フジテレビ開局60周年特別企画 二夜連続「教場」 (後編・2020/1/5) 感想

2020/1/7 15:27 記事追記
フジテレビ開局60周年特別企画 二夜連続「教場」 (後編・2020/1/5) 感想

フジテレビ系・フジテレビ開局60周年特別企画 二夜連続『教場』公式
後編『珠玉の警察ミステリー『教場』を待望の初映像化!!警察学校の極限状態の中で教官・風間にふるい落とされず卒業できるのは果たして誰だ?ーー本日第2夜放送!』の感想。
なお、原作の小説、長岡弘樹『教場』シリーズ(小学館)は未読。



 ここで生き残った者だけが、警察官になれる。 警察学校という密室…そこで、何が起きたのか。必死のサバイバルが始まるー
 “教場"と呼ばれる警察学校の教室。冷徹無比な教官・風間公親(かざま・きみちか/木村拓哉)が務める初任科第198期短期課程の教場では、生徒たちが日々、激しいトレーニングにさらされている。何より厳しいのがルール厳守。その行動は、常に 監視体制に置かれ、誰かのミスは連帯で責任を負う。
 「警察学校とは適性のない人間をふるい落とす場である」と考える教官・風間は、生徒がトラブルを抱えた途端、退校届を突きつける非情な男だ。また、いつも生徒たちに突然理解しがたい指令だけを告げて、その場を立ち去ってしまう。次々とふるいにかけられる“教場"という名のサバイバルゲームを生き抜くため、生徒たちの秘密と思惑が渦巻き、いろいろな事件が巻き起こっていく…。
 “風間教場"のクラスメートは30人。果たして最後までふるい落とされずに生き残り、何人の生徒が卒業証書を手にすることができるのか?さらに風間は、生徒たちが起こす事件の複雑に絡み合った真相を解決していくことはできるのか?そして、生徒たちに非常識ともいえる謎の試練を与え続ける風間の真の狙いとは?
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:長岡弘樹『教場』シリーズ(小学館)
脚本:君塚良一(過去作/ナニワ金融道シリーズ、踊る大捜査線シリーズ、課長島耕作シリーズ)
演出:中江功(過去作/プライド、Dr.コトー診療所シリーズ、貴族探偵)
音楽:佐藤直紀(過去作/コード・ブルーシリーズ、救命病棟24時[5])、みかづき)
警察監修:古谷謙一(過去作/HERO2、スニッファー嗅覚捜査官、BG~身辺警護人、モンテ・クリスト伯)
制作協力:The icon(過去作/聖女、恋がヘタでも生きてます、ドロ刑-警視庁捜査三課-)

「前編」はこんな作品だった…

前編」は私の “ 冷徹無比な教官・風間公親(かざま・きみちか/木村拓哉)の厳しい指導が中心に描かれ、それに翻弄されつつも授業について行く生徒たち…的な、一種の「学園ドラマ」の延長” と言う予想を良い方に大きく裏切り、主人公である風間の出番は、ピンポイント且つ効果的な場面でしか登場せず、全体は個々の警察官候補生たちの「短編小説」を “風間の視点や指導” を背骨に貫いた「連作短編」と言った感じだった。

冒頭から「前編」とは違う構成で攻めて来た!

しかし、今回は、前述した個々の警察官候補生たちの「短編小説」を組み合わせた「連作短編」と言う部分から少し変化させて、まず、序盤で風間に不信感を抱き、風間の過去を探る都築耀太(味方良介)で「前編」との違いを描き始めた。

この辺の構成を「前作」と少し変えた構成は、前後編が2日連続放送と言うスタイルでは「今日も同じ?」と思わせない工夫として頷ける。

中盤での菱沼と枝元の"女生徒同士のドラマ"も良かった…

中盤からは、警察学校の撮影をしたいと取材に訪れたスタッフが登場、そして完パケ(納品・放映された)作品を見た、母親が県警の幹部で相当の自信家で学校イチの美貌を自負している菱沼羽津希(川口春奈)と、元レスリング選手で手話の心得があり間もなく実家の旅館を継ぐために警察学校を退校せざるを得なくなった枝元佑奈(富田望生)の、“教場"と言う名のサバイバルゲームを生き抜くためのバトルが、互いの友情と尊敬と風間への恋心を描くことで、女生徒同士ならではのドラマが描かれた。

警察官になれる素質や素性があるのに努力を怠る菱沼と、夢半ばで警察官になる夢を諦める枝元の対比が「前編」には無かった「青春ドラマ」の要素を入れて、メリハリを付けたのも良かった。

