スカーレット (第61回・2019/12/9) 感想

連続テレビ小説「スカーレット」

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』公式サイト
第11週『夢は一緒に』の 『第61回』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。


八郎(松下洸平)に精一杯の思いを伝えた喜美子(戸田恵梨香)。しかし抱きよせられたところを常治(北村一輝)に目撃され、怒った常治が八郎を殴り飛ばしてしまう。喜美子は懸命に八郎への思いや陶芸のことを説明しようとするが、常治はまともに話を聞いてくれない。すると信作(林遣都)の手引きで、喜美子は八郎の住まいを訪ねることに。真面目な八郎は、喜美子のことを真剣に考えているが故、喜美子を帰そうとして言い合いに…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

常治の2つの台詞が今の視聴者の気持ちを一番代弁したかも?

4分過ぎの、この常治(北村一輝)の2つの台詞↓が、先週までは好意的に観ていた視聴者の気持ちを最も代弁したのでは?

常治「絵付けの次は 陶芸か お前」

常治「自分でも分からへんねん もうな
   分かってんのはな もう嫌や言うこっちゃ!
   何が あの人と一緒になりたいや もう… あか~ん!」

ここんとこ常治が意外とまともなことを言うようになっているが、今回は、喜美子(戸田恵梨香)の父親としての心情と、先週の展開で疑問を抱いた視聴者の気持ちまで代弁してくれた。ホント、常治の言う通りなのだ。

2大疑問、が頭の中をグルグルと廻った…

前回の感想で、「この『信楽編』も、あの『荒木荘編』のように面白く楽しく感動的な物語になると期待したから、かなり過保護過ぎる位に、好意的な脳内補完をして、応援してきたつもり」と書いた。

しかし、正直言えば、先週1週間と言うか、深野心仙(イッセー尾形)が丸熊陶業を自主退社してから、「なぜ突然に、絵付けをやりたいと言ってプロの絵付け師のもとで3年も修業して何とか一人前になったのに、試作品もほったらかして、ほぼ素人に陶芸を教わってるの?」「なぜ突然に、八郎(松下洸平)と結婚したいって段階まで進んじゃってるの?」と言う、2大疑問が頭の中をグルグルと廻っていた。

それでも、好意的脳内補完で応援して来た。しかし、今回の15分間を見て、ほぼ確信してしまった。恐らく、この先を見続けても、この2大疑問は全く描かれぬまま進むだろう…と言うことを。これは、本当に残念でならない。

前作には"人間の感情の自然な流れに沿った物語"があった…

そして、もう1つ、前回の感想に「『女性アニメーターの草分け的な人』を描くドラマなのに、アニメの仕事は殆ど描かず、酪農だ、十勝だ、じいちゃんだ…と、あれこれ描いたから失敗した。殆ど仕事をしている様子も無くて。たまに仕事をすると持ち帰り残業。子育ても家事も殆ど旦那任せ。そう言うドラマは、主人公と言う“人間”を描いたことにならない」と書いた。

しかし、『スカーレット』の先週分をもう一度見直して今回も見加えた感想としては、『なつぞら』は確かに個々の描写は雑だし大雑把ではあったが、全体の流れと言う観点からすれば、幼少期に絵を描くのが好きで、初めて見たアニメーション映画に触発されて、育ての家族を捨ててまで夢の実現のために上京し、アニメーターとしてやっていく中で、演出家と葛藤をしている内にその演出家と “子どもが安心して楽しめるアニメ” を創りたいとの共通意識のもとで結婚し、演出家の夫と作画監督の妻として成功して行った…と言う “人間の感情の自然な流れに沿った物語” があった。

今作は"本来描くべき部分"が欠落し過ぎて箇条書き以下に!?

