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スカーレット (第78回・2019/12/28) 感想 ※追記あり

2019/12/28 16:42 文末に追記あり
連続テレビ小説「スカーレット」

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』公式サイト
第13週『愛いっぱいの器』の 『第78回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


八郎(松下洸平)の計らいでジョージ富士川(西川貴教)が川原家を訪れる。ジョージと再会した喜美子(戸田恵梨香)は言葉を失うが、懸命にかつて自分が抱いた夢を語り始める。そして照子(大島優子)たちも参加して、ジョージによる即興の創作実演が行われる。その姿に刺激を受けた八郎はその後、作陶に没頭。さらに喜美子にも変化が。土に向かいながら溢れる涙。父の死以来、悲しみを抑え込んでいた喜美子が作品を生み出そうと…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

アバンでの喜美子の "ソワソワ" の原因でモヤモヤ…

何なんだろう? アバンタイトルから漂う空虚感。確かに、 世界的芸術家・ジョージ富士川(西川貴教)が喜美子(戸田恵梨香)に会うために川原家にやって来たから、ソワソワ慌てるのは間違っていないのだが、やはりモヤモヤすると言うか、不自然と言うか。

第29回(2019/11/1)で、劇中では10年前の17歳の喜美子がジョージ富士川のサイン会を訪れて、来年から美術学校で学ぶ夢を伝えたら、激励されて感激したことがあった。私は、その後ジョージ富士川のもとで芸術の勉強をして、その流れで陶芸家になると思っていたが、結局そうはならずに27歳の喜美子に至る。

そう、このソワソワ慌てるのは、10年ぶりに再会したからなのか、有名な世界的芸術家が会いに来てくれたからなのか、両方なのか演出(演技も)から分からないのだ。

因みに、前回のラストシーンで再会した時は、驚きの表情で数歩後ろに下がっただけ。今回のアバンでもそのカットが採用されていた。こう言う曖昧な描写ばかりをやって、行間を埋めるから話の展開がモヤモヤするのだ。

主題歌明けの1シーンをアバンにしたら良かったのに…

そして、主題歌明けに、前述したソワソワの理由が喜美子によって述べられた。本来なら、この場面をアバンに使えば良かったと思う。

そうすれば、モヤモヤしながらも見続けている視聴者には、第29回の草間(佐藤隆太)とも久し振りに再開したサイン会のシーンが、ポーンと頭に浮かんで来て、連ドラとしての “連続性・一貫性” と言う醍醐味を、年内最後の放送の冒頭で感じることが出来たのに。

だって、脚本もジョージの「さあ やるで!」の台詞で、主題歌に行けるようにも書いてあるじゃないか。どれだけ、再び喜美子が工房に入って来てから、ジョージの「さあ やるか?」までをアバンにしていたら、スッキリしたかと思うと残念でならない…

なぜ、肝心な部分をザックリと端折っちゃうの!?

で、「西川貴教さん、アドリブで良いので子どもたち含めてパーッとやって下さい」の演出家の指示のもと撮影したアドリブ満載の「お絵描き」のシーンは良いとして(前日に息子の武志は風邪だかで熱発して寝ていたのに、翌日は元気になったってこと?)…

八郎(松下洸平)が出品作品に没頭し始めたこと、喜美子も作品作りを始めたくなったこと、更に八郎が春の陶芸展で金賞を受賞したことまでが、ナレーション処理主体で映像は “おまけ” 程度で、正に箇条書きで描かれた。

本当はジョージのお絵描き教室から八郎と喜美子が何を受け止め、自由をどのように解釈し直し、陶芸に向かう姿勢に変化が出たのかを見たかったのに、やはり端折られてしまった。

確かに、作陶をするシーンの撮影は出演者やスタッフに負担を掛けると思うが、それこそナレーションを上手く使って、手首は映さなくても如何様にも心の変化と手技の変化は描けると思うのだが…

養って貰っている八郎が、なぜ偉そうに喜美子に言うの!?

