スカーレット (第102回・2020/2/1) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』(公式サイト)
第17週『涙のち晴れ』の
『第102回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
ちや子(水野美紀)の事務所を訪ねた喜美子(戸田恵梨香)。ラジオから流れてきたのは雄太郎(木本武宏)の歌声だった。元々、映画俳優を目指していた雄太郎は、かつて喜美子から提案された「信楽太郎」の芸名で歌手に転向し、地道に活動を続けて成功を掴んでいた。雄太郎の歌に自分の人生を重ねる喜美子。八郎(松下洸平)への思いが溢れ涙が…。そんな喜美子を応援しようと、大久保(三林京子)ら懐かしい仲間が訪ねてくる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
お知らせ
本家のブログ(https://director.blog.shinobi.jp/)ですが、2020年1月24日(金)の23時頃までは普通に表示されておりましたが、1月25日(土)の朝8時から、本家のブログの表示も管理画面へのログインも不可能なため、全ての作業が不可能な状況です。これほ、忍者ブログさんの復旧を待つしかありません。
なお、2月1日(土)時の18時で、忍者ブログさんから新規の投稿が出来るような「復旧の見込み時間など」の詳細な連絡はありません。
従いまして、本家ブログが復旧するまでは、この本家のミラー&トラックバック用ブログ『ディレクターの目線blog@FC2』のみ更新し、本家は復旧次第に更新します。ご不便をおかけして申し訳ありません。
今回までの本作って、ただこれだけ↓の話でしょ?
元々、子供の頃から絵を描くのが好きで巧くて。
古い信楽焼の欠片の色に魅せられて。
草間流柔道では礼節を学び、学校の勉強も良く出来て。
でも、家計が苦しくて。
中卒で信楽から一人大坂の荒木荘で女中見習いとして働いて。
女中として一人前になって。
貯金で美術学校に行く夢を叶えようして。
でも、また実家の都合で信楽へ帰って来て。
今度は信楽焼の工場 丸熊陶業に就職して。
女中の腕を活かして働きながら、絵付けに魅了されて。
女性初の絵付け師になって。
一目惚れの男とイチャイチャして。
結婚して。
一人息子を授かって。
独立して。
旦那の方が先に陶芸家として有名になって。
自分も陶芸家になりたくなって。
仕事上の経費のやりくりで夫婦喧嘩して。
夫が腹を立て出て行って。
寂しくなって。
妹が姉を励ますために大阪旅行を企んでくれて。
若き頃の自分を知る人たちに励まされて。
元気になって。
帰って来た。
今回までの本作って、ただこれだけ↑の話でしょ?
普通なら、夫への態度を見直すか、無計画性に気付くが…
これの、何処に、今の主人公が絵を描く必要があると言うのだ。この展開にどんな理由があって劇中歌と回想シーンを延々垂れ流す必要があると言うのだ。
喜美子(戸田恵梨香)は(理由は不明だが)“火” と “穴窯” に憑りつかれたように周りが見えていない状態。それに気づかせようとした夫・八郎(松下洸平)の言うことにも耳を貸さない。だから、八郎は冷戦状態を作るために一度退場した(次週には、もう一度戻って、今度は本当に退場する…これが、私の推測)。
これ、普通の主人公なら、夫への態度を見直すか、自分の無計画性に気付いて改めて冷静に考え直すか、すると思う。しかし、『スカーレット』の主人公は、意味不明な脇役の歌に人生を重ねて、絵を描きながら夫への思いを涙と言う形で溢れさせた。まあ、そう言う設定なのだからしょうがないとしか言いようがない。
本作は喜美子から"反省"を奪い、"甘え"をあてがった…
しかし、後半に登場して来た元・荒木荘の面々の応援メッセージ的なものを描くことで、本作は主人公から “反省” と言うものを奪った。そして、主人公に “甘え” をあてがった。これが、前回で書いた、話のすり替えってこと。
これまでの喜美子には、感じ難くはなっているものの「自助努力」と「自浄作用」があった。しかし、今回のラストでの母・マツ(富田靖子)の内職の姿が象徴するように、次週からは自分の信じる道を進む姿と、それを助ける人たちが描かれると思う。何とも、あざといと言うか、あからさまと言うか、話のすり替えだと思う。
喜美子が、お茶漬けを作るシーンは入れるべきだったと思う
