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映画「1917 命をかけた伝令(Dolby-ATMOS・TCX・日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし

映画「1917 命をかけた伝令(Dolby-ATMOS・TCX・日本語字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし
映画『1917 命をかけた伝令(Dolby-ATMOS・TCX・日本語字幕版)』公式)を先日、TOHOシネマズららぽーと船橋にて「Dolby-ATMOS・TCX」で劇場鑑賞。

採点は、★★★★(最高5つ星で、星4つにギリギリ引っ掛かった感じ)。100点満点なら 70点にします。








【私の評価基準:映画用】
★★★★★  傑作! これを待っていた。Blu-rayで永久保存確定。
★★★★  秀作! 私が太鼓判を押せる作品。
★★★☆☆  まあまあ。お金を払って映画館で観ても悪くない。
★★☆☆☆  好き嫌いの分岐点。無理して映画館で観る必要なし。
☆☆☆☆  他の時間とお金の有意義な使い方を模索すべし。


ディレクター目線のざっくりストーリー

第一次世界大戦真っ只中の1917年4月6日の朝、若きイギリス人兵士のスコフィールドとブレイクに、エリンモア将軍から重要な任務が命じられる。それは、「ドイツ軍が戦略的に後退している」ことを知らずに攻撃態勢に入っているデヴォンシャー連隊へ、明朝までに作戦中止を届けること。

進行する先には罠があり、更に1600名の味方の中にはブレイクの兄ジョセフも配属されている。2人は戦場を駆け抜け、伝令が間に合わせなければ、兄を含めた1600名の味方の兵士が全員命を落とし、イギリスは戦いに負けることになる。ブレイクとスコフィールドは、タイムリミットのある危険で困難なミッションに突入する…

TCXで"戦場最前線の緊張感を登場人物らと感じる"には成功

いつものように、事前情報は出来るだけ予告編だけの状態で劇場鑑賞。予告編にあった「全編ワンカット 戦場を駆け抜ける驚愕の臨場感」の文字に誘われて、敢えて「Dolby-ATMOS・TCX」を選択し、いつもより前の方に席を取って鑑賞した。

お陰で、恐らく本作のサム・メンデス監督が目指したであろう “戦場の最前線の緊張感を登場人物らと一緒に感じる” には成功したと思う。

緻密なカメラワークとCG合成による全編ワンカット風の映像は劇場向け

正直、予告編にあった「全編ワンカット」は偽りだ。緻密に計算されたカメラワークとCG合成技術によって(中盤以降は “暗転” も多用される)作られた所謂「全編ワンカット風」の映像だ。

具体的にどのような巧みなテクニックで「無編集」のように魅(見)せているのか気にはなるが、本作の凄いのは、その巧みな技術の品評会やお披露目会になっていなことだ。

戦場の最前線にいる登場人物と同じように “実時間” を共有し体験するための、合理的、且つ挑戦的な映像手法になっており、これは明らかに映画館の大きなスクリーンの前の方で観るための映画だ。それだけは間違いない。恐らく、家のテレビで観たらだいぶ印象が変わると思う。

「全編ワンカット風」が本作への評価の"諸刃の剣"になっている

そう思わせるのは、「全編ワンカット風」が本作への評価の “諸刃の剣” になっているから。確かに、臨場感や緊張感、緊迫感はスゴイ。「TCX」で観ると、まるでVR体験をしているような間隔さえ味わえる。しかし、この「全編ワンカット風」をやるために、まず、似たような映像が続いてしまうと言うのが最大の弱点。

最初の20分程は驚きの連続だが、30分もしてくると「こっちからカメラは回り込むよね」なんて思えて来る。また、ドラマとしては主要な登場人物が2人しかしないから会話劇の面白さに乏しい。まあ、「会話劇を楽しむ作品でない!」と言われれば、それまでだが。

また、ストーリーは、『走れメロス』と同様に、主人公がミッションを達成できるか? と言うのが主軸。いや、それしかない。だから、緊張の連続が過ぎて、エンターテインメントとしての緩急に乏しいのだ。もちろん、こちらも「戦争に緩急なんてあるか!」と言われれば元子も無いが。

"自然な時の流れ" の映像美は、本作ならではの醍醐味

ただ、映像そのものは、とても美しい。人間の目だけでなく、様々な視点を上手く利用して、戦場の広さと、戦地そのものの狭さ、人間と人間の距離感を丁寧に描写した上で、「全編ワンカット風」の映像が創り出す “自然な時の流れ” の美しさは、本作ならではの醍醐味だと思う。

あとがき

「全編ワンカット風」の映像が創出する、戦場の最前線にいるような疑似体験と、自然な時の流れを美しく描く本作の映像美は、音響設備の良い映画館の大スクリーンの前の方で観てこそ価値があると思います。予告編の「全編ワンカット」を意識せず、戦場に放り込まれたような臨場感を単純に体験するのが、本作を最も楽しめる鑑賞方法だと思います。

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Author : みっきー

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★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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