そして、8分過ぎに、意外な台詞が八郎から放たれた。八郎の受賞作品をどこに飾るか揉めた結果、八郎が「かわはら工房」に持って来ると言う解決方法を選んだと言うのを、喜美子に話す流れで言ったこの台詞↓だ。

八郎「僕が片づけるさかい 喜美子は やりぃ。
   ずっと 作りたいと思てたんやろ。
   ジョージ富士川さんに会うてから」

好意的に本作を見ている人や、面白い、感動的と感じて見ている人は、この台詞を “八郎の優しさ” と受け止めるだろう。しかし、ニュートラルな気持ちで見ている私には、なぜ八郎が喜美子に、まるで “上から目線” のように指図をするのか…と、見えてしまった。

だって、八郎は基本的に受賞作品を作るのが日々の “仕事(と言うか、やるべきことと言うべきか?)” で、川原家の家計を支えているのは喜美子の陶器の量産による “仕事” と “稼ぎ” のはず。ぶっちゃけちゃえば、八郎は喜美子に養って貰っているような状態。

逆の視点で言えば、喜美子が八郎を含めた川原家を養っている状態。そんな喜美子が量産をしながら、芸術作品を作れるはずが無いのに、「喜美子は やりぃ」って???

耳障りの良いカッコいい台詞に頼り切って映像化から逃げる!!!

正直、「描かれなかった約5年間」のあと、喜美子が陶器の量産に日々明け暮れていたと言う印象はない。そう、映像的にたくさん描かれていない。しかし、前述の八郎の “耳障りだけは良いカッコいい台詞” によって、視聴者へ “喜美子は陶器の量産に日々明け暮れていた” と言う印象を植え付けて、映像化から逃げた。

本作って、いつもこう。序章式のシーンでも、この “耳障りだけは良いカッコいい台詞” に頼り切って「映像化から逃げた」のはあった。

八郎と、役所勤めの信作(林遣都)、窯業研究所の所長・柴田寛治(中村育二)、美術商の佐久間信弘(飯田基祐)、丸熊陶業社長・敏春(本田大輔)らの関係も、今回の八郎とのやり取りを見れば、以前より親しく深まっているのは分かる。分かるが映像化はされていない。

ただ、八郎の「みんな もめてたからな」と、まるで八郎が口を出せば “鶴の一声” のように言うことを聞くって感じに仕上げてしまった。だから、八郎に不快感が漂ってしまう。

もっと、八郎が周囲の支えてくれている人たちへの “感謝” を描いたら良いのに、ジョージ富士川を連れて来るのも、照子(大島優子)を利用したように見えてしまった。こんな “耳障りだけは良いカッコいい台詞” に頼り切って「映像化から逃げる」ことばかり続けていても、登場人物への感情移入なんて遥か遠いことだと思う…

脚本と演出に「だったら、そう書(描)けば良い」と言いたい!

10分過ぎの百合子(福田麻由子)とマツ(富田靖子)の会話、それを横で聞いてい八郎も同じこと。

百合子「最近 やっと泣かんと 言えるようになったわ…」
マ ツ「せやな 百合子は 思い出しては グズグズ泣いてたもんな」

前回の感想で書いた通り、父・常治(北村一輝)の葬儀(普通は、通夜と告別式)に来なかった直子(桜庭ななみ)とのナレーションがあったアバンは告別式の直後で、直子が川原家に戻って来たのが四十九日法要と納骨式の後、更に八郎の受賞式が桜咲く春だから、2か月以上は百合子がグズグズ泣いていたことになる。

TBSのバラエティー番組『プレバト!!』の俳句の夏井いつき先生の口癖を拝借すれば、「だったら、そう書けば良い」のだ。

カッコいい言葉を並べて、遠回しにあれこれ言わずに、思ったことをそのまま書くべき…と言う教えなのだが、本作の脚本家と演出家には、正に「だったら、そう書(描)けば良い」と言いたい。いつも言うように、日めくりカレンダーの1カットと、仏壇の前で泣く百合子の1カット、それを見守るマツの3カット、10秒間もあれば済むのだ。

カッコいい台詞と俳優に頼り切って、行間は視聴者に丸投げ!!!

