることと買い物の時間であることを更に強調。

この辺の演出も丁寧だと思う。そして、このカフェ「サニー」のカット割りや人物配置や人物導線は、どことなく「荒木荘」の台所と食堂(居間?)でのやり取りを彷彿させる。

まあ、喜美子とちや子がいるから当然似た雰囲気は醸し出せるが、テーブルで話しているのを、誰かが奥から見ているとか、あとから座って会話に参加するとか、そんな部分も、「荒木荘」を思い出させやしないだろうか。

自己チューの喜美子が尊敬・信頼するちや子の言葉で変わった!

百合子が着席してからのやり取りも悪くない。私は、都合良く議員になったちや子が、「私に任しとき!」とか言って、ブルドーザーのように「骨髄バンク設立」まで一気に工事を進めてしまうのを心配していた。しかし、違った。

まず、ちや子が議員に当選したのは、一人一人の一票への恩返しを挨拶回りでなく、議員活動を一生懸命やることだ、「一票一票 しっかり背負ってやらしてもうてる」と喜美子に訴え、喜美子には、「喜美ちゃんも そやで」をきっかけに、ゆったりとしたストリングスの劇伴が入ると同時に、こう話し始めた。

ちや子「川原喜美子は母親であると同時に 陶芸家や。
    今の思いを作品に込めたらええねん」

このちや子の台詞に直結したのが、工房でろくろと土に向き合って作陶をしている喜美子のカット。劇伴はそのまま引き継がれているから、ちや子の言葉に触発されて作陶を始めたことも分かり易い。そこへ、だめ押しのちや子の「サニー」でのちや子の喜美子への言葉がモノローグの回想で被さって来る…

ちや子(回想/M)「いろんな方への思いを込めて
        作品を作ることで返していったらええんちゃう?」

この回想モノローグに合わせて、カメラが引くと既に作業台に焼く前の「1ダースのタンブラーと皿」が並んでいる。窓の外は「サニー」の時より時間経過して、夕日が強く差し込んでいることで、更に喜美子がちや子の言葉に心が動いて、一気に作り上げたのも分かる。

これまで、むしろ「暴走機関車」のようだった喜美子が、尊敬・信頼するちや子の言葉で変わった瞬間だ。そう、こう言う人が人を変えて行く様子を丁寧に描くべきなのだ。ここまで、僅か4分間だが、きちんとホームドラマに大切な “人と人との関り” が描かれた。これを悪く言えるはずが無い。

「1ダースのタンブラーと皿」が売り物として完成していた

そして、時間経過して(ここは曖昧な表現だが)、前回でも曖昧に描かれたドナー検査に協力してくれた検査費用はだれが負担しているのか? についても、「更なるドナー探しと治療のため 多くの作品を手放すことにしました」とのナレーションが入って、やや強引ではあるが、辻褄合わせには合格点を出したい。

そう思うのは、喜美子の後援会会長でもある美術商・住田秀樹(田中美央)が訪れているシーンで、売るための作品の中に焼かれて完成された「1ダースのタンブラーと皿」があったから。既に値打ちのある過去の作品を売るだけでなく、穴窯を成功させた自信家の喜美子が、「今の自分が新たに作った作品だって売れる」と必死になったのが分かったからだ。

謂わば、ちや子と再会したことで「喜美子が、また覚醒した」と言ったら、言い過ぎだろうか。

こいのぼりから菖蒲の挿絵まで、スムーズな流れだと思う…

そして、こいのぼりの情景カットで、季節は2月から4月末から5月上旬へ時間経過。喜美子が書き記す武志(伊藤健太郎)の治療に協力してくれ人たち一人一人に手書きのお礼の葉書には、色鉛筆で手描きの菖蒲の花の挿絵入り。ここまで5分だが、今回の演出は良いと思う、

本当に。更に、無駄な登場人物だと思われていた、小池アンリ(烏丸せつこ)を再登場させて高額で買い取って貰うなんて繋がりもあれば、連ドラらしさも出て来ると思う。

「好きな色は?」は絵を描いて喜ばせ、色に拘った喜美子らしい

さて、前回で問題が多かった、いや賛否両論分かれそうな台詞や表現が多かった滋賀県立中央病院第二内科のシーンがやって来た。看護師が病室内にいるとは言え、感染病患者のいる病室の扉が開けっ放しなのはどうかと思う。