個人的には、聞きたくない劇中歌をフルコーラス聞かされるより、喜美子がちや子(水野美紀)にお茶漬けを作る姿を見たかったし、お茶漬けを作りながら、食べながら演技が出来る中堅女優を二人を揃えたなら、やるべきだったと思う。
なぜかって? 何でも良いから、私は本作で “過程” を見たいのだ。あんな取って付けたような劇中歌こそ、イントロとアウトロで良いのだ。だって、雄太郎(木本武宏)が有名になってお金も持っているのは、あとで別途描かれるのだから。
下手な作り手は "ただの段取り芝居" にしか見せられない…
逆に、ちや子がお茶漬けを作る喜美子の背中を視聴者には見ながら、ちや子が昔を思い出して、雄太郎と大久保(三林京子)が喜美子の背後から驚かす方が、ドラマチックじゃないだろうか? そして、そうやって話が進む方がどれだけ “自然” かってこと。
大久保の台詞終わりで歌声喫茶店「さえずり」マスター(オール阪神)が入って来るのも同じ。巧い作り手なら、こう言う登場の仕方を自然に見せて “まるで偶然が重なるように” 楽しく描けるが、下手な作り手は “ただの段取り芝居” にしか見せられない。だから、敢えて言う。
不自然さが蔓延しているシーンで、主人公と視聴者の両方に、且つ同時にサプライズなんて、本作が出来ないこと、まだ脚本家も演出家も気づかないか? と。
荒木荘時代に大久保も1カットでも草間流柔道をやっておけば…
そして、ちや子の「大久保さん 初参加や」の一言が、不自然さの証明ってことだ。そう、この場に及んで、連ドラの継続性も担保出来ていない。荒木荘時代に、大久保も1カットで良いから草間流柔道をやっておけば良かっただけのこと。一体、ここの作り手たちは連ドラを何だと思って作っているか…と、聞きたくなる。
あとがき
あらら、次週の予告編のラストカットで、ろくろを回す成長した長男・武志役を伊藤健太郎さんが演じていましたね。
劇中で喜美子は “三十路” を過ぎたと言っていたので、喜美子31歳で昭和44年(1969)として、まあ単純な脚本家ですから、次の時間経過は喜美子40歳で昭和53年(1978)とすると、武志は喜美子27歳の時に4歳だったので16歳の高校2年生ですね。 『今日から俺は!!』でも高校生役でしたしね。
これ、次の9年間の時間経過後は、前回は「結婚が決まった喜美子22歳 → 武志4歳の喜美子27歳」までの “5年間” をすっ飛ばしました。今回は、9年間をすっ飛ばして、「喜美子も有名な女性陶芸家になっている状態」 なのでしょうね。いくら、作陶や窯焚きのシーンをやるのが大変だとしても、経過を描かな過ぎますよ。
|
|
|
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
連続テレビ小説 スカーレット 完全版 ブルーレイ BOX1 [Blu-ray]
火火 [DVD]
連続テレビ小説「スカーレット」オリジナル・サウンドトラック
★本家の記事のURL → https://director.blog.shinobi.jp/Entry/13776/
【これまでの感想】
第1週『はじめまして信楽(しがらき)』
1 2 3 4 5 6
第2週『意地と誇りの旅立ち』
7 8 9 10 11 12
第3週『ビバ!大阪新生活』
13 14 15 16 17 18
第4週『一人前になるまでは』
19 20 21 22 23 24
第5週『ときめきは甘く苦く』
25 26 27 28 29 30
第6週『自分で決めた道』
31 32 33 34 35 36
第7週『弟子にしてください!』
37 38 39 40 41 42
第8週『心ゆれる夏』
43 44 45 46 47 48
第9週『火まつりの誓い』
49 50 51 52 53 54
第10週『好きという気持ち』
55 56 57 58 59 60
第11週『夢は一緒に』
61 62 63 64 65 66
第12週『幸せへの大きな一歩』
67 68 69 70 71 72(Vol.1) 72(Vol.2)
第13週『愛いっぱいの器』
73 74 75 76(Vol.1) 76(Vol.2) 77 78
第14週『新しい風が吹いて』
79 80 81 82 83 84
第15週『優しさが交差して』
85 86 87 88 89 90
第16週『熱くなる瞬間』
91 92 93 94 95(Vol.1) 95(Vol.2) 96
第17週『涙のち晴れ』
97 98 99 100 101
- 関連記事