スカーレット (第111回・2020/2/12) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』(公式サイト)
第19週『春は出会いの季節』の
『第111回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
京都の美大を卒業した武志(伊藤健太郎)が信楽に戻ってきて、喜美子(戸田恵梨香)は久しぶりににぎやかな時間を過ごす。ある晩、武志が喜美子を誘い、親子二人で初めて居酒屋に出かけて飲み交わす。武志は喜美子に学生時代の思い出話を語り、大学時代の恩師の存在を明かす。そして恩師を追って信楽の窯業試験場に通うことも。武志は早々に、市内で下宿を始める。再び一人暮らしになった喜美子。だがかわはら工房に不審な人影が…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
出演者目当てでない私には、ほぼ苦痛でしか無いアバン…
さあて、今日は、世間では上手く有給休暇を取得すれば「4連休」明けの “水曜日” だ。水曜日と言えば、当blogの読者さんなら耳にタコだと思うが、本作は月と火曜日は適当で、水曜日から金曜日が本番で、土曜日は次週への橋渡し…と言う構成が多い。だから、水曜日で大きく動くはず…と、いつも書いている。
そして、昨日の火曜日は、期待通りに、主人公の母・マツ(富田靖子)の死をアバンで匂わせて、主題歌明けで母の死から3年半経過と、これまた本作らしさの1つである「儀式不要はお約束事項」ってことで、サクッと終了。
当時に、なぜ喜美子(戸田恵梨香)の息子・武志(伊藤健太郎)が陶芸家を目指すのかの理由も不明瞭のまま、火曜日の内に京都の美大を卒業間近(マジか!?)になって、水曜日のアバンタイトルで武志が美大を卒業して信楽に戻って来ちゃった。
余程、物語を先に進めたいのか、ネタ切れなのか知らないが、大して思い入れの無い武志と、更に思い入れのない友人2人との会話劇を(半ば)強制的に見せられるのは、出演者目当てでない私には、ほぼ苦痛でしか無いのだが…
おふくろの味のカレーがあるのに居酒屋へ誘う武志への違和感
主題歌明け、久し振りに(とは書いたものの、どの位の期間 武志が帰省していないのか、この時点では分からず、のちの居酒屋で判明する)母と一人息子の母子のやり取りを祖父と祖母の遺影と位牌のある仏前で描くのかと思いきや、いきなり夜の居酒屋「あかまつ」。まあ、武志が大卒だから酒を飲むのは間違っていないが…
これは私の自分勝手なイメージとして、父親が久し振りに帰省した息子と「初めて一緒に呑みに行かへんか?(関西弁は間違っていると思う・謝)」と言う雰囲気がホームドラマ的…と思う。
だから、明るい内に亡き祖父母の位牌に手を合わせた直後に、これまた私の勝手なイメージだが、母手作りの “おふくろの味のカレーライス” があるのに、息子が母親を、それも酒が好きな印象の無い母親を連れ出すのに、強烈な違和感を覚えた。
まあ、武志本人が「百合子(福田麻由子)叔母ちゃんから聞いた」と言っているから、武志にとっては “祖父母は大した存在ではない” ってことであり、そう描くと言うことは、前回までの「マツが生きた時代=本作のこれまでの4か月間」とは、別の章に入ったと言うことだ。
ほ~ら、正に「水曜日で大きく動くはず…」が、その通りになったわけだ。
お金の苦労したことのない武志の母への疑似体験談も不快…
そして、5分過ぎ、Yahoo!テレビのあらすじにある「武志は喜美子に学生時代の思い出話を語り」が始まった。これが、武志が母親が学校に行きたかったのに実家の家計の事情やらで行けなかったから、武志が自分の体験を語って「母親に学生気分を疑似体験させる」と言う妙な展開に!
いや、これも私の勝手なホームドラマのイメージとして重ねるから妙な展開に見えるのだとは思う。
普通は、武志の家が経済的に貧しくて、幼い頃に両親が離婚して母一人子一人の生活の中で、母親の投げ無しの仕送りと自分のバイト代、そして奨学金制度を利用して、やっと大学を卒業した…と言う事情なら、「母親に学生気分を疑似体験させる」のは、それなりの人情味あるエピソードに見えたと思う。
しかし、基本的に武志は生まれてからお金に苦労したことはないし、両親の離婚は経験しても、それなりに別居中の父親とも交流があったわけで、その時点で、わざわざ居酒屋で疑似体験…と言うのが、やはり分からない。
これぞやっつけ仕事! 「疑似体験エピ」をカットアウトで終わらせた
脚本家としては、相当苦労して絞りだした「疑似体験エピソード」なのだろう。入学式から始まって、やがては、あらすじ通りに「大学時代の恩師の存在を明かす。」をやったのだから。でも、脚本家の筆が息切れを起こしたのだろう。演出家も欠伸が出たのかも知れない。なんと、「疑似体験エピソード」がカットアウトで終わせた。
流石に、脚本家も締め括り方までは思い付かなかったのだろう。適当に学生時代の出来事を箇条書きにして、最後の台詞を「皿を…」にして、演出家に丸投げ。丸投げされた演出家も、「皿を…」を凝った演出する気にならないから、喜美子のアップで誤魔化した。
せめて、居酒屋「あかまつ」の軒先の赤提灯が消えるカットとか、居酒屋の大将が暖簾を片付けるカットとか、夜空の月のカットでも、1カット挟んでから、寝床に既に就いている喜美子に繋げたら、時間経過も「皿を…」の余韻も視聴者に感じさせることが出来たのにやらないか…
やっと、窯業研究所が「信楽」にあることが明確化された!
