スカーレット (第120回・2020/2/22) 感想

連続テレビ小説「スカーレット」

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』公式サイト
第20週『もういちど家族に』の 『第120回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


久しぶりに親子三人で夕食を食べる直前、武志(伊藤健太郎)が気まずいと言い出す。それを聞いた喜美子(戸田恵梨香)は八郎(松下洸平)に他人行儀な態度をやめて、普通にしようと提案。喜美子は自ら実践するため、あえて八郎をハグするが、逆に意識してしまう。動揺する喜美子に対して、八郎が辞めてしまった陶芸への思いを口にする。冷静になった喜美子は八郎に新たな提案をする。聞いていた武志が二人の会話に割って入り…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

「芸術」「ものづくり」「職人」「造形物」を軽んじて描き過ぎる!

この脚本家、「芸術」とか「ものづくり」とか「職人」とか「造形物」とか、そう言うものの意味とか定義とかを自分の中にちゃんと構築してから、本作の脚本を書き始めたのだろうかと、今回の序盤の、 武志(伊藤健太郎)が八郎(松下洸平)の新人賞を受賞した作品を割るまでの5分間で思ってしまった。そもそも、八郎が割ろうとする?

喜美子は八郎に「スクラップアンドビルド」をさせたいってこと?

どうやら、脚本家は、新しいことをしたりものをつくるには、古いもの今となっては不出来なものを壊さないと先に進めないと考えているように見える。

まあ、簡単に言ってしまえば、「スクラップアンドビルド」を八郎にさせるために、喜美子を八郎のための “スイッチ入れ役” にし、八郎は “のろま役” にして、武志を “実行部隊” に仕立てたようだ。

因みに「スクラップアンドビルド」とはWikipediaによれば、「老朽化して非効率な工場設備や行政機構を廃棄・廃止して、新しい生産施設・行政機構におきかえることによって、生産設備・行政機構の集中化、効率化などを実現すること。この意味で使う場合は和製英語である。 負の乗数効果の影響を受け、加速的に経済収縮を招き経済効果はマイナス面のみ大きい」とある。

「スクラップアンドビルド」と「ブレイクスルー」が超魅力的だった小原糸子!

この、「スクラップアンドビルド」を実に魅力的に実行し続けた朝ドラのヒロインがいる。それが、『カーネーション』のヒロイン・小原糸子だ。彼女は自分自身の殻だけでなく、世間と言う分厚い壁もぶち破り、娘たちを味方につけて、突き進めるだけ突き進んだ。

糸子は、「ブレイクスルー(問題解決)能力」にも長けていたから、壊して創るを繰り返す強烈なエネルギーがあった。例えるなら、ブルドーザーのような朝ドラのヒロインだから、「スクラップアンドビルド」も「ブレイクスルー」も自然に描かれた。

喜美子には「スクラップアンドビルド」と「ブレイクスルー」の両方が無い!

しかし、『スカーレット』のヒロイン・喜美子はどうだろう? 少なくとも、幼少期から「スクラップアンドビルド」をして来たと言う印象は殆ど無い。「ブレイクスルー」についても、決して喜美子は能動的に問題解決すると言うよりも、自分が置かれた環境で精一杯頑張って前進するってタイプだった。

10代の頃の荒木荘での女中時代も、フカ先生の深野組時代も、頑張りはするけどガツガツ突っ込むタイプで無かった。それが、離婚して一人暮らしをするようになって、急に別れた夫に「新しい関係を」と “ブレイクスルー” するように要求し、八郎がウジウジしてると、阿吽の呼吸で息子の武志が “スクラップアンドビルド” って…。

流石に連ドラとして、幼少期、荒木荘時代、深野組時代、そして上手く行っていた結婚時代と、少し前の離婚直前から今回までが、連ドラとして完全に乖離している。喜美子も八郎も同じ人間には見えない。だから、連ドラとして本作は破綻していると、これまでも何度も書いて来たが、今回でまた明らかになったと言うことだ。

もっと慶乃川、大久保、フカ先生を巧く使えば良かったと思う…

これね。本作の喜美子が、幼少期から「スクラップアンドビルド」をする娘だったら良かったのだ。特に、本作では全く効果的に使われていない、例の “信楽焼の欠片” だって…

例えば、慶乃川(村上ショージ)が凄い陶芸家の設定にして、大事に保管していた作品を喜美子が「あの色がきれいだから欲しい」とか駄々をこねている内に落として割ってしまい、慶乃川が「欲しかったんやろ あげるわ」とか言って、喜美子がその “欠片” をいつも手放さずに持っている設定にしても良かった。

荒木荘時代に大先輩女中の大久保(三林京子)に教わったことを、丸熊陶業の食堂の人気が今一つの設定にして、喜美子が「食堂改革」をする話でも良かった。

そうすれば、深野心仙(イッセー尾形)の作風と全く違うデザインで違和感ありまくりだった「喜美子の新作の絵付け火鉢」も、師匠の固定概念を壊すと言う話になって、喜美子の「スクラップアンドビルド」と「ブレイクスルー」が、視聴者に「またか!!」と良い意味で、本作の “お約束” になったと思う。

そう言う積み重ねがあってなら、八郎が壊せずにいるのを、喜美子が背中を押して、武志も加わるのは悪くなかった。だって、似たもの夫婦とも言うし、似たもの親子とも言うくらいだから…

アンリは綺麗事ごとばかりだが、それも喜美子には届いたか…

だが、本作は連ドラに於ける連続性の大切さを捨てた。安く見積もった。今回の終盤での、小池アンリ(烏丸せつこ)が喜美子に発した台詞なんて、全てきれいごと。

アンリ「芸術以外で人の人生を豊かにするもんは 何や?
    人を思うことや
    自分以外の誰かの人生を思うことや
    寄り添うこと 思いやること
    ほんで 時には 背負ったりすることや
    あんな 誰かの人生を思うことで
    自分の人生も豊かになるんやで」

このアンリの台詞を喜美子は笑顔で聞いていたが、喜美子にアンリの台詞が理解出来たように思えなかった。そもそも、アンリと言う登場人物は、やたらと「芸術」や「人生」を語る人。しかし、その割には中身がない人間に映っていた。

その理由は、小池アンリと言う登場人物の設定を、実は「芸術」も「人生」も上っ面しか見ることの出来ない元セレブのスキャンダル女優にしちゃったから。

それこそ、この役こそフカ先生のような、芸術と商業製品の違いを理解し、人徳があり、ユーモアもある人間にしていたら良かったと思う。やはり、(恐らく)現在46歳の喜美子に人生訓を説くのが、還暦になったばかりの同姓の登場人物と言う設定が失敗の原因だと思う。46歳と60歳なんて、そんな大きな違いは無いと言うのが私の実感だから。

あとがき

父親の記念すべき作品をチャラけて壊した武志が、窯業研究所で欠片を見て「結晶」とか言い出したのを見て、馬鹿馬鹿しくなりました。本作って、ここまで造形物を敬う気持ちが薄っぺらだからです。

で、いよいよ本編放送中に、本編の中にスピンオフを1週間挟むと言う訳ですか。これが本作が面白くないことへの「ブレイクスルー」になるのか、それともこれまでの陶芸家のお話を「スクラップ」して、3月からは、武志が病気の医療ドラマに「ビルド」するつもりですかね(苦笑) 出来る訳ないと思いますが…

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【これまでの感想】

第1週『はじめまして信楽(しがらき)』
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第2週『意地と誇りの旅立ち』
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連続テレビ小説『スカーレット』第120回

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