アライブ がん専門医のカルテ (第2話・2020/1/16) 感想

フジテレビ系・木曜劇場『アライブ がん専門医のカルテ』(公式)
第2話『知られざる男性乳がん…患者達がつなぐ希望』の感想。
腫瘍内科医の心(松下奈緒)は、乳がん患者の莉子(小川紗良)を診察。莉子は手術を遅らせたいと言うが、研修医の結城(清原翔)はその気持ちが理解できず、同僚の奈海(岡崎紗絵)と言い合いに。そんな中、心は意識不明の夫・匠(中村俊介)に関する義父・京太郎(北大路欣也)の言葉に傷つき、仲良くなった消化器外科医・薫(木村佳乃)に愚痴をこぼす。一方、莉子と話した結城は…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:倉光泰子(過去作/ラヴソング、突然ですが明日結婚します、スキャンダル専門弁護士)
演出:髙野舞(過去作/隣の家族は青く見える、セシルのもくろみ、昼顔) 第1,2話
石井祐介(過去作/SUITS/スーツ、民衆の敵)
水田成英(過去作/小説王、医龍4)
音楽:眞鍋昭大(過去作/後妻業、ミス・ジコチュー天才天ノ教授の調査ファイル)
主題歌:須田景凪 「はるどなり」(unBORDE / ワーナーミュージック・ジャパン)
前回よりも医師と患者の関りを丁寧に描き、よりスマートに
前回で気になっていた、医療ドラマとは言え現実離れした医療現場のシーンや、主人公の過去や家族や事情の盛り込み過ぎが減って、医師と患者の関りを丁寧且つ中心に描く、かなりスマート(シェイプアップされたのと、知的になったの意味)な医療ドラマになった第2話。
特に、本作のタイトルは『アライブ がん専門医のカルテ』だから、「アライブ(alive)=生きて。生き生きとして」と言う人間誰もが思う気持ちが、患者だけでなく、医師や、がん患者でもある医師の目を通して、実に丁寧に描かれているのが良い。
人間性の内面を重ねているから、群像劇になっていない!
特に、本作がスゴイと思うのが、複数の患者の立場や心情を並行して描きつつ、患者たちを部分的に重ねて、その重ねた “のりしろ” の部分を、腫瘍内科医の心(松下奈緒)と、(今回で明らかになった)5年前から乳がんサバイバーで乳房再建した消化器外科医・薫(木村佳乃)の “2人の生き様” がきれいに埋めている。
普通なら、群像劇になりそうだが、ゲストを含めた各登場人物の描写が、しっかりと見かけの違いだけでなく、人間性の内面を描き、重ねているから “やわな群像劇” になっていないのはお見事だ。
ご都合主義が多くても「ドラマ臭さが無いのは描写がリアルだから
また、今回のテーマが「乳がん」。それも大人の男性患者と思春期の女の子の患者と、緩和ケアの患者、乳がんサバイバーの外科医と、かなりご都合主義的に役割が与えられており、普通なら「ドラマ臭さ」が漂うはずなのに…
“明日の命” もままならぬ状況の患者たちと、彼ら彼女らに真摯に向き合う医師の関係が “リアル” に描かれているから、「ドラマ臭さ」がなく、本当の病院での出来事を見ているような錯覚にさえ陥ってしまった。
当然、俳優陣の演技力のお陰もある。裸(と言うか、背中だが)を見せたり入浴したりの場面は、とかく視聴率稼ぎで不要に思うことの方が多いが、今回でのそれらの表現は正に「乳がん患者と治療」を描くために必要不可欠な要素。その辺の視聴者への魅せ方の上手さも納得だ。
医療の明るい未来をも期待したくなるヒューマンドラマ!
この第2話を見て、改めて本作のタイトル「がん専門医のカルテ」にとても関心がわいた。今現在は、患者が容易に「カルテ」を見ることは出来ない。
理由は、「難解な内容のカルテだけを患者が見ても分からないから」や「患者に伏せている記述が治療に悪影響を及ぼす可能性があるから」や「病院側に医療ミスがあった場合隠せないから」などが主なもの。しかし、「カルテは誰のものなのか?」と言う疑問が、昨今医師と患者の間で高まっている。
いつの日か、「処方箋」や「お薬手帳」のように、患者が自分のカルテを自由に見て、もしかしたら記載まで出来る時代が来るかも知れない。それが叶えば医療の質も高まり、患者のQOL(人生の質)も高まり、医師と患者間のギャップが埋まるかも知れない。そんな医療の明るい未来をも期待したくなるヒューマンドラマだ。
あとがき
あとは、薫が意識不明の心の夫・匠(中村俊介)との謎がどうなるか? 個人的には、必要以上に引っ張る必要はないと思います。でも、そこが無くなってしまうと、単純な医療ドラマになってもしまうわけで。とにかく、本編の部分への満足感が高いので、次回も楽しみです。
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【これまでの感想】
第1話
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