起承転結の転の「風間の特別授業」の導入部の工夫もお見事

祐奈が退校すると、ドラマは再び厳しい訓練の様子を描き、卒業まで残り1週間となり、卒業のために合格必修の「風間の特別授業」が始まった。これが、ちょうど1時間20分で、放送分のピッタリ半分。そう、「起承転結」で言えば、時計で計ったような「転」の始まりだ。

しかし、劇伴は「転」を感じさせるような荒々しい楽曲でなく、優雅なストリングス系の劇伴で、まるでこれから「後日談」が始まるような、意外にまったりと雰囲気。この辺の音楽による演出の工夫も中々見事だ。

「風間の特別授業」は山中での一泊二日の模擬殺人事件捜査

山中での一泊二日の模擬殺人事件捜査が「風間の特別授業」だった。卒研1班のメンバーは、リーダーで風間の過去を探る都築、勝手な思い込みの結果で同級生・岸川沙織(葵わかな)に大怪我がさせられたものの退校させ成長した楠本しのぶ(大島優子)、元小学校教員で警察官に憧れ今や風間からスパイ役を命じられている宮坂定(工藤阿須加)、妻子持ちで成績の悪い最も年上の日下部准(三浦翔平)、そして菱沼の5名。翌朝、風間に生徒5人は自信たっぷりに被害者の身元と容疑者の見立てを発表するが、「不合格」とされ、例の「退校届」を渡されてしまう。

風間が都築の警察官になりたい本意を引き出す場面は秀逸!

その日の夕刻、卒研1班の5人が風間に呼び出された。1時間46分頃からの本当の意味での「風間の特別授業」に見応えがあった。国民の血税で生活し、市民の生命と財産を守る “公僕” である警察官としての厳しい自覚と覚悟を、特に自分を疑っていたリーダーの都築の過去を徹底的に調査した風間が、都築の親の過去の税金滞納や犯罪歴から都築自身をグイグイと追い詰める。

都築は幼い目で見た事実を風間に必死に訴えるが、風間は聞こうとしない。いや、敢えて聞こうとしない態度を見せ続けることで、最後に都築が警察官になりたい本当の気持ちを引き出す場面は、正に惹き込まれた。

風間「決して 忘れるな
   苦しんでいる人の声に 耳を傾けること
   それが 警察官の仕事だ」

真実を追求するでもなく、犯人を捕まえるでもなく、誰かの役に立ちたいでもなく、「苦しんでいる人の声に耳を傾けるのが警察官の仕事」と言うことが分かった生徒だけが卒業できると言うのが “本作の着地点” が実に良かった。

卒業後の各自が警察官として晴れ晴れした姿に心が洗われた

ラストでの、校庭で教官らが卒業生たちに卒業証書を一人一人手渡すシーンは、名作『愛と青春の旅だち』の卒業シーンを思い出させた。更に、卒業後のそれぞれの警察官としての “旅だち後” の晴れ晴れと姿に心が洗われた。

あとがき

以前から私は「俳優・木村拓哉」の応援団の一人と書いて来たから、若干の贔屓目はあると思います。

ただ、明らかに、ちょうど1年前に劇場公開され、先日テレビ放送された映画『マスカレード・ホテル』の「俳優・木村拓哉」とは、昨年末の連ドラ『グランメゾン東京』と『教場』の「俳優・木村拓哉」は違っていました。

一部の報道で、札ゲイ現場を訪れた人が、真横にいる白髪のウィッグに片目義眼に色付き眼鏡の男を木村拓哉さんだと気づかなかったことで、木村さんの “俳優魂” に火が点いた…とありました。

ここまで、外見で彼の個性を殺した上で、無言の後姿や、キリッと口許を緩めない凛々しさ、薄茶色の眼鏡のレンズ越しの光る右眼など、やはり、「俳優・木村拓哉」しか演じられない “役者魂” と “凛とした佇まい” が本当に見応えがありました。

もちろん、合計5時間近い長尺の前後編なのに、全く飽きさせない原作となった小説、脚本、演出も称賛に値しますし、若手俳優さんたちの熱意の籠った演技も素晴らしかったです。是非とも、木村拓哉さんの主演作品を「キムタク・ドラマ」と十把一絡げにして見ない人にも、見て欲しい作品です。

なお、本作は「映像商品化」をされないようですので、録画のある人は永久保存処理をお忘れなく…

2020年1月7日 15:27 追記

「本作品が映像商品化されない」の根拠は、
 ●普通は、放送公開直後に公式や通販サイトに広告が出るのに、本作は無いこと
 ●放送尺が長いため、2枚組等にせざるを得なく、あまり例がないこと
 ●有名で若い出演者が多いため、所属事務所の許諾が得られるか分からないこと
以上から、判断したまでです。年にスペシャルドラマを20~40本観ますが、映像商品化される作品は、ごく僅かです。因みに、オフィシャルグッズはあります。

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