スカーレット (第64回・2019/12/12) 感想

連続テレビ小説「スカーレット」

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』公式サイト
第11週『夢は一緒に』の 『第64回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


照子(大島優子)の出産の立ち会いで帰宅が遅くなる喜美子(戸田恵梨香)。家では事態を知らない常治(北村一輝)とマツ(富田靖子)が口論に。話の流れで常治とマツの馴れ初めが蒸し返されると、百合子(福田麻由子)は常治に嫌悪感を抱く。そんな中、喜美子が八郎(松下洸平)に付き添われ帰宅する。久しぶりに対面する八郎と常治。八郎は帰ろうとするが常治が呼び止める。ついに八郎が喜美子との結婚の許しを乞う挨拶の続きを…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

「ハレンチさん」をやりたくて「八郎」にしたとしたら…

先日も、下記のような常治(北村一輝)とマツ(富田靖子)の似たようなやり取りがあった。今回のアバンタイトルでも。

常治「どこのハレンチさんやら。ハレンチや!」
マツ「八郎さんや!」

これ、脚本を書き始める段階で、“ハレンチ” と聞き間違えるような名前として「八郎」を考えて設定したとすると、やはり、これを「流石!」と思えないと、本作、特にこの2週間近くで描かれている恋バナには面白味を感じないと思う。

因みに、喜美子(戸田恵梨香)のモデルとなっている、信楽焼の女性陶芸家の草分けで実在の陶芸家である神山清子(かみやま・きよこ)さんに「喜美子(きみこ)」は由来していると想像できるが、神山清子さんのご主人は神山易久(かみやま・やすひさ)さんですから、「八郎」は完全な創作。この辺のセンスを受け止めないと、まだまだ、私を含めた「モヤモヤしつつも離脱する程でもない人」には厳しい日々が続きそうだ。

大阪時代に喜美子と八郎が出会っていた方が良かったような

また、アバンでは常治とマツのこんなやり取りもあった。

マツ「大阪から来はった言うてたからなあ」
常治「誰がや」
マツ「八郎さんや この夏にな」
常治「大阪… お前… お前 まさか お前…
   お前 大阪におった時から お前…
   あれしとったんちゃうやろな
   それやったら 結構長いよ お前…」

常治の嘘で半ば強引に大阪から信楽に戻るよりも、例えば、大阪時代に医学生の圭介(溝端淳平)が荒木荘を出て行ったあとに八郎(松下洸平)が引っ越して来るとか、「歌える喫茶 さえずり」の客として来て喜美子と話している内に実は八郎が信楽焼に興味を持っている青年で、徐々に喜美子と意気投合して、一緒に陶芸で一旗揚げよう…みたいな展開でも良かったのでは?

それなら、失恋から立ち直るためにも、八郎に興味を抱くのも今の状態よりは自然だし、常治を悪者扱いせずに済んだし。まあ、終わった話だが…

常治と百合子のやり取りも実にホームドラマらしかった…

さて、娘の喜美子が常治にとっては、今でも3歳児の頃ように何をしでかすか心配でしょうがないと言うホームドラマあるある的な「娘を嫁にやる過保護な頑固親父の苦しみ」を面白おかしく描いて始まった今回。主題歌明けも百合子(福田麻由子)が常治に嫌悪感を抱くくだりも、まあホームドラマだ。

ハイテンションの喜美子が雰囲気をぶち壊した!

ただ、夜遅くウキウキで帰宅した喜美子が画面に登場した途端に、ドラマの雰囲気が一変した。

照子(大島優子)の出産に立ち会ったからハイテンションなのは分かるが、あの戸田恵梨香さんの演技は明らかに過剰。恐らく現場で演出家によって加えられたと思うが、あそこまでハイテンションで無い方が、次の常治との会話劇にギャップが生まれないのに現場でやっちゃう。こう言う演出が今週は多い。

多分、演出家は、ちょっと盛った感じが “本作らしさ” だと信じているはず。ここ最近のイチャイチャも同じ部類。もちろん、演出家が “本作らしさ” に拘るのは間違っていない。間違っていないが、「描くべき部分」と「見せるべき部分」が見えなくなったり、見え難くなったり、見たくなくなるような演出はやらない方が良いに決まっている。

これを蛇足と言うのだ。何事もやり過ぎは禁物。でも、それを “本作らしさ” と勘違いしているのだから、次週で演出家が交代するのを待つしかない…と言うわけだ。

喜美子と常治がじゃれ合うのも蛇足のアドリブ!

