スカーレット (第107回・2020/2/7) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』(公式サイト)
第18週『炎を信じて』の
『第107回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
武志(伊藤健太郎)の作陶を見守る喜美子(戸田恵梨香)。陶芸家になりたいという武志の気持ちを感じ取り、喜美子は複雑な思いを抱く。かつて穴窯での窯焚きを成功させたとき、その成果を見に来た八郎(松下洸平)に喜美子は声をかけられず別れることに。その後、喜美子と八郎が会うことはなかった。一方、武志は喜美子に内緒で八郎と手紙での交流を続けていた。高校卒業後の進路に悩む武志は5年ぶりに八郎に電話をかけてみるが…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
またやるの? 端折った数年間を遡って映像化するのを…
何か、今回みたいなの、以前にもやったような。と言うのは、端折った数年間を、あとから映像化すると言う手法のこと。
今回では、まず、武志(伊藤健太郎)の口から、「川原家に初めてテレビジョンが来た時の様子」の解説。続いて、「母ちゃんと父ちゃんが離婚をした時の自分の感情と今の自分の受け止め方の違い」の説明。
ここまでで、5分も経過した上に、今度は7度目の窯焚きが成功した後に八郎(松下洸平)が喜美子(戸田恵梨香)の作品を見ている喜美子の回想。その上、「めおとノート」と離婚届けくだりは、ナレーション処理のみ。6分間も時間を割いて7年前を映像化しただけで、うんざりなのに…
7年前に遡り2年進む? 「三百六十五歩のマーチ」じゃあるまいし
7分過ぎには、7年前の2年後(要は5年後)を映像化した。昭和43年(1973)10月11~13日に開催された「陶芸家 川原喜美子展~自然釉(うわぐすり)の輝き~」の場面だ。そこで、窯業研究所の所長・柴田寛治(中村育二)から八郎の近況を聞く喜美子と、「十代田八郎」が来場していたがすれ違っていたことも描かれた。
そして、八郎が出て行ってから、僅か2年間で世間では喜美子が人気者になっていることも描かれ、ここまで10分。
やっと、11分頃から現代の武志に戻ったが…
そして、11分頃から現代の武志に戻った。そして、ラストまでは、武志が喜美子に内緒で八郎と手紙のやり取りを続けており、高校卒業後の進路への悩みを父に聞いて貰いたくて5年ぶりに電話を掛けるシーンで終了した。
端折った7年間で最も観たかった部分を10分程度に圧縮か…
まあ、これが、「月と火は適当で、水曜日から金曜日が本番で、土曜日は次週への橋渡し…と言う構成」の、要は今週の締め括りの意味の15分間だ。
結局、今週は月曜日と火曜日で八郎抜きで家族や知人ら総出で喜美子渾身の窯焚きを成功させ、水曜日で7年間も一気に時間経過し、木曜日には喜美子の成功過程を小ネタを散りばめた「めでたし めでたしの話」をやり、金曜日に端折った7年間の内で、最も視聴者が観たかった部分を、10分程度に圧縮して映像化したってことだ。
それも、一番映像で観たかった「喜美子と八郎が離婚に至る過程」が八郎の佇むカットと喜美子がノートを読むカットにナレーションを被せただけと言うお粗末な映像化で終わってしまったのが、残念を通り越して、怒りさえ覚えるレベルだ。
「時間軸をいじる」と「回想シーンを使う」には覚悟が要るものだ!
私はいつも書いている通り、「時間軸をいじる、行き来させること」と「回想シーンを使うこと」には、それ相応の理由が無ければ、やるべきでない…と言うのが、私の考える演出技法。
出来る限り、物語は時間軸通りに描くことで視聴者や観客に分かり易く伝えるべきだし、回想シーンはあくまでも “後出し” の “理由付け” に見えるからやるべきでないと思っている。しかし、本作は、見事にその2つを今回でやった。もう、これで私の本作への評価は最低になった…
離婚した理由なんて7年も時間経過させた後には必要のない!
これ、時間を遡って描くことで少しでも感動的に、ドラマチックになったなら認めるが、少なくとも私には、「めでたし めでたしの話」の前に、八郎が喜美子の窯焚きの成功を見届けるカットに、ナレーションで「八郎は出て行きました」と被せるだけで良かったと思う。
だって、武志役が子役から伊藤健太郎さんに交代した時点で、本作は別の新しい展開、違う朝ドラになったのだ。だから、離婚した理由なんて7年も時間経過させた後には必要のないこと。それよりも、今を描け! 先を描け! と思う。
あとがき
私の個人的な印象では、今週の描写や表現では、「喜美子が信楽初の女性陶芸家として成功した」ようには見えていません。この先で本作は、喜美子が陶芸家として成功しながらも、次のやるべきことがある…と言うのを描くはずなのです。だから、今描くべきは離婚理由ではなく、喜美子の成功をしっかりと視聴者に刷り込むべきと思います。
本作は、端折る部分を明らかに間違っていると思います。3月に稲垣吾郎さん演じる予定の武志の主治医・大崎茂義が登場するまでに、絶対に描くべきと思います。
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【これまでの感想】
第1週『はじめまして信楽(しがらき)』
1 2 3 4 5 6
第2週『意地と誇りの旅立ち』
7 8 9 10 11 12
第3週『ビバ!大阪新生活』
13 14 15 16 17 18
第4週『一人前になるまでは』
19 20 21 22 23 24
第5週『ときめきは甘く苦く』
25 26 27 28 29 30
第6週『自分で決めた道』
31 32 33 34 35 36
第7週『弟子にしてください!』
37 38 39 40 41 42
第8週『心ゆれる夏』
43 44 45 46 47 48
第9週『火まつりの誓い』
49 50 51 52 53 54
第10週『好きという気持ち』
55 56 57 58 59 60
第11週『夢は一緒に』
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第12週『幸せへの大きな一歩』
67 68 69 70 71 72(Vol.1) 72(Vol.2)
第13週『愛いっぱいの器』
73 74 75 76(Vol.1) 76(Vol.2) 77 78
第14週『新しい風が吹いて』
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第15週『優しさが交差して』
85 86 87 88 89 90
第16週『熱くなる瞬間』
91 92 93 94 95(Vol.1) 95(Vol.2) 96
第17週『涙のち晴れ』
97 98 99 100 101 102
第18週『炎を信じて』
104 105 106 107
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