もう、いちいち台詞を拾うのも苦労なので一部だけ拾うが。12分頃の粘土を練る喜美子の手が進まない。それを見た八郎が大泣きする喜美子を抱き寄せる。

八郎「お義父さんのことが浮かぶんやな」
   N「喜美子は 八郎の腕の中で泣きました」

これも、本作が良くやる、もう手抜きと言って良いだろう。前述の「耳障りだけは良いカッコいい台詞に頼り切って映像化から逃げる」と言う手抜きだったが、今回のは「耳障りだけは良いカッコいい台詞と俳優が醸し出す雰囲気に頼り切って、行間は視聴者に丸投げする」と言う手法だ。

この手抜きの最近の代表作が、常治の死の場面。絵皿の大きさやご飯の食べ方などの本来は細心の注意を払って演出すべき部分を、演出家たちがきちんと精査せずに、耳障りだけは良いカッコいい台詞と俳優が醸し出す雰囲気に頼り切ったから、当blogにも「朝ドラのヒロインの父親の死の場面で泣けなかったのは初めて」なんてコメントが届いてしまうのだ。

久し振りの "喜美子の覚醒" に八郎を絡める必然性が無い!

う~ん、誰の発案何だろう。「何が何でも喜美子と八郎の2ショットをたくさん盛り込め!」と脚本家や演出家らに指示を出しているのは?

今回の終盤の “喜美子が覚醒” していく過程の描写に、八郎は必要だろうか? 喜美子が土をいじり始めても上手く行かない…と言うことが、何日も続いたように映像化して…

そこで入れるなら「喜美子は 父の常治のことが浮かんで 悲しくて 手が思うように動きませんでした」くらいのナレーションを入れて、あとは、ジョージ富士川と描いた大きな絵を前で戸田恵梨香さんの演技力で “喜美子の覚醒” を演じて貰うだけで良かったと思う。いちいち、喜美子に八郎を絡める必要はないと思う。

あとがき

予告編で、陶芸家となった喜美子が弟子を迎えることになっていましたね。八郎が一人前の陶芸家として認められるまで「5年以上」は掛かりましたから、年明けは最低でも「4年後」ですね。どうせ、喜美子が弟子を迎えられる腕前にまでなった過程は端折るんでしょうね。今回の予告編を見て、がっかりしました。

最後に。3か月間、『スカーレット』の感想にお付き合い頂き、ありがとうございました。

--------------------------  ここから追記  --------------------------
【追記 2019/12/28 16:42】
「あとがき」の1段落を読んで、私の本作の感想が今回で最後と思われた方が多数いらっしゃるようなので、敢えて宣言します。本作の鑑賞も感想の投稿も離脱するつもりはありません。ただ、年明けの第78回次第では分かりませんが。

誤解を招くような書き方になったようですが、私はだだ「こんなモヤモヤとグダグダな朝ドラを毎日観て、更に愚痴だらけの感想を “3か月間も” 読んで下さったことへの感謝を伝えたつもりです(謝)
--------------------------  ここまで追記  --------------------------

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【これまでの感想】

第1週『はじめまして信楽(しがらき)』
1 2 3 4 5 6
第2週『意地と誇りの旅立ち』
7 8 9 10 11 12
第3週『ビバ!大阪新生活』
13 14 15 16 17 18
第4週『一人前になるまでは』
19 20 21 22 23 24
第5週『ときめきは甘く苦く』
25 26 27 28 29 30
第6週『自分で決めた道』
31 32 33 34 35 36
第7週『弟子にしてください!』
37 38 39 40 41 42
第8週『心ゆれる夏』
43 44 45 46 47 48
第9週『火まつりの誓い』
49 50 51 52 53 54
第10週『好きという気持ち』
55 56 57 58 59 60
第11週『夢は一緒に』
61 62 63 64 65 66
第12週『幸せへの大きな一歩』
67 68 69 70 71 72(Vol.1) 72(Vol.2)
第13週『愛いっぱいの器』
73 74 75 76(Vol.1) 76(Vol.2) 77

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常治とジョージ>『スカーレット』第78話

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連続テレビ小説『スカーレット』第78回

内容照子(大島優子)と八郎(松下洸平)が、ジョージ富士川(西川貴教)を川原家に招き、喜美子(戸田恵梨香)を驚かせる。そしてジョージは。。。。敬称略八郎「喜美子は、やりぃ!」。。。って。。。。。。。違うんじゃ?なに、この上から目線。

【スカーレット】第78回(第13週 土曜日) 感想

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Author : みっきー

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★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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