スカーレット (第56回・2019/12/3) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』(公式サイト)
第10週『好きという気持ち』の
『第56回』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。
八郎(松下洸平)の作陶を見守りながら、胸の高まりを感じる喜美子(戸田恵梨香)。八郎から陶芸について教えてもらい、時間が経つのも忘れてしまう。帰り道、喜美子は信作(林遣都)と出くわし「お見合い大作戦」に誘われる。信楽の結婚適齢期の若者たちを集めた、言わば“合同見合い”で、喜美子の家族の了承も得ているという。さらに八郎も来ると聞いても喜美子は気が乗らない。一方、川原家では直子(桜庭ななみ)から電報が…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
前回と今回の喜美子が夢中なのは"陶芸だけ"のようだ…
前回のラストシーンに若干の編集を加えて、こんなナレーションを被せたナレーションで始まった第56回。
N「喜美子は うどん皿が出来上がっていくさまに夢中でした」
前回の喜美子(戸田恵梨香)と八郎(松下洸平)のイチャイチャぶりを見た時点では、喜美子は陶芸にも八郎にも興味を抱いているように見えたのだが、このナレーションを聞く限りでも、上記のYahoo!テレビのあらすじの「作陶と見守りながら、胸の高まりを感じる喜美子」とも書いてあるから、「夢中なのは陶芸だけ」らしい。
まあ、前回は、サブタイトル『好きという気持ち』の1日目の月曜日と言うこともあり、明るく楽しい1週間の始まりを描いたつもりなのだろう。私としては、夢中の対象に見えた陶芸と八郎の境界線が曖昧なのは、しっくり来なかったが…
"学習や成長をあまりしない大人"設定が喜美子の大きな魅力
主題歌明けは、また新たなお話。作陶の段階で出る、削った残り「カス」の話題。こう言う描写を楽しいと思えるかどうかが、本作の評価に繋がる…と言うのを前回の感想に書いた。今回も、ちょっとだけ補強して観ようと思う。
普通の朝ドラのヒロインなら、実家である川原家は経済的に生活が苦しいのだし、母親も病気が完全に治った訳でも無いのだから(ですよね?)、正規の「絵付け」の仕事が終わっても残業して、今度は社長に残業代を直談判するとか、逆にさっさと帰宅して家事を手伝うと思うのだが、喜美子は違う。
喜美子が「親譲り」であり「川原家の特徴」でもある “学習や成長をあまりしない大人” と言う設定の上にある、喜美子の好奇心や探求心への良い意味での “浮気性” の設定によって、喜美子は時の立つのも忘れて、まるで粘土遊びをしている小学生の男の子を羨ましく楽しそうに見ている、これまた小学生の少女になってしまう。
そして、八郎が「最初の形作り」のことを教え始めると、目の前の “粘土遊びの男の子” は、喜美子にとって途端に “先生” に見え、自分は “素直な生徒” になっちゃう。やはり、この “学習や成長をあまりしない大人” と言う設定が、私は喜美子の大きな魅力だと思う。
無邪気で真面目で素直で天然的こそが喜美子の魅力に見える
例えば、今回の6分過ぎ、八郎の「カス」の授業が終わると、長い時間が経っていることに気付いた喜美子が、こんなことを言うシーンがあった。
喜美子「あっ! こんな時間やん 叱られるぅ」
八 郎「叱られんのん?」
喜美子「うち 都合のいい時だけ 子ども扱いされんねん」
八 郎「ああ いいですよ」
喜美子「連絡もせんと遅いと言われるかもしれへん」
喜美子は、既に21歳の大人の女性。特に、時代設定を考えても、一家の大黒柱の稼ぎを補完して来た(今も)稼ぎ頭なのだから、「大人」とか「一人前」と言う自覚があるのは大阪の荒木荘時代に描かれた。でも、信楽で3年修業して、またもとに戻っちゃった。
この台詞↑なんて、正に、目標に向かうと “猪突猛進” してしまう喜美子になりつつあるのが見えて愛着が湧くし、愛嬌も感じないだろうか。前作『なつぞら』のヒロイン・なつは、学習しないとか経験を活かさないと言われ不快な部分があったが、どうも私には、喜美子には学習しないとか経験を活かさないと言う不快なところを感じない。
無邪気で真面目で素直で天然的な部分こそが喜美子の魅力に見えるのだ。あの、喜美子の新作絵付け火鉢のデザインにも、話の展開上は斬新さを強調した方が良いと思うが、斬新と言うよりも、ちょっと稚拙で可愛い部分を演出家が反映したように感じるのだが…
「21歳の子ども」を圧倒的な演技で魅せる戸田恵梨香さん!
7分過ぎには、八郎が「お見合い大作戦」の話を持ち出した。早く帰ると思った直後なのに、喜美子の興味は僅か7分間で、「カス → 子ども扱いされんねん → ハチと信作と呼び合う仲」へ興味関心がトントン拍子で変化しちゃう。で、自分でもお見合い合戦には「興味がないです」とさらっと言っちゃう。
そう、喜美子は信作(林遣都)と八郎が自分のいない場所で仲良くしているのに腹を立てているのだ。その気持ちも、真正面から信作に言っちゃう。その後の新作とのジェスチャーゲームもそう、喜美子は、まるで子どもなのだ。それを圧倒的な芝居で演じる戸田恵梨香さんの演技力の賜物であることも一言添えたい。
火曜日でこんなに盛り込り。1週間で蹴りを付けるのか…
12分過ぎに、やっと喜美子が帰宅。で、また新たなネタ振り。東京で働く直子(桜庭ななみ)から3通の切実な内容の電報が届いて、心配だから母・マツ(富田靖子)が上京すると、むしろマツが上京する方が心配なのだが。
まあ、予告編を見れば、マツは上京せずに、失恋で傷ついた直子を草間(佐藤隆太)が信楽に連れ戻し、草間の一言で喜美子が八郎を恋愛対象として意識し始めるのは、ほぼ分かるのだが、まだ火曜日でこんなに盛り込んで、週末までにどこまで蹴りを付けるのかが、心配になって来た。
あとがき
今週は、ネタがてんこ盛りですね。そんな中で、喜美子が陶芸の道を選択するのと、八郎との恋バナを埋もれされることなく描いてくれるのを期待するのみです。
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★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/13544/
【これまでの感想】
第1週『はじめまして信楽(しがらき)』
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第2週『意地と誇りの旅立ち』
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第3週『ビバ!大阪新生活』
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第4週『一人前になるまでは』
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第5週『ときめきは甘く苦く』
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第6週『自分で決めた道』
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第7週『弟子にしてください!』
37 38 39 40 41 42
第8週『心ゆれる夏
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第9週『火まつりの誓い』
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第10週『好きという気持ち』
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