しかし、『スカーレット』には、その“人間の感情の自然な流れに沿った物語” が、フカ先生を突然に師事したあたりから薄まった。いや、欠落し始めたと言うべきかも知れない。そう、本来描くべき部分が欠落し過ぎているのだ。ハッキリと言ってしまえば、もはや、「出来事の箇条書き」とも言えないレベル。

だって、本来は八郎がやっている陶芸を見て、ちょっと興味を持ち始めて、真剣に陶芸に取り組む八郎にも興味を抱き、2人の時間を重ねて行くことで、互いの気持ちを確認して、やがて結婚が視野に…とすれば良かっただけ。

なのに、先週と今回のアバンタイトルで描いたのは、陶芸に興味を持ったのは、絵付け師の仕事が減って何となく八郎がやっている粘土いじりに興味を持ったのも、ほぼ一瞬で、あとはずっと八郎自身を “陶芸を教えてくれるいい人” でなく “恋愛対象の男” として好意を持って接していた。そして、今週の冒頭では、既に喜美子は結婚前提と言い切った。

前回の感想にも書いた通り、これなら最初から、お互い一目惚れしていることに気付かずに、視聴者だけが知っていることにして、視聴者を巧みにイライラさせたのちに、先週末で「遂にやった!」って展開にしたら良かったと思う。

女性の人生を描くドラマとして結婚の経緯は丁寧に描くべき

でね、Amazonの『連続テレビ小説 スカーレット 完全版 ブルーレイ BOX1』の内容紹介欄に、こう書いてある。一部を抜粋すると、こんな感じ

戦後まもなく、大阪から滋賀・信楽にやってきた、絵が得意な女の子・川原喜美子。
両親と二人の妹との暮らしは貧しく、頑張り屋の喜美子は、幼いながらも一家の働き手だった。

15歳になった喜美子は、大阪の下宿屋で女中として働きはじめる。
大都会での暮らしと、個性豊かな下宿の人々との出会いは、喜美子をさらに成長させる。

3年後に信楽に戻った喜美子は、地元の信楽焼にひかれ、男性ばかりの陶芸の世界に飛び込む。
やがて愛する男性と結婚し、息子を授かり、仕事にも家庭にもまい進する日々が始まる。

これを、どう思うだろうか? 最初の1行から最後から2行目までは、意外といい感じ。特に、荒木荘での生活の “概略” が結構上手く書けていると思う。ただ、問題は最後の1行。それも「やがて愛する男性と結婚し」が、やはり雑に読めてしまう。もちろん、この文脈だけでは、喜美子の結婚相手が八郎とは断定出来ないが…

そして、正に先週と今回で描いているのは、正に「やがて」ってこと。何度も書いて恐縮だが、女性の人生を描くドラマとして「愛する男性と結婚」するまでの “過程” は重要なのではないだろうか。言うなれば、「やがて」が何なのかを丁寧に描いてくれなきゃ困る…と思うのは、私だけだろうか?

しっかりとした実力のある信楽の作陶の師匠を登場させよ!

第1話の喜美子を思い出せば、本作は「喜美子の陶芸への情熱は消えることがなく、自らの窯を開き、独自の信楽焼を作り出して行くドラマ」だと思って観て来たし、視聴離脱するまでは、そう言うドラマだと思って観るつもりだ。

しかし、この展開で、“信楽の作陶の先生” とは言えぬレベルの八郎と夫婦二人三脚で陶芸の道を模索するのは、流石に無理がある。やはり、フカ先生のような “しっかりとした実力のある信楽の作陶の師匠” が登場しなければ、説得力の乏しい展開が、ダラダラと続きかねない。

そして、更に懸念されるのは、「3年間」と言う枠に嵌めて、荒木荘の女中、絵付け師と来たから、また何かのテンプレートを作り上げて、定期的に騒動を起こして進むだけのようになる可能性も見えてしまった。まだ、結婚したいと思っている段階だから、結婚後のエピソードにしっかりと説得力を持たせる必要があると思う。

あとがき

今回、ほぼアバンタイトルだけで良かったように思います。主題歌明けの常治の出番以外は、ほぼ無駄話でしたね。また、今週の演出家は第7週『弟子にしてください!』と担当した小谷高義氏ですが、折角の良く出来ている冬野ユミ氏の劇伴の使い方も雑に感じました。

