スカーレット (第98回・2020/1/28) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』(公式サイト)
第17週『涙のち晴れ』の
『第98回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
喜美子(戸田恵梨香)の初めての窯焚(た)きは思うような焼き色が出ずに失敗。喜美子は原因を調べ、目標温度に到達するのが遅かったからだと分析。再度、前回以上の費用をかけて、窯焚きをしたいと八郎(松下洸平)に相談する。周囲から喜美子の穴窯を止めるよう説得された八郎は、喜美子にまずは陶芸展で入賞して陶芸家としての地位を確立するように強く勧めるも、喜美子は受け入れない。そうして挑んだ二回目の窯焚きの結果は…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
お知らせ
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なお、1月28日(火)11時の時点で、忍者ブログさんから「復旧の見込み時間など」の詳細な連絡はありません。
従いまして、本家ブログが復旧するまでは、この本家のミラー&トラックバック用ブログ『ディレクターの目線blog@FC2』のみ更新し、本家は復旧次第に更新します。ご不便をおかけして申し訳ありません。
三津退場直後から、これ見よがしに武志推しでフラグか…
前回で、不完全燃焼的に三津(黒島結菜)が退場した途端に、アバンタイトルから3月からの長男・武志(中須翔真)の病気を描くから急にお披露目って感じのあざとさ。因みに、既に大人の武志役には伊藤健太郎さんが発表済みだ。
とは言え、武志の口調が 喜美子(戸田恵梨香)より八郎(松下洸平)に意図的に寄せているのか知らないが、お陰で、喜美子は子育てしていたの? と見えてしまった…
「信楽初の女性陶芸家の朝ドラ」になって来たと言えるが…?
さて、主題歌明け。前回で描かれた、穴窯を新聞社が取材に来たエピソードの続きで、実際の新聞記事には「喜美子の写真も名前も無かった」と言うことになっていた。
居酒屋「あかまつ」での窯業研究所の所長・柴田寛治(中村育二)と美術商の佐久間信弘(飯田基祐)の会話でも、喜美子は、一応八郎が賞を取った名のある陶芸家で、その妻だからお神輿を上げられているだけ…のようなことを “今さら” 言っていた。
いよいよ「信楽初の女性陶芸家の朝ドラ」になって来たとは言えるが、そもそも八郎が、どの程度有名で才能があるのかも中途半端な描写なのに、所詮その八郎の妻だから…と勝手に話を進められると、完全に視聴者置いてけぼりって感じなのだが…
先日、喜美子は新しい作品で金賞を取るって言ってなかった?
で、7分頃。工房で、喜美子が穴窯の採算性の悪さを嘆いている時、八郎が穴窯より先に陶芸展に出品し金賞を取って世の中に認めて貰おうと強く勧める。ここの、夫婦の対峙構造ね。本当に「信楽初の女性陶芸家の朝ドラ」らしい。
八郎は世に名前が売れないと作品が売れない、そして陶芸はまだまだ男の世界や…と現実派、一方の喜美子は自分が作りたい作品を作れるようになりたいだけで、お金の為なら八郎の名前をくっつけて売っても良いと理想派と言うか名声に拘らない派。こう言うやり取りが観たかった…と書きたいところだが、そうは行かない。
なぜなら、つい先日の第93回(2020/1/22)で、例の「めおとノート」に、喜美子は「新しい作品 作る」、八郎は「金賞受賞」、喜美子「ハチさん喜ぶ」、八郎「うちも喜ぶ」的な、夫婦円満を象徴するようなシーンがあったばかりなのだ。
喜美子は、穴窯が出来たら気持ちが変わったってこと? だったら、そうだと描いて貰わないと。やはり、相変わらず雑な脚本と演出なのだ。
今さら失敗した理由を、八郎と三津に押し付けるのって…
でも、何とかして脚本と演出は、信楽初の女性陶芸家の朝ドラ」にしたいようだ。「女性陶芸家として世間に認められないと作品が売れない」と主張する八郎が、1回目の穴窯での焼きが失敗したことを例に挙げて、無駄に資金を穴窯に継ぎ込むより名声…的なことを言うと、喜美子がまた反論する。
喜美子「1回目 失敗したんは よそに気持ちがいったからや」
八 郎「よそに気持ち?」
喜美子「三津と仲良う寝てるところみてしもた」
今さら失敗した理由を、八郎と三津に押し付けるみたいなのって、喜美子らしくない。と言うか、これを、何としてでも自分は穴窯で「これぞ川原喜美子の信楽焼!」と言うのを作って作品で世に認められお金も頂く…情熱に見えるだろうか? 私には、ただ自分がやりたいことのために言い訳している人にしか見えないのだが。
喜美子の「男やったら よかった」が、しっくり来ない…
そして、11分頃、喜美子が三津の言葉を引用して、こんなことを言う。
喜美子「うちも 分かるで? 三津が言うてたこと。
男やったら よかった」
ここの脚本も演出も雑だから、妙な感じになっちゃった。まず、前回で三津が退場する際の「男だったら よかった」は、私は、三津自身が男だったら尊敬する陶芸家のもとで陶芸をガッツリ教わり続けたかったけど、尊敬の気持ちが恋愛感情に代わっている自分を察し、このままでは世話になった川原家を崩壊させてしまう。
しかし、八郎への恋愛感情をこれ以上抑えることが出来ないから工房をあとにした…と受け止めた。もちろん、その裏、その奥底に三津が三津自身が男なら恋愛感情を持たずに、男社会の陶芸で生きて行けた…と言う思いは含まれるとは思う。とは思うが、前回の映像だけで、そこまで深読みするのは無理だ。あんな陳腐な退場劇だったのだから。
「起承転結の承」で大失敗が「男やったら」を中途半端に!
でも、今回の喜美子の「男やったら よかった」は、ただ「女だから」と言う男尊女卑な世間への反発にしか聞こえない。もちろん、強引に深読みすれば、喜美子がもしも男だったら、絵付け師で有名になって、八郎と言う良き先輩に出会って陶芸家としてまっしぐら…と出来たのにと思ったとも言える。
しかし、読者のひろしさんが以前に言っておられたように、本作は「起承転結の承」で大失敗した。それは、「大阪編」で良い感じに「起承転結の起から承」へ移ってからの、例の喜美子と八郎のイチャイチャで、肝心な描写をほぼ全てすっ飛ばして、時間経過までさせちゃった。だから、喜美子の「男やったら よかった」が中途半端になってしまったと思う。
唯一今回で褒めるとしたら…
ただ、唯一今回で褒めるとしたら、最後14分からの夫婦のやり取りだ。喜美子の猪突猛進な穴窯への拘り(敢えて私は “情熱” とは書かない)と、八郎の喜美子を含めた家族を思う冷静さと優しさ。これは、本作が最も大切に描くべきこと。そこをハッキリと描いたのは取り敢えず評価したい。
まっ、私の推測では、こう言う夫婦の亀裂が「八郎の退場」に繋がって行くから、「信楽初の女性陶芸家の朝ドラ」もあと、1か月位しか無いかも知れないが…
あとがき
もう少し、喜美子を熱意溢れる人に描いたら良いと思います。これではいつ「ここは うちの実家だから出てって」と八郎に言ってもおかしくないように見えているので…
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【これまでの感想】
第1週『はじめまして信楽(しがらき)』
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第2週『意地と誇りの旅立ち』
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第3週『ビバ!大阪新生活』
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第4週『一人前になるまでは』
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第5週『ときめきは甘く苦く』
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第6週『自分で決めた道』
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第7週『弟子にしてください!』
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第13週『愛いっぱいの器』
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第17週『涙のち晴れ』
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