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スカーレット (第77回・2019/12/27) 感想

連続テレビ小説「スカーレット」

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』公式サイト
第13週『愛いっぱいの器』の 『第77回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


東京から帰ってきた直子(桜庭ななみ)は勤めていた会社を辞め、連れてきた同僚・鮫島(正門良規)と大阪で商売を始めると宣言。喜美子(戸田恵梨香)たち家族を閉口させる。そして八郎(松下洸平)からジョージ富士川(西川貴教)が信楽で実演会を行うことを聞く喜美子。だが当日、武志が熱を出し、喜美子が残って看病することに。一方、信作(林遣都)に呼び出された百合子(福田麻由子)は待ち合わせ場所で肩を抱き寄せられて…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

まえがき

前回の感想は、忙しない中で書いたため、結果的に「前後編」のようになってしまったから、今回は最初からキッチリと書くつもり。だって、もしかしたら、あと2回で本作の感想が終わる可能性も無きにしも非ずだから。

アバンタイトルの冒頭から引っ掛かる…

さて、アバンタイトルの冒頭から引っ掛かる。よりによってファーストカットが、この時点では視聴者は名も知らぬ男が、雪の降る寒空に一人立たされているシーンで始まった。「立っている」のでなく「立たされている」と分かるのは、男を演じる正門良規さんの演技によって、今回が初見の人でも十分に伝わると思う。

そして、寒空に立たされる謎の男のシーンに、例の「大皿」の話を喜美子のすぐ下の妹の直子(桜庭ななみ)へ自慢げに話す喜美子(戸田恵梨香)の台詞だけでが先行して来る。そんな今回のアバンだったが、私はてっきり前回のラストの直子と喜美子のこのやり取りを引用すると思っていた。

直 子「うっとうしい 暑苦しい 元気なお父ちゃんしか記憶にない」
喜美子「ええなあ 元気なお父ちゃん」

そして、喜美子と八郎(松下洸平)との結婚式の日の白黒写真がインサートされて、喜美子、直子、喜美子の一番下の妹・百合子(福田麻由子)、八郎、母・マツ(富田靖子)、4歳になる男の子・武志(又野暁仁)の今の川原家6人全員集合のカットを長めに編集し直して主題歌に行ったら良かったと思う。

なぜなら、脚本家が話を進めたいのは理解できなくもないが、今回の主題歌明けまでは、川原家は「喪中=故人を忍ぶ期間」であるのだから、第三者を印象的に描いて欲しくなかったから。前回の直子と喜美子のやり取りと、それを見守る家族のカットで、ある意味で喪中とは言え前進する川原家を描いて欲しかったのだ。

直子の「陶芸の話は もうええよ」は脚本家の死者への冒涜

しかし、現実の『スカーレット』では、前述の通り、例の「大皿」のことを、それも作ったのが八郎だと自慢する喜美子で始まった。

と言うことは、普通に考えれば、娘たちや家族にとって「元気なお父ちゃん」が最後の印象になったのは良かった…と、しみじみ思っている時に、喜美子は「ほんで お父ちゃんがな おいしいごはん食べられるようになったら ええな思って…」と語り始めことになる。

う~ん、この話をやるなら、やはり、「大皿」は仮位牌の横にあるべきだ。百歩譲って、仕事場から謎の男を外に出した後の仕事場で「大皿」を前に語り合うべきだった。その上、脚本家は直子にこんな台詞を言わせちゃう。

直子「陶芸の話は もうええよ」

大袈裟に言わせて貰えるならば、死者への冒涜だ。脚本家は「常治が死んだので、新しい男性キャラで話を進めま~す」と言わんばかり。だから、ここ数日毎日書いているのだ。

「人の死」を、ドラマを “盛り上げるためだけの材料” に使うのには、刑事ドラマは別にして、特に “ホームドラマ” で扱うのには反対だ。その上で、ホームドラマで「人の死」を扱うなら、手厚く扱って欲しい…と常に思っている、いや願っている…と。

