スカーレット (第63回・2019/12/11) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』(公式サイト)
第11週『夢は一緒に』の
『第63回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
結婚を約束した喜美子(戸田恵梨香)と八郎(松下洸平)。交際の挨拶で八郎が川原家を訪ね、常治(北村一輝)に頭を下げるが常治はまともに取り合わない。八郎はその都度出直して来るも、ついには約束をすっぽかされる始末。温厚な八郎はめげずに前向きだが、百合子(福田麻由子)とマツ(富田靖子)が常治の態度に怒り出す。一方、会社では身重の照子(大島優子)が喜美子を訪ねる。交際の進展を聞こうとするが、突然産気づいて…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
今回、一先ずリセットして15分を見た感想を率直に書こうと思う
私としては、かなり思い切って書いた『モヤモヤしつつも離脱する程でもない人向け』と題した感想に、予想以上の69回(投稿時点)ものWeb拍手を頂いたことに大変驚いている。そして、“モヤモヤしつつも離脱する程でもない人” が、たくさんいることも改めて知った。
と言う訳で、今回は、一先ずリセットして15分間を見た感想を率直に書こうと思う。と言うことは、作風や俳優への “好み” や、「陶芸はどうなってるの?」的な部分は、一旦排除して…と言うことになる。
リセットすれば「朝ドラらしい頑固オヤジと娘のカレシの関係」に見える
その目線で、今回のアバンタイトルから見ても、結構「朝ドラあるある的な、頑固で偏屈な父親と娘の結婚相手の男とのやり取り」に見えたし、恐らく脚本家も演出家も、そのつもりで創っているのが伝わっては来た。
北インドを代表する弦楽器・シタールを使った劇伴を使用することで、インドの社会に昔から根付いている強力な階級社会であるカースト制度を彷彿させ、 常治(北村一輝)と八郎(松下洸平)の立場の違いを面白おかしく劇伴で演出しようとする演出意図も分かる。
「うちが選んだ人や。心配いらんで?」と言う喜美子(戸田恵梨香)で、結果的に喜美子と八郎が結婚することも分かる。
「今日も明日も次の日も…」の演出は大きな疑問を生んだ!
ただね。今日も次の日も、また次の日も…と言う時間経過のやり方は、面白味を生むのは確かだが、その反面で「喜美子と八郎は仕事をしているの?」と言う疑問に繋がるのだ。
やはり、ここは、せめて、せめて、定時勤務が終わって、その後の2時間の八郎から喜美子が作陶を教わり、そこから急いで常治に会いに川原家に向かって走って、息が切れている…みたいな描写をセットで「何べんも」や「日ぃ改めて」をやるべきだった。
脳内補完で喜美子と八郎は仕事をしているように見えるが…
で、7分過ぎに、やっと描かれた喜美子の仕事の様子が、例の試作品だった喜美子の薔薇のデザインの火鉢に筆を持って絵付けをした2カット10秒。これ『なつぞら』のなっちゃんの絵コンテペラペラといい勝負の短さ。まあ、前述の通りで無いよりはマシ。定時に仕事が終わったことも描かれた。
でもね。問題なのは、八郎が仕事をしている様子が描かれなかったこと。まあ、喜美子が部屋に入って来る前まで上皿天秤はかりが置いてあったから、何らかの仕事をしていたように、好意的に脳内補完は出来るが。
喜美子と八郎が「仕事とお金」に"緩い"ように映ったのが残念
さて、この感想の最初に書いた通り、今回の感想では作風や俳優への “好み” や、「陶芸はどうなってるの?」的な部分は、一旦排除して書くと言った。となると、この15分間を見て、ずっと気になったのは「仕事とお金」だ。モヤモヤは嫌だから、映像から伝わることだけで判断する。
まず、八郎は仕事をしているようで、実は何の仕事をしているのさえも分からずに、その上で殆ど仕事をしている印象が無い。前回で、若社長・秀男(阪田マサノブ)が八郎を「将来有望な陶芸家」みたいな表現をしていたが、若社長は経営改革をすると言う立場なのだから、 商品開発室として成果を出していなければクビになってもおかしくない。
まあ、ここで “若社長の贔屓目” との脳内補完をやれば済む訳だが。また、喜美子に対してもマスコットガールであると言う “若社長の贔屓目” の脳内補完をすれば済むが、喜美子の絵付け師としての仕事を描かないと、川原家の常態化している貧困の問題や、喜美子の一番下の妹・百合子(福田麻由子)の進学問題はどうなるのか? と言う疑問も湧いて来る。
