病室で念仏を唱えないでください (第5話・2020/2/14) 感想

TBS・金曜ドラマ『病室で念仏を唱えないでください』(公式)
第5話『大往生の前で 新章突入』の感想。
なお、原作の漫画、こやす珠世「病室で念仏を唱えないでください」(小学館)は、未読。
松本(伊藤英明)は師匠・円明(団時朗)の寺で失意にさいなまれていた。救命救急センターには、松本の頼みを受けた整形外科医・藍田(堀内健)や、児嶋(松本穂香)が合流する。そんな折、円明の元に旧知の老人・石川が危篤との連絡が届く。少年時に温かく接してくれた石川を覚えていた松本は、行かせてほしいと懇願。初めて触れた臨終の形に医師としての在り方を考える。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:こやす珠世「病室で念仏を唱えないでください」(漫画)
脚本:吉澤智子(過去作/あなたのことはそれほど、きみが心に棲みついた、初めて恋をした日に読む話)
演出:平野俊一(過去作/S最後の警官、カンナさーん、インハンド、ノーサイド・ゲーム) 第1,2,5話
岡本伸吾(過去作/隠蔽捜査、TAKEFIVE、大恋愛、インハンド) 第3,4話
泉正英(過去作/わにとかげぎす)
音楽:井筒昭雄(過去作/民王、99.9、トクサツガガガ、俺のスカートどこ行った?、Heaven?)
主題歌:三浦大知「I'm Here」(SONIC GROOVE)
主人公の出番の少ない場面での "仏教要素の描き方" を…
ハッキリ言おう、本作は大絶賛する程ではないが面白い…と。その理由は、やはり本作の根底を流れる「仏教」や「仏門」への考え方や捉え方の違いによる差が大きいと思う。今回なんて、序盤から木魚や鈴(りん)の効果音を多用して、まるで仏教を嘲笑うような演出に、好意的に見ている私ですら眉間にしわを寄せた。
しかし、考えてみれば、肝心な主人公が謹慎中だから、“仏教要素” を映像化するには、効果音くらいしか思いつかない。その辺を好意的に観ることが出来たら、より楽しめたと思う。
今回が初見の人には分かり難い"潔さ"が本作らしいと思う…
さて、ドラマとしては、とても潔い構成になっていたと思う。連ドラとしては “折り返し” と思われる第5話なのに、例えば、松本(伊藤英明)と宮寺憲次(泉谷しげる)の人間関係について詳細は描かれない。脳外科だった児嶋(松本穂香)が救命に来た理由も、今回が初見では、ほぼ分からない。
「チャプレン」についての説明もほぼ無い。だが、私はそれを潔いと思う。正直、視聴率は毎回下がり続けている。でも、それは「医療」と「仏教」の “融合” と言う難しいテーマが本作の源流だから、金曜日の夜に気楽に見られるドラマとしては少々重苦しい。
しかし、そこが本作らしさだから、もう分かる人、共感する人が見るドラマで良いと思う。もちろん、制作陣の意図とは異なると思うが。
人の死は”必ずしも苦ではない"ことを本作らしく描いた!
今回だって、謹慎中の松本が、僧侶としての師匠・円明(団時朗)の昔からの友人・石川祐三(品川徹)が老衰で臨終が近いと知らせを受けたことを知り、直ぐに医療用具を持参し円明の弟子・唯円(葵揚)と共に石川家へと向かってからの「大家族での看取り」では、泣けて来た。
昨年11月に私自身が看取る瞬間に立ち会えぬまま実母を亡くし、未だに心の整理がつかない身にとって、今回の「大家族での看取り」は単純に良かった。40年近く前に祖母を亡くした時を思い出してしまった。
今や大家族より核家族化が進む中で、「大家族での看取り」を丁寧に、且つ(ここが重要)コミカルに描いた価値は大いにあると思う。現世では「死」は苦しく辛いものだが、仏教で言うなら…もう止めよう。とにかく、人の死は、必ずしも「苦」ではないと言うのを、サラリと描いたのは良かったと思う。
あとがき
「頑張る」とは「我を張ること」だと、今回の冒頭で師匠・円明が言います。「頑張る」とは自己中心的な意味で、 自分を押し通すことです。争い、自分の利益を優先させること、それが頑張ること。だから、「頑張る」ことから先はありません。大事なのは、「頑張る」ために、次に何をすべきか!
今回はそれを、謹慎中に出会った保険金が欲しいと願う患者や、亡くなってしまった肺がん患者からの言葉で、丁寧に描いたと思います。ただ、単純に医療ドラマとして捉えると、「もっと、チャプレンである主人公」を際立たせて描くべきだと思います。でも、私は本作が好きです。
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