スカーレット (第133回・2020/3/9) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』(公式サイト)
第23週『揺るぎない強さ』の
『第133回』の感想。
※ 本作は、2020/2/29 にクランクアップ(撮影終了)しています。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
昭和59年正月、喜美子(戸田恵梨香)の家に八郎(松下洸平)、武志(伊藤健太郎)を始め、百合子(福田麻由子)ら家族が集いにぎやかに過ごす。武志の病気は喜美子だけの秘密で本人には知らせてない。喜美子は明るく振る舞うものの時折、不安が押し寄せる。話題は武志が研究所を出た後の仕事に。陶芸家となる勉強を続けたいという武志。喜美子と八郎はそれぞれ助言する。武志はフカ先生から届いたハガキに描かれた絵に見入って…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
八郎が川原家に"入り浸っている"ことに違和感を覚えるが…
さて、今回を観る前に書いた投稿『「スカーレット」脚本・水橋文美江氏のラジオでの発言とインスタから思うこと』で、“今週で心配しているのは、今回の「喜美子と武志の闘病記」に八郎(松下洸平)がいつ、どう、絡んで来るのか? それとも絡んで来ないのか?” と書いた。
すると、今回のアバンタイトルで早速、八郎が登場した。劇中では恐らく48歳の八郎が腰を曲げて腰痛の演技をしたり、正月設定で賑やかに羽根つきで顔に墨で書いたりするのも、観る人にとっては喜美子(戸田恵梨香)と武志(伊藤健太郎)に降り掛かっている暗い現実に対して “あざとい描写” に感じると思う。
ただ、私は “あざとい” と感じるよりも、時間経過が曖昧な上に、都合良く八郎が川原家に “入り浸っている” ことに違和感を覚えるが…
映像が無いから「嵐の前の静けさ」は、この程度しか描けない!
さて、主題歌明けは「嵐の前の静けさ」と言えば装飾として正しいだろうか。とにかく、本作は肝心な親子関係の構築の最初の部分、第72話回の「昭和35年(1960)」の結婚式直後から、第73回の「昭和40年(1965)」で武志が4歳までの5年間をすっ飛ばした。だから、武志の幼少期で回想シーンに使えるカットは限られている。
喜美子と八郎と武志の家族団らんの場面も数少ない。更に、武志の存在感が現れて来たのは、喜美子と八郎が離婚してからだから、「嵐の前の静けさ」を “家族” として描こうとすれば、この程度にしか描けないと思う。
俳優に負荷の掛かる「作陶」の演技を要求した演出に好感アリ
まあ、それでも、俳優さんには負荷の掛かる「作陶」の演技を要求して、これだけの放送尺を割いた、今週の演出担当の 泉並敬眞氏には好感が持てる。
因みに、泉並敬眞氏は、今作では今週と第16週しか担当しておらず、過去の演出作品も3作品しかネット上では検索できない。でも、メインディレクターの中島由貴氏のこれ見よがしのあざとく不自然な演出よりも、下手な脚本を丁寧に映像化し、視聴者に伝えようとしているように、今の私には映った…
自己チューの喜美子と、配慮の八郎のキャラは貫かれているが…
今週の演出家は褒めた。でも、脚本はどうだろう。序盤で八郎は病院に行ったことを八郎に伝えていないと言っていた。そして、どう見ても、前回の大崎医師(稲垣吾郎)と喜美子の診察室のシーンの翌日とは思えない。明らかに、数日間以上の時間経過をしている。
そして今回の終盤で、台所で食器の洗い物をしながら、背中越しに八郎の存在を無視しているように来週武志のアパートに行くと約束させる場面があった。確かに、喜美子は自分勝手だ。更に、喜美子は八郎の気持ちや気遣いが分からなかったり跳ね除けたりしていた。逆に、八郎は喜美子や武志の気持ちに配慮したり気遣いができる人。
だから、好き嫌いは別にして、八郎が、喜美子と武志が自分に対して何かを隠してやしないか、怪訝な顔をずっとしている。そう言う男だから、離婚しても入り浸るとも考えられる。一方の喜美子はそれに気付かないし、気付けない。まあ、そこまでは良いとしよう。違和感は拭えないが、2人のキャラクターは貫かれているから。
喜美子が八郎と武志の病の共有し共感しやすいヒロインにすべき
でも、このまま、喜美子が照子(大島優子)はもってのほか、八郎より妹・百合子(福田麻由子)に武志の病のことを告げたら、喜美子への違和感は増大し、人でなし感が強まると思う。離婚した夫婦のことは分からない。しかし、このまま複雑な心境の顔芸みたいな表情の喜美子を見せられ続けても困る。
1日でも早く、喜美子が八郎と「2人の息子」である武志の病の情報共有をして、共感しやすいヒロインに立て直すのが、残り1か月を切った本作が最初にやるべきことだと思う…
あとがき
脚本家が「 第22週からは喜美子の人生の最終章『生きるということ』を描いていきます」と言ったそうです。喜美子の人生にとって、八郎は「ドナー適合予備軍の1人」ってだけの存在なんですかね。取り敢えず、「人の命」や「人の死」を丁寧に描こうと言うのは伝わっています。
ただ、喜美子がどんどん共感しづらいキャラクターになって行くのが、荒木荘時代の喜美子が好きだった私には、残念過ぎます…
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【これまでの感想】
第1週『はじめまして信楽(しがらき)』
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第5週『ときめきは甘く苦く』
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第22週『いとおしい時間』
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