グランメゾン東京 (最終回/30分拡大・2019/12/29) 感想

TBSテレビ系・日曜劇場『グランメゾン東京』(公式)
最終回/30分拡大『マグロ』、サブタイトル『さよなら愛する人よ三つ星は取れるのか?料理に命をかけた涙』の感想。
尾花(木村拓哉)と京野(沢村一樹)の師匠から、東京に出す予定のレストランの姉妹店を尾花に任せたいと電話がくる。一方、グランメゾン東京では星を取る審査の日が目前に迫る中、尾花の担当するマグロ料理が難航していた。倫子(鈴木京香)はマグロ料理を諦めて、自分たちのアイデアで作った他の料理を尾花に見直してもらいたいと提案する。しかし尾花は、自分はマグロ料理に集中すると宣言する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:黒岩勉(過去作/僕のヤバイ妻、ストロベリーナイト、モンテ・クリスト伯)
演出:塚原あゆ子(過去作/アンナチュラル、グッドワイフ) 第1,2,5,8,最終話
山室大輔(過去作/ごめんね青春!、天皇の料理番) 第3,4,7,10話
青山貴洋(過去作/下町ロケット2、インハンド) 第6,9話
音楽:木村秀彬(過去作/小さな巨人、ブラックペアン、TWO WEEKS)
主題歌:山下達郎「RECIPE(レシピ)」(Warner Music Japan)
「感動した!」の一言だ。その理由は…
「感動した!」の一言だ。その理由は、幾つもある。1つは、日頃から私が口癖のように言っている「ドラマは人間を描くこと、ストーリーは人間関係で紡ぐこと」を、期待を超えたレベルで実現したこと。
キムタクが"脇役を立て脇役に立てられる主役"を見事に演じた!
特に、本作は、とかく「キムタク・ドラマ」と揶揄される木村拓哉さん主演ドラマではあるが、完璧に過去の「キムタク・ドラマ」の主演俳優としての木村拓哉さんを封印して、脇役を立てる主役、脇役に立てられる主役の両者を見事に演じた。
もう、これだけでも称賛に値するのだが、その上、脇役たちを演じる俳優陣が、これまた年齢層の幅が広い上に、一癖も二癖もある個性派俳優ばかり。普通なら視聴者の好き嫌いに反映もするし、逆にその俳優お目当ての視聴者ばかりになる可能性も秘めていた。しかし、そんな放送前の私の不安は、最初の2話で簡単にクリアしてしまった。
徐々に変化していく倫子の魅せ方が絶妙!
また、「ドラマは人間を描くこと、ストーリーは人間関係で紡ぐこと」に関して本作で掘り下げるなら、徐々に変化していく倫子(鈴木京香)の魅せ方が絶妙だった。
特に今回での序盤の30分までに描かれた、倫子が三つ星を狙うための魚料理「ハタのロティ ノアゼットアンシェア」を完成させ、尾花(木村拓哉)たちに試食させる場面までで、ほぼ完成されていた。
尾花のお手柄と陰の功労者の描写のバランスの良さが半端ない!
もちろん、倫子の料理人としての魂を揺れ動かし、正しい方向に導いた尾花の “お手柄” を前面に出すストーリー展開でなく、あくまでも尾花は “陰の功労者” 的な立ち位置で最後の最後まで描いて、本当のラストで本作のヒーローになったのはお見事。
それでも、ヒーローだけが突出して目立つわけでなく、あくまでも脇役あってのヒーロー像が出来上がったのは素晴らしい。
"料理人冒険ロマン活劇"+"大人たちの胸熱青春ドラマ"の融合!
さて、改めて本作のストーリーの全容を考え直してみると、全体は「三つ星獲得」を夢見る孤高のシェフ・尾花夏樹を主人公とする「三つ星レストラン」を巡るフレンチ料理人たちの料理人冒険ロマン活劇と言える。
そこに、夢への冒険や、仲間たちとの友情、ライバルとの争い、挫折と挑戦などの、一見少年漫画の王道的な骨格の上に、「大人たちの胸熱な青春ドラマ」をきれいに乗せた。
ライバル「gaku」ノ描き方と、終盤の回想シーンの使い方もお見事!
特に、ライバルのフレンチレストラン「gaku」の面々の劇中での使い方も奇抜で斬新だし、連ドラの最終回だから回想シーンがあるのは当然だが、本作の終盤に於ける各登場人物たちの回想シーンの引用は天晴れと言いたいくらい。
日頃は、「回想シーンは最小限に使うべき」が私の考え方だが、この最終回に於いては全く邪魔でない上に、必然性まで感じた。このあたりの、連ドラの最終回としての魅せ方も本当に良かった。
料理に最も大切な"味と香りと温度"の映像化に見事にも成功
そして、本作だから、そしてフレンチ大好きな私だから最後に言わずにいられないのが、“テレビ” と言うメディアでは伝えにくい、料理に最も大切な “味と香りと温度” の映像化に見事に成功したことだ。
料理を作る過程も、料理を提供する瞬間も、お客様が料理を口に入れて味わうカットやシーンの撮影に様々な工夫が施されており、的確な“味と香りと温度” の説明の台詞と映像の組合せで、ずっと極上のフレンチを食べている気持ちにさせてくれた。
また、料理人の繊細な感覚や、サービスの心構えなど、本作を見始めてから訪れた様々な料理店での私の “見方” や “味わい方” に大きな影響を与えたことも書き残しておこうと思う。
あとがき
とにかく、前半の30分で完成した倫子の魚料理「ハタのロティ」と、後半54分で完成した尾花の魚料理「マグロの瞬間焼き」の2つの三つ星を狙うための料理が完成し、その映像的な表現で若干その先の展開は見えたものの、「ハタのロティ」で勝負に出た倫子の自信と、自分をフレンチ料理人として更に昇華させてくれる “相棒” を育てた尾花との説得力ある結末は素晴らしかったです。
これなら、続編は間違いなく作れるでしょうし、脇役で地上波のスピンオフドラマも1クールくらいは作れると思います。年末の29日に満足の30分拡大の最終回でした。地デジでなく、Blu-ray画質で料理を堪能したいので、早速「【Amazon.co.jp限定】グランメゾン東京 Blu-ray BOX(キービジュアルB6クリアファイル(赤)付)」をポチッとしました。
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グランメゾン東京 上 (角川文庫)
グランメゾン東京 下 (角川文庫)
★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/13652/
【これまでの感想】
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