アライブ がん専門医のカルテ (第8話・2020/2/27) 感想

フジテレビ系・木曜劇場『アライブ がん専門医のカルテ』(公式)
第8話『男子高生のがん患者と母の想い…涙を笑顔に変える日』の感想。
民代(高畑淳子)が抗がん剤治療を続けないと決め、戸惑う心(松下奈緒)は薫(木村佳乃)に相談する。病棟では、18歳の和樹が2度目となるがんの再発で入院。発病時の9歳の和樹を知る光野(藤井隆)の話を聞き、奈海(岡崎紗絵)は彼を励まそうとするが、はねつけられてしまう。一方、民代は莉子(小川紗良)と知り合う。後日、奈海は和樹が書いたブログを目にして…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:倉光泰子(過去作/ラヴソング、突然ですが明日結婚します) 第1,2,3,5,6,8話
神田優(過去作/アリバイ崩し承ります) 第4,7話
演出:髙野舞(過去作/隣の家族は青く見える、セシルのもくろみ、昼顔) 第1,2,6話
石井祐介(過去作/SUITS/スーツ、民衆の敵) 第3,4,7話
水田成英(過去作/小説王、医龍4) 第5話
岩城隆一(過去作/刑事ゆがみ、絶対正義の演出補) 第8話
音楽:眞鍋昭大(過去作/後妻業、ミス・ジコチュー天才天ノ教授の調査ファイル)
主題歌:須田景凪 「はるどなり」(unBORDE / ワーナーミュージック・ジャパン)
"縦軸"が取り外された"だけ"で、こんなにドラマが変わるか!
心(松下奈緒)の夫の死に薫(木村佳乃)が関わっているのかどうかの謎解き、所謂ドラマで言うところの “縦軸” が前回から取り外された “だけ” で、ここまで『アライブ がん専門医のカルテ』と言うメインタイトルにピッタリな内容になるとは、ある種の驚きであり、ドラマファンとしての喜びであり、なぜ最初から?と言う後悔の念もあった第8話だった。
一気に"人の死"を真摯に扱い、向き合う「シリアスなドラマ」へ!
とにかく良かったのは、以前から言っているように、ドラマで “人の死” を扱うなら真摯に向き合い、ただの “客寄せ” にするな!と言うこと。その点では、本作は第1話から “人の死” の描写に真摯に向き合って来たのは大いに認める。
しかし、どうしても前述の “縦軸” があったために、サスペンス色が強くなっていた。それが、この第8話では、平らかに言うなら「シリアスなドラマ」になった。
「医療ドラマ」を超えた、見応えある「ヒューマンドラマ」に仕上がった!
それも、きちんと主人公の「がん診療のスペシャリストである腫瘍内科医」と言う設定を活かした医療ドラマを超えた、見応えあるヒューマンドラマに仕上がった。特に良かったのは、医師と患者の両方の気持ちをバランス良く掘り下げたこと。
特に研修医・奈海(岡崎紗絵)と大学への進学が決まったばかりで、3度目の入院、2度目の再発をした高校生の和樹(萩原利久)とのやり取りを中心に、 ホスピタル・クラウンをしている医師の光野(藤井隆)と小児がん患者とのコミュニケーション、同じがん患者同士の民代(高畑淳子)と莉子(小川紗良)の交流など、丁寧に、感動的に描かれた。
和樹のブログの内容が変わると言う終盤の展開は感動的!
和樹が、SNSでなくブログを利用して「文章で読者のために」とタイピングする姿は、同じブロガーとして和樹の気持ちが痛い程に伝わって来た。
また、民代が莉子に「ウィッグが似合っていない」と本音を言った時の莉子の笑顔も良かったし、陽気でほがらかな人柄の光野のミッチーのクラウンショーが患者たちに与えた笑いのエネルギーには感動したし、和樹の笑顔と、和樹のブログの内容が変わると言う終盤の展開は感動的だった。
あとがき
“縦軸” が取り外されたことで、登場人物の誰もが愛おしく見えました。そして、民代はがん治療を受けないと言う生きる道を選択し、莉子は辛いがん治療と向き合う生きる道を選んだことを、優しく丁寧に感動的に描いたのはお見事です。
決して “縦軸” が悪かったのでなく、盛り込み方に難があったと言うことだと思います。この調子で、最終回まで進んで欲しいです。それと、本作初担当の演出家・岩城隆一さんの、サッカーボールをゴミ箱に入れるカメラアングル、悩んだでしょうがやって大正解だと思います。
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【これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話
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