マツの「四十九日 済んだばかりやで」に違和感と不快感

なのに、本作の脚本家は見事に裏切った。常治と家族の思い出話を、話を次に進めるクッション材に利用してた。その上、困った台詞をマツが言った。

マツ「四十九日 済んだばかりやで」

少なくとも、前回の冒頭では、白木の仮遺影に仮仏壇だった。と言うことは(遺骨は映っていなかったが)納骨式前だ。

まあ、時代や宗派によって違いはあろうが、劇中は昭和40年(1965)だから、一般的な仏教の法要なら、四十九日と納骨式は一緒(同日)に執り行うはずで、私は前回の仕事場での喪服の喜美子と八郎は告別式の直後だと、勝手に思い込んでいた思っていた。

だって、前回のアバンの冒頭でナレーションが「直子はお葬式にも間に合いませんでした」と言ったから。更に前回の10分過ぎに直子が帰って来て手を合わせたのも白木の仮遺影に仮仏壇だった。だから前回と今回のアバンは告別式当日の午後から夜と言う設定に見えた。

なのに、今回のアバンでマツは「四十九日 済んだばかりやで」と言った。だとしたら、白木の仮位牌から「塗位牌」、「唐木位牌」、「回出位牌」と言われる黒塗りの本位牌になっていないとおかしい、これは1か月前に母の本位牌を菩提寺と相談して作った私が言うのだから間違いないはず。

とすると、前回のアバンの冒頭の「直子はお葬式にも間に合いませんでした」の直後の主題歌中に49日が経過して、主題歌明けの喪服を着た喜美子と八郎は、四十九日法要と納骨式の帰り? と言うことになる。確かに、今回のアバンでは白木の位牌は映っていないが。それとも私が時間経過のナレーションを聞き逃したのだろうか?

とにかく、話の雰囲気をコロリと明るくしたいがために、考え過ぎと言われようが「人の死」を軽率に扱った本作への不快感は例えようがない…

直子は自由に生きたら良いと思う。ただモデルを考えると…

主題歌明けの直子が勤めていた会社を辞め、連れてきた同僚・鮫島(正門良規)と大阪で商売を始めると宣言したのは、どうでも良い。

脚本家が、どんな理由があろうと、最終的に父親の死に際に立ち会えるのに立ち会わない選択をした娘だから、「うちは これからの人生 思うようにやらせてもらいます!」と言ったように、好きにやったら良いと思う。

ただ、喜美子のモデルと言われている神山清子さんの陶芸家以外の壮絶な人生(ここでは書かない)を救うために、清子の兄弟(実際は弟と妹)が運命の鍵を握るから、それまで、直子と百合子は健康で生きていていなければ困る…と言うだけ。もちろん、本作はフィクションだから、そうなるとは限らないが。

川の字の寝方と、八郎が喜美子の髪を束ねたゴムを解くのが

昼間に直子が出て行った直後のシーンは、喜美子と八郎の夜の寝室。枕カバーを整える喜美江のカットの前に、夜の「かわはら工房」の看板入れ込みの雪降る夜景の情景カットでも挟めば良いのに、明らかに手抜きで室内に直結。でもって、また嫌な予感が漂う演出。

普通(を、やらないのが本作だが)は、親子3人が川の字で寝る時は、子どもが真ん中じゃないの!? なんて思って観ていたら、八郎がぎこちない手付きで、唐突に喜美子の髪を束ねていた輪ゴムを取って、髪に触れて乱れを直した。考え過ぎだと思うが、これ夫婦の秘め事を視聴者に想像させ、視聴者が喜ぶとでも思っての脚本と演出なのか?

まあ、イチャイチャについては常治の死の時は封印されていたが、前回で完全復活したから驚くことではないのだが、今作の演出(演技指導含めて)では、「喜美子と八郎の距離」が異常に近過ぎる。確かに夫婦が近くで話すのは悪くないし、イチャイチャするのも愛情表現なのは大いに認める。

しかし、どう好意的に見ても「喜美子と八郎の距離」が異常に近過ぎる。人間にはそれぞれ他人に近付かれると不快に感じる空間 “パーソナルスペース” があって、男女差や個人差もあるのだが、一般的に見ていて自然な “パーソナルスペース” はあって、それを意識して演出するのが当たり前。