これ、思い切って前述の「やがて」の部分をナレーションを上手く活用して、「実は、互いに一目惚れした喜美子と八郎は、朝夕の2時間ずつの作陶の勉強をしながら、お互いが好きだと言う気持ちに気付いて行きました…」とアバンでやって、主題歌明けに「室町時代の信楽焼の欠片」と「お見合い大作戦を欠席」で、めでたしめでたし…とやったら、15分で収まったし、視聴者も納得できたと思うのですが…

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ くる天-人気ブログランキング




★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
連続テレビ小説 スカーレット 完全版 ブルーレイ BOX1 [Blu-ray]
火火 [DVD]
連続テレビ小説「スカーレット」オリジナル・サウンドトラック


★本家の記事のURL →  http://director.blog.shinobi.jp/Entry/13566/


【これまでの感想】

第1週『はじめまして信楽(しがらき)』
1 2 3 4 5 6
第2週『意地と誇りの旅立ち』
7 8 9 10 11 12
第3週『ビバ!大阪新生活』
13 14 15 16 17 18
第4週『一人前になるまでは』
19 20 21 22 23 24
第5週『ときめきは甘く苦く』
25 26 27 28 29 30
第6週『自分で決めた道』
31 32 33 34 35 36
第7週『弟子にしてください!』
37 38 39 40 41 42
第8週『心ゆれる夏
43 44 45 46 47 48
第9週『火まつりの誓い』
49 50 51 52 53 54
第10週『好きという気持ち』
55 56 57 58 59 60
第11週『夢は一緒に』

関連記事
スポンサーサイト



トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

夢は一緒に>『スカーレット』第61話

​​​​​​​​​​あのう… ここだけの話なんだけど この脚本家さんの他作品は知らないので 一概には言えないのは分かってるけど もしかして ひょっとするとひょっとして… ラブストーリー描くの 苦手だったりとかしてない? あ、いや あくまでも邪推です>ぉ …ひじゅにですが何か? ​「お前は黙って一緒に蟻を見てくれる方やな」​by信作 ↑ここのとこさ 修二&角ケ谷@『群...

夢は一緒に>『スカーレット』第61話

​​​​​​​​​​あのう…ここだけの話なんだけどこの脚本家さんの他作品は知らないので一概には言えないのは分かってるけどもしかしてひょっとするとひょっとして…ラブストー...

連続テレビ小説『スカーレット』第61回

「夢は一緒に」内容喜美子(戸田恵梨香)を抱き寄せる八郎(松下洸平)その姿を常治(北村一輝)は目撃、すぐに常治は八郎を殴り飛ばすのだった。喜美子は説明をしようとするが、常治は聞く耳を持たず。その後、信作(林遣都)の手引きで、八郎の元を訪ねる喜美子。敬称略演出は、小谷高義さんほんと、12月に入ってから、ほころびが出始めているね。いや、八郎が出てからかな。もっと丁寧に描いていれば、違っただろうに。

【【スカーレット】第61回(第11週 月曜日) 感想

…怒った常治が八郎を殴り飛ばしてしまう。喜美子は懸命に八郎への思いや陶芸のことを説明しようとするが、常治はまともに話を聞いてくれない。すると信…

賛否両論?! 珍しいラブ・ストーリー(スカーレット)

先週は、フカ先生が去り、先輩弟子達も去って、やがて3年。喜美子(戸田恵梨香)の収入で、妹たちも進学できたのに、もとより気が強く、父親と似たもの親子で、喧嘩ばかりに天敵してた、妹の直子(桜庭ななみ)の「もうダメ」の三連チャンな電報に、家族は大心配でしたが(でも、笑えた)帰省して落ち着きました。再会した草間(佐藤隆太)さんのエピソードは、奥さんが他の人を好きになってしまい家出し、それを探しに… ...

コメント

コメントを残す

Secret

※なお、送られたコメントはブログ管理人が承認するまで公開されません。
※また、当blogの「コメント,トラックバック&リンク・ポリシー」に基づき、管理人が不適切、不適当、不愉快と感じたコメントは非公開、または予告無く削除します。

楽天市場PR

TB送信について

一部のブログサービス(特に、FC2ブログ)宛に、FC2からトラックバックが届かないケースが発生中です。

最新記事

PR


カテゴリー+月別アーカイブ

 

検索フォーム

PR