喜美子の夢の話への感想は省略。夢が終わって翌朝に、穴窯の前での喜美子と武志の会話の中に、私個人としては、とても重要なことがさり気なく語られた。それは、柴田寛治(中村育二)が所長を務めていた(いる?)窯業研究所が「信楽」にあることだ。
まあ、何となく好意的に「信楽」、信楽町内にあるとは想像してはいたが、明確に描かれた記憶はない。もちろん、同じ類で言えば、美術商の佐久間信弘(飯田基祐)も信楽町民と明文化されてはいない。そもそも、本作は、ドラマの初期設定に於ける重要事項を明確に描かない癖、いやグセがある。
令和2年の情報網では、「信楽」は滋賀県にある信楽町のことで、京都の陶芸家が縁起物として “信楽焼の手法” で作った「たぬきの置物」が起源であり、そもそもは「信楽町の名産品」ではないこと位は知っている。
しかし、そこまで知らない人は多いだろうし、そもそも本作の当初から、日本に於ける「信楽」がどんな場所で、「信楽焼」が陶芸品としてどのような位置付けで、「信楽町」のどの位の人たちが「信楽焼」に関わっているのか、さっぱり描かれていない。
今さら言っても遅いが、喜美子の幼馴染・照子を描く際に丸熊陶業を、もう少し掘り下げて描けば、容易に済んだと思う。それをしないまま、喜美子が「信楽焼の陶芸家」として有名になり、息子の武志も「信楽焼の陶芸家」を目指してしまっているから、「なんで信楽焼なの?」が、いつまで経ってもモヤモヤするのだ。
オリジナルキャラ「掛井武蔵丸」は3月までの"繋ぎ役兼コント要員"か?
そして、10分過ぎに、唐突に窯業研究所の解説のナレーション(失笑)。そして、武志の恩師である掛井武蔵丸(尾上寛之)が登場。もはや、ここまでの内容は、喜美子のモデルとされている「神山清子さん」の半生とはだいぶ異なるため、史実と比較する意味も価値もほぼ無いが。
一応書いておくと、神山清子の一人息子である長男・賢一さんも陶芸家で、技術のほぼ全てを母親から教わっているため、この「掛井武蔵丸」なる登場人物は本作オリジナルキャラで、恐らく、武志が “あれ” になって、“あの人” が “あの職業役” で登場する3月までの “繋ぎ役兼コント要員” 的な存在だと思う。尾上寛之さんがお気の毒でしかない…
あとがき
それにしても「水曜日から金曜日が本番」ですから分かり易いですね。今回のラストで、ナレーションが「喜美子は再び 1人になりました」と会った直後に、予告編に出ていた烏丸せつこさんが登場しましたから。となると、明日には、とちや子(水野美紀)が登場ですかね。
また、こんなこと、いちいち突っ込みたくないですが、気になったので。アバンタイトルで、武志と友人2人に喜美子が更に盛った “おはぎ” を持って来る場面がありましたよね。そこで、男3人は素手で “おはぎ” を摘まんで美味そうに食べる様子が描かれました。
私の中の喜美子は、おしぼりも持って来ていて当然ですし、「あんたたち、手を洗ってきなさい」と言う人でした。大久保(三林京子)さんの教えも消えてしまったようです…
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【これまでの感想】
第1週『はじめまして信楽(しがらき)』
1 2 3 4 5 6
第2週『意地と誇りの旅立ち』
7 8 9 10 11 12
第3週『ビバ!大阪新生活』
13 14 15 16 17 18
第4週『一人前になるまでは』
19 20 21 22 23 24
第5週『ときめきは甘く苦く』
25 26 27 28 29 30
第6週『自分で決めた道』
31 32 33 34 35 36
第7週『弟子にしてください!』
37 38 39 40 41 42
第8週『心ゆれる夏』
43 44 45 46 47 48
第9週『火まつりの誓い』
49 50 51 52 53 54
第10週『好きという気持ち』
55 56 57 58 59 60
第11週『夢は一緒に』
61 62 63 64 65 66
第12週『幸せへの大きな一歩』
67 68 69 70 71 72(Vol.1) 72(Vol.2)
第13週『愛いっぱいの器』
73 74 75 76(Vol.1) 76(Vol.2) 77 78
第14週『新しい風が吹いて』
79 80 81 82 83 84
第15週『優しさが交差して』
85 86 87 88 89 90
第16週『熱くなる瞬間』
91 92 93 94 95(Vol.1) 95(Vol.2) 96
第17週『涙のち晴れ』
97 98 99 100 101 102
第18週『炎を信じて』
103 104 105 106 107 108
第19週『春は出会いの季節』
109 110
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