で、いよいよ(さっさと…かな?)常治と八郎の直接対決が始まって一件落着の目が見えて来た8分頃。また、演出の蛇足が始まった。じゃれ合う喜美子と常治からは、ほぼアドリブ。ここも撮影現場で “上げ底” された演出と演技だと思う。

撮影現場では楽しいのかも知れないし、こう言うのが面白いと言う視聴者もいると思うが、やはりドラマの筋書きとしては蛇足なのだ。こう言うのが無くなるのを待つしかない…

終盤5分の常治の台詞と、北村一輝さんの名演技が光った!

しかし、アドリブじゃれ合いが終わった10分前後からの、八郎と常治を中心にしたやり取りは意外に良かった。いや、アバンで「娘を嫁にやる過保護な頑固親父の苦しみ」を描いて、終盤では、「自分が好きで一緒になったマツを幸せに出来ていないダメ親父の吐露」で、八郎への思いを切々と伝えるシーンは良かった。

常治の八郎への言葉が、粗雑な言い方から丁寧な口調に変わって行くのも中々巧みだ。

常治「八郎君は 今 丸熊陶業の商品開発室というところで
   社員さんでおられるやろ」

この「おられやろ」に常治が喜美子を託すのに値する人間であると判断したように思えた。関東では「おる」そのものが謙譲語で、「られる」は尊敬語だから、「おられる」には違和感を覚えて「いらっしゃる」とよく使う。

しかし、関西では「おる」が一般的な動詞だから、「れる」が付くと、常治が素直に八郎を尊敬しているのが伝わる…と、脚本家が考えて書いたかは分らぬが、北村一輝さんの名演技のお陰もあって、社員で若社長に認められているのも尊敬するが、夢よりも現実、生活、お金を大切にして欲しいと願う常治の心情は、しっかりと描いたと思う。

あとがき

「好きなことだけやって、生活は出来ない」と思っている常治と、「夢を喜美子と共有したい」と思っている八郎、どっちの言い分も正論に聞こえて迷う喜美子…と言う感じでしょうか。アバンと終盤の5分だけあれば済む話でしたね。今回で照子が出産する必要なんて全くありませんでした。

このように、ここ最近の脚本と演出には蛇足と穴が多いのです。そこが少なくなるだけでドラマの骨格が見えて来ましたね。だから、まだ離脱は出来ません。とは言え、肝心な「陶芸と言う仕事」が全く見えていないのは問題ですが。でも、ここ最近では、ホームドラマ、恋バナ、ヒロインの結婚話としては良かったと思います。

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【これまでの感想】

第1週『はじめまして信楽(しがらき)』
1 2 3 4 5 6
第2週『意地と誇りの旅立ち』
7 8 9 10 11 12
第3週『ビバ!大阪新生活』
13 14 15 16 17 18
第4週『一人前になるまでは』
19 20 21 22 23 24
第5週『ときめきは甘く苦く』
25 26 27 28 29 30
第6週『自分で決めた道』
31 32 33 34 35 36
第7週『弟子にしてください!』
37 38 39 40 41 42
第8週『心ゆれる夏
43 44 45 46 47 48
第9週『火まつりの誓い』
49 50 51 52 53 54
第10週『好きという気持ち』
55 56 57 58 59 60
第11週『夢は一緒に』
61 62 63

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内容その夜、毎日のように挨拶にやって来た八郎(松下洸平)が来ないことに、常治(北村一輝)はマツ(富田靖子)に不安を伝える。喜美子(戸田恵梨香)と駆け落ちをしたのでは!?と。常治とマツのやりとりに、百合子(福田麻由子)は。。。。そこに喜美子が八郎とともに帰ってくる。照子のお産に付き添っていたと。。。。敬称略常治「大阪におったときから。。。」だったら“連ドラ”として、良かったのに。。。(苦笑)

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