本作の演出家たちは、それを意図的に壊して、違和感を作り出し2人が愛し合っている、誰よりも親しい…と演出しているつもりになっている。これが困る。きっと「夫婦にスキンシップは大事」とか、「夫が妻の髪に触れるなんて素敵」と思う視聴者もいるだろう。

しかし、やはり私には、イチャイチャと言うように見えている段階で、既に不快なのだ。こんなの演出でも物語でも何でもない。ただの、雰囲気の押し売りであり、時間の無駄遣いでしかない。これを垂れ流しても何も生まれないのに。

これ、普通に、直子が出て行って、夜の風景カットになって、既に川の字の真ん中に武志が寝ている状態で始まって、武志を挟んで「自由や!」とやって、「武志が起きちゃうから」と喜美子が言って終わっていたら良かったと思う。なのに、更に意味深にじゃれ合って…。喜美子と八郎と演出家にこう言いたい。「四十九日 済んだばかりやで」と…

武志は "ええ子" に育ったから、熱発して両親にお灸を!?

で、翌日だか何だか知らないが、ジョージ富士川(西川貴教)の実演会に行く予定だった日曜日に、武志が熱発。両親が夜中に激しくて、寝付けず熱発したとか? まあ、前回で “ええ子” に育った愛息だから、両親に「お盛んが過ぎますよ」とでも言ったとか(苦笑)

八郎が喜美子を喜ばせるため遊んでいるようにしか見えない

更に困ったのが、今回の八郎。常治の初七日前ならともかく、四十九日は済んでいる割に、全く仕事をしている気配がない。今回の終盤なんて、病気の息子と看病をする妻を置いて、一人で実演会に行った。家計は決して良くないように描かれているのに、喜美子も陶器の量産もしていないのだから、働かないと。

これ、仲がいい夫婦と言うのを描きたいならイチャイチャやスキンシップでなく、工房で喜美子は量産、八郎は作品作りに没頭している姿を描くべきでは? これでは、八郎が喜美子を喜ばせるために、仕事そっちのけで遊んでいるようにしか見えない…

あとがき

有り得ないことや、都合の良いことが起こるのが、ドラマであり朝ドラなのですが、今回の流れでジョージ藤川が喜美子に会いに来るのは、ちょっとやり過ぎに思いました。恐らく、1か月以上遊んでいた八郎が、ジョージ藤川の作品作りに刺激を受けて作陶に目覚め、その八郎に喜美子も影響を受けた…で、年内は終わりですね。

年明けから、3か月分を忘れて、第1回のつもりで見れば良いのでしょうか。

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【これまでの感想】

第1週『はじめまして信楽(しがらき)』
1 2 3 4 5 6
第2週『意地と誇りの旅立ち』
7 8 9 10 11 12
第3週『ビバ!大阪新生活』
13 14 15 16 17 18
第4週『一人前になるまでは』
19 20 21 22 23 24
第5週『ときめきは甘く苦く』
25 26 27 28 29 30
第6週『自分で決めた道』
31 32 33 34 35 36
第7週『弟子にしてください!』
37 38 39 40 41 42
第8週『心ゆれる夏』
43 44 45 46 47 48
第9週『火まつりの誓い』
49 50 51 52 53 54
第10週『好きという気持ち』
55 56 57 58 59 60
第11週『夢は一緒に』
61 62 63 64 65 66
第12週『幸せへの大きな一歩』
67 68 69 70 71 72(Vol.1) 72(Vol.2)
第13週『愛いっぱいの器』
73 74 75 76(Vol.1) 76(Vol.2)

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自由>『スカーレット』第77話

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連続テレビ小説『スカーレット』第77回

内容直子(桜庭ななみ)が帰ってきた。喜美子(戸田恵梨香)たちに、涙ながら、父とのことを語りはじめる直子。そして一息ついた直子は、同行した同僚・鮫島正幸(正門良規)と会社を辞めてきたことを打ち明ける。大阪で商売をするという。敬称略それにしても。ジョージの見せ方が、雑すぎて。。。全くサプライズ感が無いという。どうしようも無い状態だね。予告で分かっていることとは言え。もうちょっと、ナントカならなか...
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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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