そして今回も “白衣を着ていない” 大崎医師(稲垣吾郎)が、「白血病患者の会」の会長・日高れい子(楠見薫)を連れて、武志と同室の患者・智也(久保田直樹)の母・安田理香子(早織)と話している頃にやって来る。落ち込み動揺する理香子に、唐突に「好きな色は何ですか?」と聞く喜美子。ここも突っ込まれる所だろう。

しかし、私はそうは思わない。幼い頃から「絵」を書いて周囲を喜ばせていた喜美子、「色」に拘り続けた陶芸家である喜美子だからこそ “やれること” を描こうとして言うのは、いいじゃないか。

何も見ずに菖蒲を描ける喜美子がチューリップはスケッチする意味…

そして、チューリップのスケッチをする喜美子。何も見ずに菖蒲の挿絵を描ける喜美子が、敢えて穴窯の前に咲くピンク色のチューリップを見てスケッチするのは、それだけ、同じ白血病の息子を持った母親を励ましたい気持ちと、励ますことで自分を奮起させようとする喜美子は、やはり何となく「荒木荘時代」の喜美子を連想させる。

最初の2か月まで脚本を書いた直後に、ラスト1か月を書いた!?

これは、もう完全に推測の域を出ないが、前回と今回を見て感じたのは、本来は、最初の2か月、要は喜美子の幼少期から「荒木荘時代」まで脚本を書き終えてから、このラストの1か月分を書いたのではないかってこと。そう考えると、今回の感想で書いたように、あちこちに “幼少期や荒木荘時代との共通点” が見られることに合点がいく。

だって、喜美子が信楽に帰って来てから結婚、出産、離婚までの雑さとは、明らかに脚本が違うから。今も若干の粗っぽさはあるものの、先月までの直近3か月に比べたら、登場人物の個性の描き方も、人間関係の描写も悪くない。

無駄も少なければ、話の展開も喜美子を中心に上手く流れており、朝ドラらしい気持ち良ささえ時折感じる。やはり、この調子で進んで欲しい。

あとがき

前回の感想から急に、「愚痴と要求だらけ」から「好意的な称賛が増え」て、驚いている読者さんもいらっしゃると思います。ただ、これが私の本心です。今なら、直近3か月を無かったことして、最終回まで楽しめそうな気がします。私と一緒にモヤモヤしながら見ていた皆さん、この2日間の『スカーレット』をどう評価されますか?

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【これまでの感想】

第1週『はじめまして信楽(しがらき)』
1 2 3 4 5 6
第2週『意地と誇りの旅立ち』
7 8 9 10 11 12
第3週『ビバ!大阪新生活』
13 14 15 16 17 18
第4週『一人前になるまでは』
19 20 21 22 23 24
第5週『ときめきは甘く苦く』
25 26 27 28 29 30
第6週『自分で決めた道』
31 32 33 34 35 36
第7週『弟子にしてください!』
37 38 39 40 41 42
第8週『心ゆれる夏』
43 44 45 46 47 48
第9週『火まつりの誓い』
49 50 51 52 53 54
第10週『好きという気持ち』
55 56 57 58 59 60
第11週『夢は一緒に』
61 62 63 64 65 66
第12週『幸せへの大きな一歩』
67 68 69 70 71 72(Vol.1) 72(Vol.2)
第13週『愛いっぱいの器』
73 74 75 76(Vol.1) 76(Vol.2) 77 78
第14週『新しい風が吹いて』
79 80 81 82 83 84
第15週『優しさが交差して』
85 86 87 88 89 90
第16週『熱くなる瞬間』
91 92 93 94 95(Vol.1) 95(Vol.2) 96
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97 98 99 100 101 102
第18週『炎を信じて』
103 104 105 106 107 108
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109 110 111 112 113 114
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115 116 117 118 119 120
第21週『スペシャル・サニーデイ』
121 122 123 124 125 126
第22週『いとおしい時間』
127 128 129 130 131 132
第23週『揺るぎない強さ』
133 134 135 136 137 138
第24週『小さな希望を集めて』
139

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★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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