今こそ、喜美子が「川原家を背負って」働く姿を観たいのに…
だって、今回なんて、わざわざ身重の照子(大島優子)を登場させて、こんな台詞まで言わせた。
照子「喜美子は子どもの頃から川原家を背負ってきて
この先も 家をしょっていかなあかん」
前回での、喜美子と八郎の結婚を応援する様子だった照子と秀男夫婦から想像するに、少し前に喜美子が若社長に昇給を直談判して受け入れられたことも含めると、喜美子はこれまで以上に「川原家を背負って」働くのが、これまでの喜美子でないのか! と言う大きな疑問にぶち当たる。
そして、細かなことを言えば、照子の身重の状況から八郎が新入社員で入社してから時間経過しているのは分かるが、八郎と喜美子の月給が、二人が互いに一目惚れして職務時間外の作陶を始めてから、そんなに昇給したようには思えない。だとすると、やはり、働いていないようにしか見えない、
良くも悪くも “恋は盲目” 的な描写は、これまでの『スカーレット』とは明らかに乖離した状態であるのは間違いない。そこを何とかして欲しい。
喜美子が「仕事とお金」そっちのけで八郎に入れ込むのが…
この章は、私の妄想として書く。例えばフカ先生と常治の時のように、「将来有望な陶芸家」である八郎が、たまたま居酒屋「あかまつ」に飲みに来ており、そこで真面目で誠実な八郎に常治が “一目惚れ” して、常治主導で喜美子と見合いの席を強引に作って結婚させちゃうなんて作戦もあった。
フカ先生を師事して喜美子が弟子入りを願い出るタイミングで、同時にフカ先生を捜し歩いて丸熊陶業に辿り着いた八郎と喜美子が運命的な出会いをすると言う作戦もあった。
でも、もう、そう言う「あの時、ああやっておけば…」を言っても無駄なことは、前回の感想で書いたので止めよう。とにかく、恋バナも結婚も描くのは良いと思う。お年頃の男女のお話だし。でも、喜美子が「仕事とお金」のことをそっちのけで、八郎に入れ込み過ぎるのだけは、ドラマとしてどうかと思う。
陶芸展に出品することが「川原家を背負って」に見えるか…
まあ、この脚本家のことだから、多分仕事は暫く描かないだろう。描くとすれば例の「将来有望な陶芸家」と言う設定と、今回の会話に出て来た「百貨店での作品展」をフラグに使って、喜美子と一緒に、ある陶芸展で受賞したら常治が結婚を認める…って展開じゃないかなと。これは、飽くまでも私の勝手な妄想だ。
でも、こんなストーリーにしないと結婚話と陶芸を絡めて、今週の『夢は一緒に』と言うサブタイトルにはならないから。ただ問題は、陶芸展に出品することが “仕事” と “お金” に結び付くように脚本家が書けるかどうか。そこが、今週の見所かも…
あとがき
もう、過ぎたことはしょうがないので、とにかく、今後の物語に説得力が欲しいです。川原家は喜美子の結婚話だけにやきもきしていられるような経済状態なのかとか、喜美子にとって絵付け師の仕事はどうなっているのかとか、八郎は喜美子と結婚する以外に自分がやるべきことは無いのかとか。
とにかく “穴” が多過ぎるので、そこの埋め合わせを年内いっぱいやって貰って、モヤモヤを少しでも消して、年明けに新キャラ登場でガラリとやったら良いと思います。今回を見てもまだ“モヤモヤしつつも離脱する程でもない人”の皆さん、一緒にモヤモヤを共有して、望みに繋げましょう!
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【これまでの感想】
第1週『はじめまして信楽(しがらき)』
1 2 3 4 5 6
第2週『意地と誇りの旅立ち』
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第3週『ビバ!大阪新生活』
13 14 15 16 17 18
第4週『一人前になるまでは』
19 20 21 22 23 24
第5週『ときめきは甘く苦く』
25 26 27 28 29 30
第6週『自分で決めた道』
31 32 33 34 35 36
第7週『弟子にしてください!』
37 38 39 40 41 42
第8週『心ゆれる夏
43 44 45 46 47 48
第9週『火まつりの誓い』
49 50 51 52 53 54
第10週『好きという気持ち』
55 56 57 58 59 60
第11週『夢は一緒に』
61 62
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